コンフィグレーションガイド Vol.3


35.1.2 VRF

ネットワーク・パーティションを実現する機能の一つとしてVRFがあります。VRFとは,装置内に論理的に分離された複数のルーティングテーブルを保持し,各ルーティングテーブルに従いパケットを転送する機能です。この異なるルーティング空間のことをVRFインスタンスと呼びます。そのため,VRFインスタンスが異なれば同じIPアドレスを重複して使用できます。また,ルーティングプロトコルはVRFインスタンスごとに独立して動作します。

VLANは,VRFインスタンスまたはグローバルネットワークのどちらかに所属します。グローバルネットワークとは,VRF設定されていない状態のネットワークを指します。グローバルネットワークは,VRF設定されていないインスタンスであり,ほかのVRFインスタンスとは分離されています。

各機能のVRFのサポート状況を次の表に示します。

表35‒3 VRFサポート状況

項目

サポート

状況

備考

VLAN機能

ポートVLAN

○

なし

プロトコルVLAN

○

MAC VLAN

○

Tag変換

○

VLANトンネリング

○

VXLAN

○

なし

レイヤ2プロトコル

スパニングツリー

○

なし

Ring Protocol

○

なし

IGMP snooping/MLD snooping

○

なし

フィルタ

○

なし

QoS

○

なし

レイヤ2認証

IEEE 802.1X

−

VRFと装置単位で排他

Web認証

−

VRFと装置単位で排他

MAC認証

−

VRFと装置単位で排他

DHCP snooping

○

なし

高信頼化機能

GSRP

○

なし

VRRP

○

アップリンク・リダンダント

○

ネットワーク監視機能

L2ループ検知

○

なし

ストームコントロール

○

ネットワークの管理

ポートミラーリング

○

なし

ポリシーベースミラーリング

○

sFlow統計

△

VRFも統計対象に含みます。ただし,VRF設定したインタフェースで収集する情報では,ルータ型拡張データ形式およびゲートウェイ型拡張データ形式は無効となります。

コレクタはグローバルネットワークに設置してください。

IEEE802.3ah/UDLD

○

なし

CFM

○

LLDP

△

Organizationally-defined TLV extensionsはグローバルネットワークだけが対応します。詳細は次を参照してください。

OADP

△

VRFのVLANでは,OADP中にAddress情報は含まれません。詳細は次を参照してください。

PTP

−

VRFと装置単位で排他

レイヤ3中継

IPv4ユニキャスト中継

○

本章のほかに次を参照してください。

IPv4ユニキャストVRF間中継

○

詳細は次を参照してください。

IPv4マルチキャスト中継

○

詳細は次を参照してください。

IPv4マルチキャストVRF間中継

○

IPv6ユニキャスト中継

○

本章のほかに次を参照してください。

IPv6ユニキャストVRF間中継

○

詳細は次を参照してください。

IPv6マルチキャスト中継

○

VRFでのIPv6マルチキャスト中継については,次を参照してください。

IPv6マルチキャストVRF間中継

○

NULLインタフェース

○

グローバルネットワークとVRFで一つのNULLインタフェースを共用します。

ポリシーベースルーティング

○

VRF間ルーティングもできます。

VRF間ポリシーベースルーティングのコンフィグレーションについては,次を参照してください。

RA

○

なし

DHCP/BOOTPリレーエージェント

○

VRF上でのリレーエージェントのコンフィグレーションについては,次を参照してください。

DHCPサーバ機能

−

グローバルネットワークだけが対象

IPv6 DHCPリレー

−

グローバルネットワークだけが対象

IPv6 DHCPサーバ機能

−

グローバルネットワークだけが対象

UDPブロードキャストリレー

○

転送対象のパケットを受信したインタフェースが所属するVRFのルーティングテーブルに従って,パケットを中継します。エクストラネットを構成する場合は,VRF間の経路交換をしてください。

IPv4スタティックルーティング

○

VRF間ルーティングもできます。

コンフィグレーションについては,次を参照してください。

IPv6スタティックルーティング

○

VRF間ルーティングもできます。

コンフィグレーションについては,次を参照してください。

IPv4ユニキャストルーティングプロトコル

RIP

○

コンフィグレーションについては,次を参照してください。

OSPF

○

BGP4

○

詳細は次を参照してください。

経路フィルタリング

○

なし

IPv6ユニキャストルーティングプロトコル

RIPng

○

コンフィグレーションについては,次を参照してください。

OSPFv3

○

BGP4+

○

詳細は次を参照してください。

経路フィルタリング

○

なし

IPv4マルチキャストルーティングプロトコル

IGMP

○

詳細は次を参照してください。

PIM-SM

○

PIM-SSM

○

IPv6マルチキャストルーティングプロトコル

MLD

○

詳細は次を参照してください。

PIM-SM

○

PIM-SSM

○

BFD

○

なし

運用・保守

ping

○

なし

traceroute

○

telnet

○

ftp

○

tftp

○

SSHクライアント

○

telnetによるログイン

○

詳細は次を参照してください。

ftpによるログイン

○

SSHサーバ

○

詳細は次を参照してください。

DNSリゾルバ

−

グローバルネットワークだけが対象

NTP

○

コンフィグレーションについては,次を参照してください。

syslog出力

○

VRFへのsyslog出力のコンフィグレーションについては,次を参照してください。

E-Mail出力

−

グローバルネットワークだけが対象

SNMP

○

VRF上でのSNMPのコンフィグレーションについては,次を参照してください。

MIB

△

一部のMIBはグローバルネットワークだけが対象です。詳細は次を参照してください。

SNMP通知

△

一部のSNMP通知はグローバルネットワークだけが対象です。詳細は次を参照してください。

(凡例)○:サポート △:一部サポート −:未サポート