解説書 Vol.1
バックアップ元回線種別ごとのバックアップ切り替え条件を次の表に示します。
バックアップ元
回線種別切り替え条件 備考 専用線
- 主回線の回線障害検出(自局側ケーブル抜けなどの物理的障害検出,PPP回線品質監視機能による回線障害検出)
- 主回線へのcloseコマンド実行
- 主回線へのtest interfacesコマンド実行
- 主回線のオンラインDisable定義
- 主回線のオンライン構成定義変更※1
バックアップ先のISDN回線が接続抑止時間帯外である必要があります。 フレームリレー
- 主回線の障害検出(自局側ケーブル抜けなどの物理的障害検出,LMIによる回線品質監視機能による回線障害検出,LMIによるPVC障害通知による障害検出,CLLMによる網故障通知による障害検出)
- 主回線へのcloseコマンド実行
- 主回線へのtest interfacesコマンド実行
- 主回線のオンラインDisable定義
ATM
- 主回線の障害検出(自局側ケーブル抜けなどの物理的障害検出,F4-AIS/RDIによるVP障害検出,VC状態監視機能によるVC障害検出)
- 主回線へのcloseコマンド実行
- 主回線へのtest interfacesコマンド実行
- 主回線のオンラインDisable定義
- 主回線のオンライン構成定義変更(Line情報,atm情報,traffic情報,vp情報,vc情報,vc-group情報,lp情報)
BOD※2
- 主回線の回線障害検出(自局側ケーブル抜けなどの物理的障害検出,PPP回線品質監視機能による回線障害検出)
- 主回線へのcloseコマンド実行
- 主回線へのtest interfacesコマンド実行
- 主回線のオンラインDisable定義
注※1 バックアップ元回線(主回線)の再起動を伴う構成定義情報の変更だけを対象にします。
注※2 BODについては「5.5 オーバーロード」を参照してください。
- <この項の構成>
- (1) バックアップ元が回復した場合の切り戻し方法
- (2) 手動切り戻しの場合の注意事項
- (3) 切り替え・切り戻し時の,ISDNの発呼・呼切断動作の設定方法
バックアップ元が回復した場合の切り戻し方法として,自動切り戻しと手動切り戻しの2手順を構成定義情報で指定できます。
- 自動切り戻し
専用線が回復したことを契機にISDNポートの使用を中止し,自動的に専用線での通信を開始する切り戻し手順です。
- 手動切り戻し
バックアップ元に対するfreeコマンドの実行を契機にISDNポートの使用を中止し,専用線での通信を開始する切り戻し手順です。
ISDNポートの使用を中止するとは,ISDNの無通信状態の監視によって回線を切断することを指します。
バックアップ元/先共にATMの場合,自動切り戻しとはバックアップ元ATMインタフェースが回復(Line/VP/VC障害回復)したことを契機にバックアップ先の使用を中止し,自動的にバックアップ元ATMインタフェースでの通信を開始する切り戻し手順のことを指します。また,手動切り戻しとは,バックアップ元に対するfreeコマンドの実行を契機にバックアップ先ATMインタフェースの使用を中止し,バックアップ元ATMインタフェースでの通信を開始する切り戻し手順のことを指します。
バックアップ元/先ともに専用線の場合,自動切り戻しとは,バックアップ元専用線インタフェースが回復したことを契機にバックアップ先の使用を停止して,自動的にバックアップ元専用線インタフェースでの通信を開始する切り戻し手順です。また,手動切り戻しとは,バックアップ元に対するfreeコマンドの実行を契機にバックアップ先専用線の使用を停止して,バックアップ元専用線インタフェースでの通信を開始する切り戻し手順です。
切り戻し方法が「手動切り戻し」の場合,バックアップ元インタフェースに対してfreeコマンド(切り戻しコマンド)を実行することによって切り戻しを行います。freeコマンド実行時にバックアップ元インタフェースが障害のために通信できない場合は,引き続きバックアップ元インタフェースがUPするまで該当するインタフェースの起動をリトライします。また,この間,バックアップ先回線を使用して通信を継続します。それ以降は,バックアップ元回線の障害が回復し,通信可能になった時点で切り戻しを行います。
したがって,例えばバックアップ元回線に障害が発生したためにfreeコマンド実行直後には切り戻らず,数時間後にバックアップ元回線の障害が回復して切り戻る場合がありますので,注意してください。
バックアップ元およびバックアップ先の両方が専用線の場合,バックアップ元に対するfreeコマンドの実行を契機に,手動切り戻し時間の監視を行います。手動切り戻し監視時間内にバックアップ元回線が通信可能になった時点で切り戻しを行います。
なお,手動切り戻し監視時間内にバックアップ元回線の障害が回復しなかった場合はバックアップ元インタフェースを起動しないため,再度バックアップ元に対するfreeコマンドの実行が必要です。
(3) 切り替え・切り戻し時の,ISDNの発呼・呼切断動作の設定方法
インタフェースバックアップの切り替えおよび切り戻し時,ISDNの発呼・呼切断動作を指定する場合は,構成定義情報のユーザデフォルト情報のsdn_call_and_disconnectに各モードを設定してください。
- quickモード
- 切り替え時のISDN発呼・呼切断動作
バックアップ元回線からバックアップ先回線に切り替えを行った後,トラフィックの発生有無に関係なく直ちに発呼接続を行います。
- 切り戻し時のISDN発呼・呼切断動作
バックアップ先回線からバックアップ元回線に切り戻しを行った後,トラフィックの発生有無に関係なく直ちに呼切断を行います。
- on-demandモード
- 切り替え時のISDN発呼・呼切断動作
バックアップ元回線からバックアップ先回線に切り替えを行った後,トラフィックの発生を契機に発呼接続を行います。
- 切り戻し時のISDN発呼・呼切断動作
バックアップ先回線からバックアップ元回線に切り戻しを行った後,トラフィック監視で無通信状態の検出を契機に呼切断を行います。
このオプションは装置内の全インタフェースバックアップのISDN回線に適用されるので注意が必要です。なお,バックアップ先にISDN以外を使用する場合は,このオプションは無効となります。
また,本装置での対向接続で,両方にバックアップ設定を行う場合は,初期値のon-demandモードで使用してください。
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