解説書 Vol.1
本装置では,インタフェースの使用率によってオーバーロードポートの追加/削除を判断します。本方式は,インタフェースの使用率をオーバーロード使用率測定期間ごとにチェックし,その間の平均使用率が「オーバーロード開始値」以上であれば輻輳とみなし,「オーバーロード停止値」未満であれば輻輳解除とみなす方式です。オーバーロード使用率測定期間には5の倍数(秒)の時間を指定できます。
独自手順と,マルチリンクPPP手順のそれぞれのオーバーロード方式について,インタフェースの追加/削除方法と送信パケットの割り当て方法を次の表に示します。
表5-40 インタフェースの追加/削除方法と送信パケットの割り当て方法
項目 手順 独自手順 マルチリンクPPP手順 オーバーロード
ポート追加条件送信に使用できるインタフェース※1のうち,最も優先度※3が低いインタフェース(ISDNが接続されていない状態では専用線)を監視し,その送信インタフェース使用率が指定値以上になった場合※4,オーバーロードポートの追加を行います。※2 最も番号の若いインタフェースの送信使用率と受信使用率の両方またはどちらか一方を監視し,送受信のうち少なくとも一方が指定値以上となった場合,オーバーロードポートの追加を行います。 送信パケットの
割り当て方法専用線および送信に使用できるオーバーロード用インタフェースの中で,(送信キュー長÷回線速度)の値が最も小さいインタフェースから送信します。
また,最も(送信キュー長÷回線速度)が小さいインタフェースが複数あった場合,先に使用開始したインタフェースから送信します。主回線および各オーバーロードポートに均等に送信パケットを割り当てます。 オーバーロード
ポート削除条件送信に使用できるインタフェース※1のうち,最も優先度※3が低いインタフェースを監視し,そのインタフェース使用率が指定値以下になった場合,該当する(最低優先度の)オーバーロードポートの削除を行います。
なお,ここでオーバーロードポートの削除とは,送信の使用禁止を意味するだけで,ISDNポートの切断は無通信時の自動切断によって行われます。最も番号の若いインタフェースの送信使用率と受信使用率の両方またはどちらか一方を監視し,それらがすべて指定値未満になると,PPPのリンク切断手順によってオーバーロードISDNをインタフェース切断します。 注※1 この方式では,次のようなケースも考えられるため,接続されたインタフェースが必ずしも送信に使用できるわけではありません。
- ケース1
いったんオーバーロードのために接続したが,その後インタフェース使用率が下がったため送信のための使用を禁止し,無通信による切断待ちの状態
- ケース2
相手局から接続されたが,自局はオーバーロード条件になっていない状態
注※2 無通信切断待ち状態のインタフェースがあればそれを使用し,なければ新しくISDNポートの接続を行います。
注※3 オーバーロード用インタフェースは先に使用したインタフェースの優先度が高くなります。
注※4 厳密には,その後オーバーロードできるパケット(IPパケット)を送信する時点で追加します。これによって,その後の送信IPパケットが発生しない場合は不要な呼接続を行いません。
独自手順でのインタフェース追加/削除動作例を「図5-54 インタフェース追加/削除動作例(独自方式,測定期間は10秒)」に,マルチリンクPPP手順でのポート追加/削除動作例を「図5-55 インタフェース追加/削除動作例(マルチリンクPPP方式,測定期間は10秒)」に示します。
図5-54 インタフェース追加/削除動作例(独自方式,測定期間は10秒)
図5-55 インタフェース追加/削除動作例(マルチリンクPPP方式,測定期間は10秒)
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