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導入事例

事例:中部国際空港株式会社 様 中部国際空港情報通信株式会社 様航空

(2023年2月)

有線ネットワークの機器をアラクサラ製品で統一
機器の一元管理と状況の可視化により、運用負荷を大幅に軽減

中部エリアの空の玄関口である国際拠点空港、中部国際空港(セントレア)。同空港では、かつてネットワーク機器の操作や状況の把握などに課題を抱えており、運用負荷も少なくなかった。そこで同空港はこうした課題を解決すべく、ネットワーク機器の更新を機に、アラクサラネットワークス(以下、アラクサラ)のL3およびL2スイッチ「AXシリーズ」を採用。併せてネットワーク・マネジメント製品AX-Network-Manager(AX-NM)およびネットワーク可視化ソリューションAX-Network-Visualization(AX-NV)を導入した。これにより、有線ネットワークの機器がアラクサラ製品で統一され、機器の一元管理と状況の可視化が実現。広い空港における運用管理の負荷も大きく軽減された。

もくじ

  • 中部国際空港情報通信株式会社様
    情報システム部 インフラグループ
    グループリーダー
    川原 浩史

  • 中部国際空港情報通信株式会社様
    システム運用部 運用第1グループ
    都築 広樹

既存のネットワーク機器はインターフェースに問題、運用・管理ツールも機能に限界

中部国際空港の特徴、最近のトピックについてお聞かせください。

川原:中部国際空港セントレアは、コンパクトなターミナルビル構造と充実した商業エリアが特徴で、2005年の開港以来、航空機をご利用になる方だけでなく、空港でのお食事やショッピングを目的としたお客様にも親しまれてきました。コロナ禍の影響により、一時は便数や利用者が大幅に減少していましたが、現在では国内線を中心に賑わいがかなり戻ってきています。

今回の導入の背景を教えてください。

川原:以前に導入していたネットワーク機器は海外製だったのですが、インターフェース設定などが業界標準ではなく、うまく活用できていませんでした。インターネットで調べようにも、あまりメジャーな製品ではなかったため、十分に情報を得られなかったのも悩みでした。

インターフェース設定は、具体的にはどのようなものでしたか。

川原:ポートの範囲指定が階層構造になっているなど、操作性が標準的ではなく癖がありました。なじみの薄い操作をゼロから覚えるのは大変でしたね。機器導入後の運用はベンダーに任せず自分たちで行っているのですが、私たちの守備範囲はセントレアだけなので、なかなか経験値を積み上げることができません。検証機を使ってコマンドの動きを検証したり、ベンダーに問い合わせて返答があるまで余計な時間を費やしたりと、運用にかかる負荷は少なくありませんでした。

そのほかの課題としては何があったのでしょうか。

都築:私たちシステム運用部も、各機器に対する知識やノウハウはそこまで持っていない上、マルチベンダーの製品を使用していたため、機器により対応できるメンバーが限定されるなど、属人化の問題がありました。また、ネットワーク機器以外にも、広大な空港に設置された多数の機器の保守をしなければなりません。

川原:これまでもネットワークの運用管理や監視にはツールを使用していたのですが、できることに限りがありました。たとえば、pingによる死活監視には応答しているのに、実際には望むように稼働しないケースもあるため、MIB収集による性能監視なども行います。あらかじめ設定したしきい値を上回るか下回った場合にアラートを通知することができますが、裏を返すとしきい値に達しないときはアラートが出ません。それなのにネットワークがつながりにくいという状況になるのです。こういった“サイレント障害”が発生したとき、従来のツールでは原因の把握、細かな切り分けなどができませんでした。そこで、機器更新のタイミングを見計らって、これら課題の一掃を目指すことにしたのです。

使いやすさ・コスト・サポート・堅牢性などを評価、運用管理ツールも含めアラクサラに統一

ネットワーク機器更新の流れを教えてください。

川原:具体的な検討を開始したのは2019年のことです。その際の要件としては、マルチベンダー環境における運用管理の大変さを痛感していたこともあって、ネットワーク機器のメーカーを統一することにし、操作性、コスト、信頼性、サポートなどもポイントとしました。2020年に4社から提案をもらって検討を進め、2021年4月にアラクサラ製品を核とした提案を選定しました。

