SUMMARY
設備投資の最適化と運用負荷の軽減が求められる中、複数のネットワークを物理的に統合する「ネットワークの仮想化」が注目を集めています。アラクサラネットワークスでは、コアスイッチで対応していたネットワークの仮想化機能を、ボックス型スイッチにまで拡大することにより、広域・多拠点ネットワークの仮想化を実現しました。
ネットワーク仮想化の導入に関する悩みとは?
複数のネットワークを仮想的に同一のネットワークに集約して運用効率を高める「ネットワークの仮想化」。アラクサラネットワークスでは、VRF(Virtual Routing and Forwarding)とVLAN(Virtual LAN)によってネットワークを複数の論理ネットワークに分割する「ネットワーク・パーティション」によって実現しています。
しかし、今まではシャーシ型のコアスイッチしかVRF機能をサポートしていなかったため、拠点の多いネットワーク仮想化する際には、コストが高くなるという課題がありました。
ネットワークの仮想化をボックススイッチで実現
そこで、ネットワークの仮想化を、広域・多拠点ネットワークにも拡大したいという要望に応えて登場した製品が、アラクサラネットワークスのボックス型L3スイッチの「AX3650S」です。VRF機能をボックス型スイッチでサポートしたことにより、ネットワーク・パーティションの活用範囲が一気に拡大しました。
コンパクトな1Uサイズのボックス型スイッチであるAX3650Sは、設置の自由度が高く、コストもおさえられるので企業の支店や営業所、自治体の拠点などへも手軽にネットワークの仮想化が展開できます。
【活用シーン1】広域・多拠点ネットワークの仮想化を実現
VRF機能をボックス型スイッチでサポートしているAX3650Sなら、本社だけでなく、支店や営業所などの各拠点にも配置できるので、広域イーサネットをまたがる広域・多拠点の仮想ネットワークを実現できます。
【活用シーン2】小規模・中規模な仮想ネットワークの構築
AX3650Sは、従来のコアスイッチと同様、構内LANのネットワーク仮想化にも適用できます。高価でサイズの大きいシャーシ型スイッチと比べてコンパクトで価格も安いことから、小規模・中規模のネットワークに最適で、低コストでネットワーク・パーティションが導入できます。
ネットワークの仮想化を導入して既存の物理スイッチを削減すると、1台のスイッチで複数の仮想ネットワークを同時に動作させる必要があります。
AX3650Sは既存のL3スイッチ(AX3640S)と比べて、大幅に収容数を強化しており、仮想ネットワークの数が増えても十分に対応が可能です。
複雑化するネットワークを可視化してネットワークの状況を正確に把握
複数の拠点にネットワークの仮想化を拡大すると、システム全体の構成やリソースの利用状況が把握しにくくなり、システム管理者にかかる負担が大きくなる恐れがあります。
そこで、アラクサラネットワークスは、大規模ネットワークの効率的な運用をサポートする視覚化ツールを提供いたします。
ツールによって仮想システム全体の物理・論理構成が一覧形式で表示されるため、システム管理者は、スイッチの物理構成と仮想ネットワークの論理構成のマッピングが容易に把握できます。さらに、仮想ネットワークと接続している拠点内の端末や、本社のサーバなども一覧で表示され、システム管理者はリソース状況を確認しながら適切な運用ができます。
【活用事例】自治体や大学で多数の導入実績
複数の部署やサービスで利用しているネットワークを1台のスイッチに収容する「ネットワーク・パーティション」は運用効率が高く、強固なセキュリティに対応していることから、自治体や学校での導入実績が多数あります。企業でも、グループ統合に伴うネットワークの集約などで利用されています。
自治体
西宮市役所様では、ネットワーク・パーティションによってネットワークを「住民情報系」「内部事務系」の2つに分離することで、強固なセキュリティ環境を維持しながら効率的な運用を実現しています。
大学
名古屋工業大学様では、ネットワーク・パーティションによってネットワークを「プライベート」「管理セグメント」「情報基盤」「グローバル」の4つの領域に論理的に分割し、レベルに応じたネットワーク運用を行っています。
※上記の事例は同様の機能を実装したシャーシ型スイッチによる導入事例です。AX3650Sの導入事例ではありません。