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導入事例

事例:公立大学法人 福岡県立大学 様文教

(2022年12月)

トラブル続きの既存ネットワークを刷新
安定した稼働に加え、
サーバを含めたITリソースの一元管理が実現

西日本では数少ない公立福祉系総合大学として、地域に根ざした教育・研究を実践し、保健・医療・福祉の分野において先駆的役割を果たしてきた福岡県立大学。同大学では、トラブル続きの既存ネットワークに悩まされていたが、コロナ禍を機にオンライン授業を実施したところ、課題が一気に顕在化。これを解決するため、ネットワークの刷新を図ることになった。入札を実施した同大学は、アラクサラネットワークス(以下、アラクサラ)のL3およびL2スイッチ「AXシリーズ」を核とした提案を選定。その導入により、稼働が安定化し、運用負荷は大幅に削減。また、AX-Network-Manager(AX-NM)の活用により、ITリソースの一元管理も実現している。

もくじ

  • 公立大学法人 福岡県立大学
    副理事長
    奥園 秀史

  • 公立大学法人 福岡県立大学
    経営管理部 経営企画班
    主任
    木村 尊治

  • 公立大学法人 福岡県立大学
    経営管理部 経営企画班
    主事
    和田 遼祐

オンライン授業の実施を機に既存ネットワークの課題が顕在化、障害が頻発し大学の業務も止まる

福岡県立大学の概要についてお聞かせください。

奥園:本学は、1945年に設置された福岡県立保健婦学校、1967年開学の福岡県社会保育短期大学をルーツに持ち、1992年に開学した西日本で数少ない公立福祉系総合大学です。2006年の法人化を契機に、個性豊かな大学として発展するべくさまざまな改革を推進しており、特に教育を最重要使命とする「学生ファースト」の公立大学として、e-ラーニングを自学自習に導入するなど、経験と体験学習を重視した「教員と学生の距離が近い」教育環境を整備しています。

このたびネットワークを見直すことになった背景を教えてください。

奥園:先のコロナ禍ではどこの教育機関も大きな影響を受けたと思いますが、本学も例外ではなく、オンライン授業への移行を余儀なくされました。そこで、授業を配信するための仕組みを整備するとともに、PCを持っていない学生にiPadを貸し出すなどの対応を実施したのですが、いざ授業を行ってみるとネットワーク障害が頻発。大変な思いをしたのがきっかけです。

木村:コロナ禍の前からネットワークは課題を抱えていました。それがオンライン授業を実施したことで一気に顕在化したのです。大きな障害が何度も発生し、授業のみならずインターネットやメールが使えない状況が続き、大学の業務が停止することもありました。

和田:ネットワークを構築したベンダーにサポートを依頼しても、常にすぐ駆けつけてもらえるとは限りません。また、電話やメールでのやり取りだけでは、トラブルの原因を究明したり、対応方法を理解したりすることも難しいため、運用負荷が次第に大きくなってきました。

具体的にはどのようなトラブルがあったのでしょうか。

木村:頻繁にループが発生していました。原因は一斉に送信用の特殊データや信号が転送され続ける“ブロードキャストストーム”で、複数のネットワークでループが形成され、最終的にネットワークの全体機能を停止させてしまう現象とのことでした。既存のネットワークが雑な構成でセグメント化されておらず、全ての通信がスルーされているため、1つのトラブルがネットワーク全体に影響していたのです。

他大学での豊富な実績に加え、問い合わせに対する的確な回答を評価

新たなネットワークでアラクサラ製品を採用した理由について教えてください。

奥園:既存ネットワークは2016年に導入したもので、2021年が5年サイクルの見直し時期でした。そこで、これを機に従来の課題を抜本的に解決できる新たなネットワークを構築しようと考えたのです。本学は公立大学ですので、プロポーザル方式の入札を実施。3社が応札し、技術力、サポート力、コストなどを総合的に勘案した結果、AX3600Sシリーズ、AX2500Sシリーズ、AX2300Sシリーズなどのアラクサラ製品を核とした提案を選定しました。

アラクサラ製品については、九州大学や福岡大学など他の大学で豊富な実績があり、故障が少なく、過酷な環境にも耐えうるという評判を聞いていました。既存ネットワークではトラブルの頻発に泣かされていたので、これは心強かったですね。

