ネットワークを使用する機会が多くなり、ネットワーク監視を適切に行うことの重要性が増しています。効率よくネットワーク監視を行うためには、ネットワーク監視ツールの導入が不可欠です。本記事では、ネットワーク監視ツールの概要や仕組み、導入のメリット、選定時のポイントなどを解説します。
目次
- ネットワーク監視ツールとは
・ネットワーク監視の対象
・ネットワーク監視ツールの機能・仕組み - ネットワーク監視ツールを導入する4つのメリット
・メリット①:管理者の監視工数削減
・メリット②:障害の予兆検知・発生防止
・メリット③:障害の原因特定が速い
・メリット④:監視項目の設定が簡単 - ネットワーク監視ツールを選ぶ際の3つのポイント
・設定・アップデートの自動化ができる
・端末のネットワーク状況が把握できる
・可視化ができる - ネットワーク監視ツールならアラクサラネットワークスにご相談ください

■ネットワーク監視ツールとは
ネットワーク監視ツールは、ネットワークの通信状況を把握・監視するツールのことです。
ネットワークにおけるサーバーの障害や、通信速度の低下、過剰な負荷が起きていないかを確認します。
ネットワークに異常があると、アプリケーションやWebサイトがうまく稼働しないなどの影響が起こり、業務がストップする恐れがあります。このような事態を回避するためには、監視ツールを導入して常時ネットワークを監視することが大切です。ネットワークの利用状況を定期的に確認できれば、ネットワークやサーバーリソースの増強、ネットワーク設計の変更など、適切に対応できます。
ネットワーク監視の対象
ネットワーク監視の対象として、ネットワーク機器、サーバー、トラフィックなどがあります。ネットワーク機器とは、具体的にはルーター、スイッチングハブ、ロードバランサーなどのことであり、機器のアップ/ダウンや、各インターフェースを監視します。サーバーに関しては、ハードウェアのCPU使用率やメモリー使用率、サーバーのアップ/ダウンなどを監視します。
ネットワーク機器のベンダーが、そのベンダー機器に特化した監視ツールを提供しているケースもありますが、最近ではサーバーも含めたシステム全体を監視できる統合型監視ツールが主流です。
ネットワーク監視ツールの機能・仕組み
ネットワーク監視を行う場合、監視対象の情報機器にエージェントという専用のソフトウェアを導入することになります。エージェントは、機器の稼働に関する情報を収集し、定期的に監視サーバーに報告する方式のことです。
ただし、スイッチなど一部のネットワーク機器はエージェントをインストールできないため、その場合はエージェントを用いない「エージェントレス」タイプの監視ツールを利用します。
機器の情報を収集した後は、ネットワーク機器やサーバーなどの稼働状況を分析し、その結果を管理者に通知することで稼働状況を正しく把握します。異常がある場合には、障害の発生状況を検知し通知するツールもあります。
続いては、このようなネットワーク監視ツールを導入することで企業が得られるメリットを4つご紹介します。
■ネットワーク監視ツールを導入する4つのメリット
メリット①:管理者の監視工数削減
1つ目のメリットは、監視工数が削減できることです。
ネットワークは基本的に24時間365日の稼働が求められるため、ネットワーク管理者はサーバーが正常に稼働しているかを常時監視し続けなければなりません。人手による監視の場合、その負担は大きいです。
ネットワーク監視ツールを導入することで、ツールによる常時管理が簡単にでき、管理者はトラブル時の対応のみとなるため、監視工数を大幅に削減できます。
メリット②:障害の予兆検知・発生防止
ネットワーク監視ツールは、障害の予兆検知や発生防止にも効果を発揮します。
ネットワーク管理者による監視は、感覚的な対応が多く、障害発生後の事後対応となることが多いです。一方、ネットワーク監視ツールであれば、サーバーの負荷やCPUの利用率など、障害やトラブルにつながる前の予兆をアラートとして表示させられます。そのため、障害自体の予防が可能です。
メリット③:障害の原因特定が速い
ネットワーク障害の原因特定は、管理者の勘と経験に頼る対処であり、時間がかかることが多いです。一方、ネットワーク監視ツールを使用すれば、常時監視による障害時と障害箇所のレポートを出すことができるため、原因特定を迅速に行えます。
また従来の監視では、原因特定ができないケースもあるため、結果的にネットワーク機器をまるごと交換しなければならず無駄なコストが発生する可能性も高いです。ネットワーク監視ツールを使用することで、原因特定が速く、適切な対応も行えるため、コストの最適化が可能です。
メリット④:監視項目の設定が簡単
ネットワーク監視の際には、機器それぞれに監視項目の設定が必要であり、そのためには、専門的な知識が必要です。設定ミスがあった場合には適切な監視ができません。
一方、ネットワーク監視ツールには、基本的に監視項目の設定値についてテンプレートがあるため、設定作業を効率化し、運用開始後すぐに監視することができます。
続いては、ネットワーク監視ツールを選ぶ際のポイントをご紹介します。
■ネットワーク監視ツールを選ぶ際の3つのポイント
設定・アップデートの自動化ができる
ネットワーク監視ツール導入の目的の1つは、ネットワーク監視業務を効率化することにあります。
前述したような、テンプレートによる監視項目の設定やアップデートの自動化ができるツールであれば、それらに人手を割かずに済むため大幅な効率化が可能です。
ネットワーク監視や設定変更の自動化による情シス部門の生産性向上のポイントについては、以下の記事で解説しています。あわせてぜひご覧ください。
情報システム部門の生産性向上。ポイントは「ネットワーク監視や設定変更の自動化」!
