ネットワーク監視とは、ネットワークが正常に稼働しているかを確認することです。業務でネットワークを利用する機会が多い現代において、ネットワークのトラブルは大きな問題です。トラブルを予防し、即座に対応するためにはネットワーク監視が欠かせません。本記事では、ネットワーク監視の概要や導入するメリット、ネットワーク監視ツールの選び方などをご紹介します。

目次

■ネットワーク監視とは

ネットワーク監視とは、ネットワーク上の機器から稼働状況に関する情報を集め、ネットワークが正常に稼働しているかを確認することです。

ネットワークは、機器やケーブルの異常でダウンすることもあれば、大量のデータが原因で負荷がかかりレスポンスが低下することもあります。このような事態が発生した時に業務に支障が起こらないためにも、企業では常日頃からネットワーク監視を行う必要があります。

主なネットワーク監視項目

ネットワーク監視の対象は、スイッチやルーターなどのネットワーク機器をはじめとして、サーバーやサービス・プロトコルなどサービス提供に必要なネットワーク上で動くものすべてです。
そして主な監視項目として以下3つがあげられます。

・死活監視
監視対象の機器に向けてPing(サーバーの応答速度計測)を実施し、応答を確認することです。機器が起動しているか、通信経路が正常かを外部から継続的に監視・判断します。

・トラフィック(経路)監視
サーバーや周辺機器のネットワークの混雑状況を監視し、通信速度の低下が起きていないかを監視します。

・機器の状態監視
ネットワーク機器本体のCPU使用率・メモリ使用率などのリソースを確認して、異常状態でないかを判断します。

上記の監視項目以外にも、提供している各Webサービスが正常であるかを確認する「サービス・プロトコル監視」や異常を検知した際に伝達する「トラップ監視」、データを保存するHDDを監視する「ストレージ監視」などがあります。

ネットワーク監視の必要性

近年は、ネットワーク技術の発展によって、メールの送受信以外にも動画や音声による情報の発信、Webでのサービス提供、オンライン会議など、さまざまな場面でネットワークが使われています。一方で、ネットワークのダウンや不調などで正常な稼働ができなければ、事業活動が円滑に実行できず、多大な損害が発生してしまう可能性があります。
このような背景を考慮すると、ネットワーク障害の予防はビジネスにとって欠かせない取り組みの1つであり、ネットワーク監視だけでなく、ネットワークセキュリティの向上が求められることは間違いありません。

そこで、ネットワークセキュリティを向上させるためのポイントを次章でご紹介します。

■ネットワークセキュリティを高めるうえでのポイント

ネットワークのセキュリティを高めるためには、いくつかのポイントを押さえておくことが大切です。スムーズな事業活動のためにも、ネットワークセキュリティの向上に取り組みましょう。

セキュリティ性の高いネットワーク機器の選定

1つ目のポイントは、スイッチやルーターなどのネットワーク機器において、セキュリティ性が高い機器を選定し、使用することです。

新型コロナウイルスの影響で働き方が変化したことで、企業ではクラウドサービスの利用が増加しました。クラウドサービス利用時には、社内外のあらゆるところからのアクセスが想定されるため、「ゼロトラストセキュリティ」を取り入れる必要があります。
ゼロトラストとは、内部・外部を問わずどのネットワークも信用しない概念のことです。「ゼロトラストセキュリティ」では、すべてのネットワーク経路を検査・記録したうえで、正しい行動かを常に確認しているため、境界型セキュリティよりも安全性が向上します。そのため、ネットワーク機器においてもこの対策が必要です。

ゼロトラストに対応したネットワーク機器の詳細は以下の記事で紹介しています。ぜひあわせてご覧ください。
「ゼロトラスト」とは?新たな働き方に対応したセキュリティの考え方

