解説書 Vol.1

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2.2.2 AX5400Sハードウェアの構成要素【AX5400S】

ハードウェアの構成要素について説明します。

<この項の構成>
(1) 各装置の概略
(2) LANスイッチ装置筐体
(3) 基本制御部(BU)
(4) 基本制御機構(BCU)
(5) 基本スイッチング機構(BSU)
(6) ネットワークインタフェース機構(NIF)
(7) 電源機構(PS)
(8) 主記憶機構(MS)
(9) 記憶カード機構(MC)

(1) 各装置の概略

各装置の概略を次の図に示します。

図2-14 各装置の概略

[図データ]

(2) LANスイッチ装置筐体

本装置のモデルにそれぞれ対応した筐体で,ファンなどが含まれています。各筐体の構成要素と搭載できる最大モジュール数を次の表に示します。

表2-11 各筐体の構成要素と搭載できる最大モジュール数

構成要素 装置筐体
AX5402S-AC AX5404S-AC
BCU 1 2
BSU 1 2
NIF 2 4
PS(AC100V/AC200V) 2 4
PS(DC-48V) 2 4

注※ 2式搭載して二重化できます(AX5404S-ACの電源機構は2個/式となっています)。


(3) 基本制御部(BU)

BU(Basic control Unit)は,基本制御機構(BCU)および基本スイッチング機構(BSU)から構成されます。AX5404S-ACでは,基本制御機構を2式搭載することで二重化できます。

(4) 基本制御機構(BCU)

BCU(Basic management Control module)はルーティングマネージャ(RM),マルチレイヤコントロールプロセッサ(CP)から構成されます。各装置のBCU型名略称と構成を次の表に示します。

表2-12 各装置のBCU型名略称と構成

装置筐体 BCU型名略称 構成
AX5402S-AC BCU-C5MS
  • AX5402S-AC用BCUボード
AX5404S-AC BCU-S5MS
  • AX5404S-AC用BCUボード

BCUには,一つのRS232Cコンソールポートと,二つの記憶カード機構(MC)スロットと,二つの10BASE-T/100BASE-TXポートがあります。

(a) ルーティングマネージャ(RM)

RM(Routing Manager)は装置全体の管理およびルーティングプロトコル処理を行います。また,ルーティングテーブルを作成・更新し,ルーティングテーブルをBSUに配布します。

RMには四つの主記憶機構(MS)スロットがあります。主記憶機構の容量は256MB(MS256)なので,最大で1GBのメモリを実装できます。

(b) マルチレイヤコントロールプロセッサ(CP)

CP(Multi layer Control Processor)は,IPパケットのソフトウェア中継処理やネットワークインタフェースのプロトコル処理を行います。

(5) 基本スイッチング機構(BSU)

BSU(Basic packet Switching module)にはルーティング・QoSテーブル検索エンジン(Routing/QoS-table lookup ASIC)およびパケット送信エンジン(Packet forwarding ASIC)が搭載されています。本装置はハードウェアでルーティングテーブル,フィルタリング・テーブルおよびQoS(Quality of Service)テーブルを検索し,パケットの送受信を行います。これによって高速な処理を実現しています。

各装置のBSU型名略称と構成を次の表に示します。

表2-13 各装置のBSU型名略称と構成

装置筐体 BSU型名略称 構成
AX5402S-AC BSU-C1,BSU-C2 AX5402S-AC用BSUボード
AX5404S-AC BSU-S1,BSU-S2 AX5404S-AC用BSUボード

(6) ネットワークインタフェース機構(NIF)

NIF(Network Interface board)は各種メディア対応のインタフェース制御部で,複数の種類があり,物理レイヤの処理を行います。

本装置に搭載できるNIFの種類を次の表に示します。

表2-14 ネットワークインタフェース機構(NIF)の種類

分類 NIF略称 インタフェース
イーサネット NF1G-6G 1000BASE-X,GBIC,6回線
NF100-48TA 10BASE-T/100BASE-TX,48回線,マイナーチェンジ版
NF1G-48T 10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T,48回線
NF1G-32S 1000BASE-X,SFP,32回線
NFMX-44 10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T,40回線 + 1000BASE-X,SFP,4回線
NFMX-34 10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T,32回線 +
10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T,あるいは1000BASE-X,SFP,選択型2回線,レガシーシェーパ機能付き

ネットワークインタフェース機構に搭載して使用する光モジュール(GBIC,SFP,XFP)を合わせてトランシーバと呼びます。ただし,AX5400SではXFPは使用しません。

本装置に搭載できるトランシーバの種類を次の表に示します。

表2-15 トランシーバの種類

分類 トランシーバ
種別
トランシーバ
略称
機能 上位ネットワーク
インタフェース
機構
イーサネット GBIC GBIC-SX 1000BASE-SX用GBIC NF1G-6G
GBIC-LX 1000BASE-LX用GBIC
GBIC-LH 1000BASE-LH用GBIC
SFP SFP-SX 1000BASE-SX用SFP NF1G-32S
NFMX-44
NFMX-34
SFP-LX 1000BASE-LX用SFP
SFP-LH 1000BASE-LH用SFP
SFP-LHB 1000BASE-LHB用SFP

(7) 電源機構(PS)

PS(Power Supply)は,外部供給電源から装置内で使用する各種直流電源(5V,3.3Vほか)を生成します。各装置のPS型名略称と構成を次の表に示します。

表2-16 各装置のPS型名略称と構成

装置筐体 PS型名略称 構成
AX5402S-AC
AX5404S-AC
PS-CAC AX5402S-AC,AX5404S-AC用PS(AC100V/AC200V(50/60Hz))
PS-CDC AX5402S-AC,AX5404S-AC用PS(DC-48V)

注 AX5404S-ACの電源機構は2個/式となっています。


本装置では同一種の電源を2式搭載して電源部を冗長化できます。また,本装置はPSへの外部供給電源をそれぞれ独立に接続できるので,外部電源系統を2系統化にできます。外部電源系統を2系統化にすれば,一方の電源系統が電源工事などで停電した場合でも本装置を継続して使用できます。ただし,異なる配電盤から電源を供給する必要があります。

(8) 主記憶機構(MS)

MS(Main Storage)には256MBのMS256があります。

(9) 記憶カード機構(MC)

MC(Memory Card)は256MB(MC256/MC256A2)のフラッシュメモリカードです。ソフトウェア,コンフィグレーション,ログ情報格納などに使用します。ファイルのバックアップのためフラッシュメモリカードはBCUごとに2枚搭載することをお勧めします。なお,AX7800SのMCとは形式が異なります。

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