解説書 Vol.1

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7.5.3 プライベートVLAN

<この項の構成>
(1) 概要
(2) プライベートVLAN機能使用時の注意事項

(1) 概要

プライベートVLAN機能とは,複数のVLANを組み合わせて一つのサブネットを構成する機能です。プライベートVLANを構成する各VLANには,用途に応じてPrimary VLAN,Secondary VLAN(isolated VLAN),Secondary VLAN(community VLAN)のどれかのVLANタイプを定義します。

各VLANタイプについて以下に説明します。

Primary VLANで受信したフレームを中継することができるポートの範囲と,Secondary VLANで受信したフレームを転送することができるポートの範囲を,次の図に示します。

図7-9 Primary VLANで受信した場合の中継可能なポートの範囲

[図データ]

図7-10 Secondary VLANで受信した場合の中継可能なポートの範囲

[図データ]

以下にプライベートVLAN機能の適用例を示します。

この適用例は,ある一つのサブネットを信頼できる端末の所属するネットワーク(グループ内ネットワーク)と,信頼できない端末の所属するネットワーク(グループ外ネットワーク)に分けた場合を示しています。信頼できない端末を接続するネットワークについては,端末間の通信を遮断して端末間のセキュリティを確保することができます。また,信頼できる端末のネットワークについては,端末間の通信を許可しています。双方のネットワークから共有する必要のあるプリンタなどの装置についてはPrimary VLAN側に接続します。

Primary VLANにIPアドレスを設定することで,Primary VLANがこのサブネットのルータとして動作し,Secondary VLANからのデータをルーティングすることが可能です。

図7-11 プライベートVLANの適用例

[図データ]

(2) プライベートVLAN機能使用時の注意事項

(a) FDBエントリ消費量について

プライベートVLAN機能では,MAC学習時に一つのMACアドレスにつき複数のFDBエントリを消費するケースがあります。詳細は「6.2.6 注意事項 (1) MACアドレス学習のFDB消費量」を参照してください。

(b) プライベートVLANのTaggedポートについて

プライベートVLANに所属するTaggedポートでは,プライベートVLANの各VLANのVLAN-Tagで送受信を行います。Primary VLANとSecondary VLANで同じVLAN-Tagを使用する場合は,Tag変換機能を設定してください。

図7-12 Tag変換機能を使用したプライベートVLAN

[図データ]

(c) フィルタリングおよびQoS機能について

プライベートVLAN機能を使用しているVLANに対するフィルタリング,およびQoS機能は,該当VLANの物理ポート(<Portlist>指定)に対する設定だけサポートしています。該当VLANのインタフェース(<Interface Name>指定)に対する設定は未サポートです。

(d) プライベートVLANの設定について

プライベートVLANの設定時には,次に示す項目に注意してください。

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