保守・管理の質が高いサービスの利用

2つ目のポイントは、保守・管理の質が高いサービスを利用することです。

いくらセキュリティ性の高いネットワーク機器だとしても、障害の対応やサポート体制に不備があれば、トラブルが発生した時に手間や時間がかかってしまいます。ネットワーク機器に異常が発生した時でも、利用者とベンダーのコミュニケーションの齟齬がなく、速やかに対処してくれるのかを確認することが大切です。
また、ネットワーク機器は長期間の利用が想定されるため、保守サービスの期間はどれくらいなのかもチェックしておきましょう。

ネットワーク機器の保守・管理については以下の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
ネットワーク機器の保守・管理の手間を削減する3つのポイント

次章では、ネットワーク監視を効率的に行う方法をご紹介します。

■効率化にはネットワーク監視ツールが必須

ネットワーク監視を効率的に行うには、監視ツールの導入が欠かせません。ここでは、監視ツールが求められる理由とツールの選び方をご紹介します。

ネットワーク監視ツールが必要な理由

ネットワーク監視は人手によって行われる作業が多く、情報システム部門の負荷が高くなるため、ミスにつながる恐れがあります。そのため、工数を削減するための効率化が欠かせません。業務を効率化させるためには、業務を自動化することが重要であり、ネットワーク監視ツールの導入が必須です。

ネットワーク監視ツールでは、監視対象となるサーバーの稼働情報を収集する「エージェント」と呼ばれるソフトウェアをインストールします。そのうえで、ネットワーク機器やサーバー、通信トラフィックなどの障害や性能低下を迅速に管理者に通知し、監視を行います。エージェントには、障害発生時の原因特定を行う分析機能も備わっているため、効率化が期待できます。

このようなネットワーク監視ツールを導入することで、24時間365日効率的な監視が行えます。障害の発生を未然に防ぎ、トラブル発生時に迅速に対応できるため、復旧時間も短縮できます。

ネットワーク監視ツールの選び方

ネットワーク監視ツールを選ぶ際は、まず機器の監視項目の幅を確認することが重要です。ネットワークの監視項目や閾値※1は、機器の種類や開発メーカーの違いによって異なるため、テンプレートを用いて運用できることが理想的です。

※1 閾値:その値を境に上下で意味や条件、判定などが異なるような値のこと。ネットワーク監視においては、閾値と定義された通常のパターンと異なるトラフィックが検出されれば、アラート警告を出して問題の解明に対応することができる。

また、ネットワークの接続状況を毎回人が確認することは手間となるため、接続状況を「自動的に検出してくれるか」もツール選びの際には重要です。

さらに、ネットワークの異常を「一目で可視化できる」ツールであることも大事です。通信状況の詳細を可視化できれば、ユーザーごとにネットワーク障害の原因を特定しやすくなり、異常の早期発見も可能です。

上述したようなネットワーク監視ツールの導入メリットや選び方は以下記事で詳しくご紹介しているため、ぜひご覧ください。
ネットワーク監視ツールとは?メリットや選定ポイントなどを解説

■ネットワークセキュリティを高める機器・ツールはアラクサラネットワークスで

アラクサラネットワークスでは、ご紹介したネットワークセキュリティのポイントであるゼロトラスト対応のソリューション・製品の提供を行っています。ネットワーク監視ツールに関しても、ネットワークシステムのモニタリングと分析により通信状況を可視化・監視することができ、トラブルの原因究明と対処を迅速に行えます。

また、メンテナンスや障害の対応などサポート体制も充実していることから、ネットワーク運用の効率化も可能です。

ネットワーク運用の効率化のポイントは以下のURLから資料請求いただけます。ぜひご覧ください。

資料画像

ネットワーク運用を劇的に効率化する3つのポイント

リモートワークの拡大による端末管理やネットワーク機器のバージョンアップ、挙動不審端末の検知や対応など、ネットワーク運用担当者は日々幅広い業務への対応を迫られています。
本資料では日々のネットワーク機器管理業務を効率化するポイントをご紹介します。