アラクサラ製品の評価についてはいかがでしょうか。

川原:業界標準のコマンドラインなので、インターフェース設定などになじみがあること、コストバランス、最大10年というサポートの長さなどは大きなメリットでしたね。

都築:実は以前からL2スイッチの一部にアラクサラ製品を採用していたのですが、これがかなり使いやすく、壊れなかったとというのも大きなポイントとなりました。機器を設置する場所の中には、埃の多いところやエアコンのないところなど、過酷な環境も少なくありません。別メーカーの製品ではファンが原因で何度か故障したものもあったのですが、アラクサラ製品はファンレス構造などにより、そのあたりの対策もしっかりしていると感じました。

今回はネットワーク機器と併せてAX-NMとAX-NVも導入されていますね。

川原:限られたコストで私たちが求める運用管理が可能な製品として選びました。スイッチメーカーの製品であるため各機器との相性が良いこと、第三者からの評価の高さ、トラフィック等の状況の変化が把握できることなどの点に魅力を感じました。

機器の一元管理と状況の可視化が実現し、広い空港における運用管理の負荷を大きく軽減

導入して得られた成果はなんでしょうか。

川原:導入の作業はとてもスムーズに進みました。スイッチの入れ替えは続いており、2023年9月に完了する予定です。台数としてはL3スイッチが4台、L2スイッチは集約として約60台、フロア収容として約200台となっています。

今回の導入により、有線ネットワークの機器すべてをアラクサラ製品に統一し、AX-NMへ取り込むことで一元管理を実現しました。これにより、コンフィグなどあらゆる情報を収集できるようになり、さらにAX-NVによってネットワークの状況が高い精度で可視化されたことが大きな成果です。

都築:AX-NVでは3D表示も可能ですが、これにより障害エリアが特定され、俯瞰画面から装置の故障箇所と影響する範囲が分かるようになりました。これは空港のような広い範囲ではとても重宝します。何かトラブルを検知して調査する際も、初めからあたりを付けて現場に行くことができるため、切り分けも容易になり、短時間で解決できるようになりました。従来のツールでは障害があったホスト名しか分かりませんでしたので、現場に足を運び一から原因を探るという手順でした。それと比べれば作業の負荷は激減しています。誤検知の数が少ないのもいいですね。

川原:もう一つ便利だと思うのが、AX-NMの端末トレーサビリティ機能です。特定IPの端末を捜索したい場合、様々な機器のログなどを突き合わせる手間をかけた上でも、必ず特定できるとはいえません。しかし端末トレーサビリティ機能を使えば、過去の端末の接続履歴が容易に把握でき、特定IPの端末もワンタッチで検索できます。AX-NVでトラフィックも追えるので、必要な際に的確な調査を行うことが可能になりました。

また、収集された情報は一元化されて残るので、必要な際にすぐ参照できます。空港ではテナントの入れ替わりなども多いのですが、これに伴ってメンテナンスを行うときも、従来は人による作業のため設定等にどうしてもヌケや漏れが生じていましたが、今後はシステム的にカバーできるようになるため、ミスや負荷の軽減に貢献してくれると期待しています。

AX-NMと統合運用・管理ツールとの連携により、プロアクティブな対応を目指す

今後の展望についてお聞かせください。

川原:AX-NMに取り込んだ情報と、以前から使用している統合運用・管理ツールを連携し、怪しげな通信を捉えたらAX-NMからアラートを挙げるような運用を検討しています。これにより、何か問題が起きてからではなく、プロアクティブな対応を行うことで、いち早くトラブルの芽を摘んでいければと考えています。

About 中部国際空港株式会社

1998年設立。2005年2月に開港した中部国際空港(セントレア)の運営を行う。同空港は、開港15周年を迎えた2019年度には航空旅客数が過去最高の約1260万人を記録し、国際旅客便数も過去最高となった。さらに、8年連続で「World´s Best Regional Airport」を受賞するなど、海外からも高い評価を得ている。

https://www.centrair.jp/corporate/information/cjiac.html

About 中部国際空港情報通信株式会社

2001年設立。セントレアグループの情報システム部門として、空港業務の改善・システム化を支援する役割を担う。安全・安心な空港を支えるため、継続的にPDCAを回し、高品質な企画・計画・運用・保守のサービスを提供している。

https://www.centrair.jp/corporate/information/com.html

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