木村:国産製品であることも大きいです。海外製品の場合、何か質問しても日本法人経由で本国に問い合わせるため、どうしても対応が遅れがちで、あげくはっきりした回答が得られなかったりします。

和田:この点、問い合わせに対する回答が明確で、われわれが納得できるネットワークの構成と提案を、技術的な裏付けをもとに説明してくれました。例えば、既存のネットワークではなぜループのような現象が発生しやすいのか、それを回避するためにはどのような構成にすればよいかなど、解決策を的確に示してくれました。

導入の流れを教えてください。

奥園:2021年春より新たなネットワークに関する検討を開始し、秋に入札を実施。翌2022年1月に契約し、5月から検証をスタート。その後、6月から8月にかけて導入作業を行い、10月に完了しました。構築の過程で特に問題は出ず、スケジュール通りに終わらせることができています。

ネットワークの刷新により稼働が安定化、AX-NMによりITリソースの一元管理が実現

導入の効果はいかがでしょうか。

木村:新しいネットワークが稼働してから、大きなトラブルは一切起きていません。従来は休み中にトラブルが起きて呼び出しを受けることもありましたし、原因を究明し復旧するまでに1日がかりということも珍しくありませんでした。そういったことを考えると、われわれにかかる負荷も雲泥の差ですね。

和田:今回の導入では、ネットワークの構成をリンクアグリゲーションにしています。複数の物理リンクを1つの論理リンクとして扱い、通信時には複数の物理リンクを同時に使用できるため、倍の帯域幅での通信が可能です。また、物理リンクの1本に障害が発生しても、残りの通信帯域で通信できるので、耐障害性も高まっています。

木村:特に大きなメリットと感じているのが、AX-NMの存在です。AX-NMは機器からコンフィグを自動収集してくれる上、AXシリーズのみならず、各サーバの監視にも活用できます。これにより、ITリソースの一元的な管理が可能になりました。Pingによる死活監視やMIB値を参照しての閾値監視に異常があればメールでアラートを発してくれますので、これまでのような事後対応ではなく、トラブル前のプロアクティブな対応も可能になりました。

アラクサラ製品のゼロタッチプロビジョニング機能も大きなメリットです。これは、あらかじめ用意したコンフィグファイルやファームウェアを、AX-NMがネットワークに接続した時に自動でダウンロードしてインストールしてくれるもので、たとえ機器が故障しても、ストックしてある予備機と入れ替えさえすれば、自動的に使えるようになります。加えて、導入業者がリモートでのサポートを提供してくれますので、障害対応は万全の状態になったといえるでしょう。

無線LAN環境も順次増強、SINETへの接続も進める

今後の展望についてお聞かせください。

和田:今回のネットワークの刷新に合わせ、無線LANとOffice 365も導入しました。無線LANの導入は予算の関係で一部にとどまっていますが、順次増強していく予定です。なお、無線LANのアクセスポイントにはAX2300シリーズのPoE給電を活用しており、PoEインジェクターなどの余計な機器が不要になったため配線がシンプルになり、故障の可能性が低くなりました。

奥園:ネットワークインフラが整備され、安定した通信が可能になったことで、仮にまた全面的なオンライン授業が必要になったとしても、安心して対応できるようになりました。今後は、大学・研究機関等の学術情報基盤であるSINETへの接続も進めていく予定のため、これからも引き続きご支援いただくことを期待しています。

About 公立大学法人 福岡県立大学

公立大学法人 福岡県立大学

1945年に設置された福岡県立保健婦学校、1967年開学の福岡県社会保育短期大学を前身とし、1992年に福岡県立大学として開学。2006年に法人化し、“第2の開学”を遂げる。以来、人間社会学部・看護学部の2学部と大学院2研究科を擁する西日本で数少ない公立福祉系総合大学として、地域に根ざした教育・研究を実践し、保健・医療・福祉の分野において先駆的役割を果たしてきた。現在は、社会のニーズに応え、教育・研究をさらに活性化し、質の高い人材の養成を図り、地域社会に貢献する、個性豊かな大学として発展するための改革を推進している。

https://www.fukuoka-pu.ac.jp/

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