また、ネットワーク機器のアップデート管理の効率化については、以下の記事で解説しています。
ネットワーク機器の管理業務を削減!アップデート管理を効率化する3つの機能
端末のネットワーク状況が把握できる
業務のデジタル化が進むにつれて、社内ネットワークに接続されるパソコンやIoT機器などの端末の数自体が増えていき、管理業務も増加する可能性があります。そのため、ネットワーク監視ツールは多くの端末のネットワーク状況を一元で管理・把握できるものが適切です。
また、端末が増えればネットワーク完成図書に記載すべき情報も増えますが、ネットワーク状況の把握ができれば手間をかけずに作成できます。
情シス部門の工数削減のカギを握る端末管理については、以下の記事で解説しています。あわせてぜひご覧ください。
情シスの工数削減で押さえておきたい、“端末管理“とは
また、ネットワーク完成図書作成の手間を削減するポイントなどについては、以下の記事で解説しています。
ネットワーク完成図書の作成を効率化するには
可視化ができる
ネットワーク全体の異常をすばやく把握するためには、トラフィック情報や端末通信フローなどをリアルタイムで可視化し、異常検知、ネットワークレイヤセキュリティなどの状況を管理画面で容易に確認できる機能が必要です。また、ネットワークの監視・可視化の際には、ネットワーク機器に負担がかからないツールを利用することが重要です。
ネットワークの監視・可視化については以下の記事でも解説しています。あわせてぜひご覧ください。
働き方の多様化で情シスに求められる令和のセキュリティ対策とは
本章では、ネットワーク監視ツールを選定する際の3つのポイントを説明しました。
より詳しいネットワーク監視ツール導入のポイントについては以下のリンクから資料請求ください。

ネットワーク監視ツール導入ポイント
本書では通信がつながらない・不安定といった課題を素早く解決するためのネットワーク監視ツール導入のポイントをより詳細に解説しております。
■ネットワーク監視ツールならアラクサラネットワークスにご相談ください
アラクサラネットワークスではご紹介した選定のポイントを押さえたソリューションを提供しています。
例えば、ネットワーク機器から各種情報を収集し、ネットワーク構成に関わる最新の状況をデータベースで一元管理するソリューションとしてAX-Network-Manager(AX-NM)があります。機器の構成や変更を自動的に把握し、システムの稼働状況を容易に把握できるため、障害発生時の切り分けにも利用可能です。
また、ネットワーク機器/回線/端末の状態をグラフィカルに表示(可視化)するAX-Network-Visualization(AX-NV)もあります。従来のネットワーク監視システムでは見ることができなかった情報の見える化や、検知できなかった障害の原因特定などを可能にします。
アラクサラネットワークスのネットワーク監視ツールとネットワーク運用ソリューションについてご興味のある方は以下をご覧ください。
AX-Network-Manager(AX-NM)
https://www.alaxala.com/jp/products/AX-NM/AX-NM.html
AX-Network-Visualization(AX-NV)
https://www.alaxala.com/jp/solution/admin/saaskashika/AX-NV/index.html