解説書 Vol.1

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8.1.4 スパニングツリーの構築

スパニングツリートポロジーは,ブリッジ識別子,パスコスト,およびポート識別子を以下の優先度に従ってトポロジーを構築します。

  1. 最小ルートブリッジ識別子
  2. 最小ルートパスコスト
  3. 最小送信元ブリッジ識別子
  4. 最小送信元ポートID

ネットワーク内のスイッチ同士はBPDU(Bridge Protocol Data Unit)のフレームを使ってこれらの情報を含むスパニングツリー情報を交換します。スパニングツリーを構築するまでを以下の3段階に分けることができます。

  1. ルートブリッジの選出
    ネットワーク内で最小のブリッジ識別子を持つスイッチがルートブリッジになります。「図8-4 スパニングツリーの構築」の(1)の例の場合はブリッジ優先度を全装置ともデフォルト値としているため最小のMACアドレスを持つ本装置Aがルートブリッジとなります。
  2. ルートポートの選出
    ルートブリッジの選出が完了するとルートポートの選出を行います。ルートポートの選出にはルートパスコスト値が最も小さいポートを選出します。「図8-4 スパニングツリーの構築」の(2)の例の場合,本装置B,Cのポート1がそれぞれの装置内で最小のルートパスコストを持つためルートポートになります。
  3. 指定ポートの選出
    ネットワーク上の一つのセグメントには一つの指定ポートを選出します。この指定ポートが自分のセグメントとルートブリッジの間でトラフィックの送信を行う唯一のポートとして機能することでループを回避することができます。指定ポートの選出もルートパスコスト値が最も小さいポートを選出します。
    図8-4 スパニングツリーの構築」の(3)の例の場合,ルートブリッジである本装置Aと接続しているセグメント1,2については本装置Aがルートブリッジであるため全ポートが指定ポートとなります。セグメント3については,本装置Bのポート2と本装置Cのポート2のルートパスコストが同一値となり,二つのポートは対等となります。これによって次の判断基準である送信元ブリッジ識別子で比較することになります。本装置Bの方が本装置Cよりブリッジ識別子は小さいため本装置Bのポート2がセグメント3の指定ポートになり,本装置Cのポート2は非指定ポートとなり「通信不可」状態のポートとなることでループを回避しスパニングツリーの構築が完了します。

    図8-4 スパニングツリーの構築

    [図データ]

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