SUMMARY
ITネットワークが企業のインフラとしてますます重要度を高める中、その省エネ化が大きなテーマとなっています。アラクサラでは、これまでの装置単体の電力低減に加え、システム全体としての電力コントロールに着目。「使わない時は電力カット」という新しい発想で、さらなる省電力化を実現します。アラクサラネットワークスのダイナミック省電力技術がネットワークの「もったいない」を解決します。
ネットワークの省エネ化は社会的テーマ
IT分野において省エネ化は大きなテーマとなっています。中でも、企業内ネットワークを流れる通信トラフィックの増加に伴い、ネットワークを構成するルータやLANスイッチなどのネットワーク機器の消費する電力が急増しています。日本の省エネルギー対策の一環として進むトップランナー規制では、ルータやスイッチが対象品目に加えられる動きがあるなど、ネットワーク機器の消費電力量の増加は社会的な問題にもなっています。
アラクサラでは、企業の環境対策に貢献するため、ルータ、LANスイッチの省電力化にいち早く取り組んできました。例えば、独自開発のデバイス技術の採用で処理エンジンの性能を高めると共に、集中型アーキテクチャによって高性能と低消費電力の両立という難しい命題を解決してきました。しかし、従来の単体装置の電力低減のみでは限界があるのも事実です。
そこでアラクサラでは、システムレベルでも何かできることがあるのではという観点から、新たな挑戦を進めてきました。その答えが、使わない時は電力をカットするという「ダイナミック省電力技術」です。
「使わない時は電力カット」を可能にするダイナミック省電力技術
照明やエアコンといった一般の電気製品は、使わない時は電源をオフにするのが常識です。一方、企業のネットワークはどうでしょう。確かに24時間365日稼動が必要なシステムもありますが、システム全体で考えた場合、深夜や休日は部分的に稼動できれば十分というケースがほとんどです。しかし、これまでネットワーク機器は、常時電源オン&常時フル稼働が常識でした。
そこでアラクサラでは発想を転換。使わない時は給電オフにしたり、省電力モードに切り替えれば、さらなる省エネ効果が得られると考えました。
これまでの常識を非常識と考える、こうして生まれたのが「ダイナミック省電力技術」です。
- バックボーンスイッチは、トラフィックが減少する時間帯は性能を落とす。
- フロアスイッチは、未使用のリソースは給電を止める。
このように、深夜・休日のネットワークを部分稼動にすれば、システム全体では大幅な省電力化が実現します。
バックボーンスイッチ「AX6700S/AX6600S」のダイナミック省電力機能
- 性能の抑止
- ネットワーク機器を導入する際には、将来の拡張に備えてある程度の余裕を持たせた機器を選定するため、それだけ余計な電力が消費されています。AX6700S/AX6600Sは、内部の動作クロック周波数を下げて余剰性能を抑え、消費電力を低減します。
- コールドスタンバイ
- 冗長化されたスイッチユニットにおいて、待機系スイッチユニットを給電OFF(コールドスタンバイ)とする省電力機能です。運用系スイッチユニットの障害時には、コールドスタンバイから自動復旧して高可用性を維持します。
性能の抑止+コールドスタンバイにより、AX6700Sの場合で40%~50%、AX6600Sの場合で15%~30%もの消費電力の削減が可能です。
フロアスイッチ「AX1240S」のダイナミック省電力機能
- 未使用ポート省電力機能
- 従来のスイッチでは、未使用ポートへも電力をフルに供給していました。AX1240Sでは、リンクダウンしているポートへの給電を自動でスリープ状態に切り替え、消費電力を10%~20%低減します。
ダイナミック省電力機能 ~スケジュール~
- AX6700S/AX6600S(スケジュール制御)
- 省電力関連の機能を、日時指定、毎日指定、曜日指定といったスケジュールに従って制御します。オンラインでの省電力モードへの切替、待機系スイッチユニットの給電OFF機能に適応可能です。
- AX1240S(スケジュールスリープ)
- 週末、休日、長期休みなど、予め設定したスケジュール従ってスイッチの電源を自動でスリープ状態にします。スケジュールスリープ機能を活用して土日をスリープ設定した場合、平日の通常運用と比較して70%もの省電力化が可能です。
積極的に無駄を削減して大幅な省エネを実現
ダイナミック省電力技術の利用イメージを、大学における運用例から考えてみましょう。大学は休日が200日あり、これに平日の深夜時間(0時~6時)を加えると、一年(8760時間)の2/3に当たる5790時間がネットワークのフル稼働を必要としない時間帯が占めています。この時間帯にダイナミック省電力技術を適応することで、大幅な省エネ化が可能となります。
また、週休2日の企業の場合、年間130日の休日があり、一年(8760時間)の半分に当たる4530時間が該当します。
「もったいない」は世界に誇れる日本の美徳。
積極的に無駄を削減してシステムの省エネを実現しましょう。