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スプリットマルチリンク技術:大規模フォールト・トレラント・ネットワーク

SUMMARY

シンプルなネットワーク構成で、高信頼を担保するフォールト・トレラント・ネットワーク(FTネットワーク)が好評を博しています。アラクサラは、FTをディストリビューションスイッチまで拡張すべく、新製品「AX2530S」を開発。大規模なFTネットワークを構築することが可能になり、その適応範囲は広がっています。

保証されたネットワークには、信頼性が何よりも重要

アラクサラは、これまでも「ギャランティード・ネットワーク」というコンセプトを掲げ、製品やサービスを提供してきました。ネットワークをギャランティー(保証)するためには、何よりも高い信頼性が担保されている必要があります。

現在、ネットワークはビジネスには欠かすことができないインフラストラクチャであり、その信頼性はBCP(business continuityplan/事業継続計画)の観点からも、これまで以上に重要視されています。さらに、クラウドコンピューティングやデスクトップの仮想化(シンクライアント)の採用も進んでおり、ネットワークは止まらないのが当たり前という前提で、企業システムが構築され始めています。このような環境では、ネットワークの停止がビジネスの停止に直結することは、あらためて説明するまでもないでしょう。ネットワークの信頼性を確保することが、ビジネスにおいても死活問題になり始めているのです。

シンプルかつ高信頼なFTネットワークが好評

信頼性を確保するためには、複数台の機器を冗長化させるケースが一般的です。この場合、ハードウェアに障害があったとしても、ネットワーク自体が停止することはないので、高い信頼性を有することになります。しかし、構成する機器が倍増して機器構成が複雑になるばかりか、複数プロトコルが自律分散的に動作するため、ネットワークが複雑になり、その管理・運用も煩雑になってしまうという問題点がありました。さらに、複雑化はネットワークを不安定にする要因にもなっていたのです。

そこでアラクサラでは、FTネットワークというコンセプトの元、シンプルで高信頼なネットワークを提案しています。具体的には、1台の装置に2台分の機能を実装したフォールト・トレラント・スイッチ(FTスイッチ:AX6700S, AX6600S, AX6300S)をコアに設置し、ディストリビューションはリンクアグリゲーションを利用したシンプルな冗長ネットワークを構築します。この結果、スパニングツリープロトコル(STP)によるループ障害リスクも避けることができます。

フォールト・トレラント・ネットワーク(FTネットワーク)

FTネットワークをディストリビューションまで拡張

このFTネットワークのコンセプトをディストリビューションにも拡張すべく、2010年6月に新製品「AX2530S」が発表されました。これまでのリンクアグリゲーションによるネットワークという考え方を踏襲し、余計な冗長プロトコルを排除したシンプルなネットワーク構成を可能にする製品です。 「AX2530S」を活用することで、これまでのFTネットワークのシンプルさと信頼性をディストリビューションまで拡張し、大規模ネットワーク構築も容易となります。

ディストリビューションには、ボックス型レイヤ2スイッチの「AX2530S」を2台設置し、新機能のスプリットマルチリンク(SML)を使うことで、2 台の装置をまたがってエッジスイッチおよびコアスイッチ間とリンクアグリゲーションを構成します。また、SMLで構成したネットワークでは、サービスを停止することなくバージョンアップなどの作業をすることも可能です。

コアにはシャーシ内の冗長化であるFTスイッチを配置し、ディストリビューションにはSMLを活用した「AX2530S」を配置することで、リンクアグリゲーションをベースにした冗長システムを構築します。シンプルで信頼性を確保するというコンセプトをそのまま拡張した、新しいFTネットワークは、これから重要性をさらに増していくことでしょう。

「高信頼」・「シンプル」な大規模FTネットワーク

スプリットマルチリンク(SML)のメリット

コアスイッチ(FTスイッチ:AX6000Sファミリ)

AX2530SのSMLは、ディストリビューションにおいて必要な「回線の冗長」機能に特化しているため、他のスイッチに比べても低コストでシステムを構築できます。またレイヤ2スイッチでありながら、高価なレイヤ3スイッチと同等な収容条件を備えていることも大きなアドバンテージです。さらに、装置またがりのリングアグリゲーションというシンプルな技術により、トラブルの原因である複雑さを排除しています。なお、2台のスイッチは独立に動作しており、無駄な装置冗長制御をする必要がありません。さらに独立に動作していることで、サービス無停止でのバージョンアップ作業も可能になります。AX2530Sは、多数のフロアを収容するディストリビューションスイッチのベストプラクティスとなるでしょう。

グリーンIT、認証など「AX2530S」のさらなる特徴とは

「AX2530S」の特徴は、FTネットワークを構成するだけにとどまりません。ネットワークのギガビット化が著しいPCやサーバを収容するエッジスイッチとして活用できる上に、「AX1240S」でも好評のIEEE802.1X認証、Web認証および MAC認証を用いたトリプル認証機能に対応したほか、不正端末排除とユーザ認証を同時に行う「マルチステップ認証」も実現しています。「マルチステップ認証」を行うことで、認証機能の弱点であった「端末さえ認証されればアクセスできる不正ユーザ」や、「持ち込みPC」の排除も可能となり、セキュリティを大幅に強化することができるでしょう。

また、「AX2530S」は、省エネ対応も強化されています。装置自体の省エネ化が図られているのはもちろん、未使用ポートの省電力機能や装置のスリープ機能からなるダイナミック省電力にも対応しています。装置のスリープ機能は、スケジュール設定により「AX2530S」をスリープ状態にすることが可能です。なお、スリープ時であっても、リモートから電源をオンにすることもできるため、スリープ中の突発的な利用も可能となります。

これらの機能により、より運用しやすい製品に仕上がっている「AX2530S」は、高信頼ネットワーク構成の中で、コストパフォーマンスの高いディストリビューションスイッチとして活躍するでしょう。

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