構成定義ガイド
QoS制御とは,様々なトラフィックが飛び交うネットワーク上で各種アプリケーションのトラフィックの中で,優先するトラフィックを他のトラフィックから影響を受けないように通信することが目的です。本装置は,優先するトラフィックを検出し,検出したトラフィックに対してQoS制御を実行します。ここでは,「トラフィックの検出条件」と「検出したトラフィックに対するQoS制御」を含めた定義例,さらに企業ネットワークやプロバイダ網等で適用するネットワーク構成例を基に,本装置による「運用形態毎のQoS機能」の定義例を示します。
図13-1 本装置によるQoS制御手順
- <この項の構成>
- (1) トラフィックの検出条件
- (2) 検出したトラフィックに対するQoS制御
- (3) 運用形態毎のQoS機能(「図13-2」を参照)
(1) トラフィックの検出条件
- 各種アプリケーション(telnet,http,smtp,ftp等)でトラフィックを検出します。→「13.1.4 他ネットワークと接続してのQoS制御」,「13.1.7 アプリケーションとIPアドレスの組み合わせによるQoS制御」
- 宛先または送信元IPアドレスでトラフィックを検出します。→「13.1.1 QoS制御について」,「13.1.2 装置内でのQoS制御」,「13.1.5 アプリケーション毎の最低帯域保証」
- 各種アプリケーションとIPアドレスを組み合わせてトラフィックを検出します。→「13.1.6 セッション単位でのラウンドロビン」
- IPヘッダのTOSフィールドでトラフィックを検出します。→「13.1.2 装置内でのQoS制御」,「13.1.3 自ネットワークでのQoS制御」
(2) 検出したトラフィックに対するQoS制御
- 契約帯域を超えた違反パケットを廃棄します。→「13.1.2 装置内でのQoS制御」
- 契約帯域を超えた違反パケットを廃棄しやすくします。→「13.1.6 セッション単位でのラウンドロビン」
- 各トラフィックに最大8段階の優先度を付けて優先度が高いトラフィックから先に転送します(完全優先)。→「13.1.2 装置内でのQoS制御」,「13.1.3 自ネットワークでのQoS制御」,「13.1.4 他ネットワークと接続してのQoS制御」,「13.1.7 アプリケーションとIPアドレスの組み合わせによるQoS制御」
- 各トラフィックを最大八つのクラス(キュー)に分けてクラス毎に送信帯域の最低保証を行います。(最低帯域保証)→「13.1.5 アプリケーション毎の最低帯域保証」
- 各トラフィックを最大八つのクラス(キュー)に分けて,送信帯域を均等に割り当て転送します。(均等保証)→「13.1.6 セッション単位でのラウンドロビン」
- 各トラフィックを最大八つのクラス(キュー)に分けてクラス毎に送信帯域の帯域制御を行います。(帯域制御)→「13.1.9 アプリケーション毎の帯域制御」
(3) 運用形態毎のQoS機能(「図13-2 本装置によってQoS制御を実行する範囲」を参照)
- 装置単体レベルでQoS制御する場合。(範囲A)→「13.1.2 装置内でのQoS制御」
- 自ネットワークの範囲で,一貫したQoS制御を行う場合。
ただし,他ネットワークとの接続はありません。(範囲B)→「13.1.3 自ネットワークでのQoS制御」
- QoS制御ポリシーの異なる他ネットワークと接続してQoS制御を行う場合。(範囲C)→「13.1.4 他ネットワークと接続してのQoS制御」
図13-2 本装置によってQoS制御を実行する範囲
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