解説書 Vol.2
本装置がVCサービスに接続する場合について,日本電信電話株式会社(NTT)のATMデータ通信網サービスであるメガデータネッツを例として示します。本装置が接続できるサービス品目を次の表に示します。
物理インタフェース 基本帯域 サービス品目 PVC(相手固定通信)
メニューCUG(グループ内通信)
メニュー速度保証
タイプ一部速度保証
タイプ速度保証
タイプ一部速度保証
タイプ光155.52Mbit/sITU-T G.957 3Mbit/s〜42Mbit/s
(3Mbit/s単位)※1 ※2 ※1 ※2 メタル25.6Mbit/sTTC JT-I432.5 3Mbit/s〜24Mbit/s
(3Mbit/s単位)注※1 「表10-21 各サービスメニューの本装置の設定情報(速度保証タイプ)」を参照してください。
注※2 「表10-22 各サービスメニューの本装置の設定情報(一部速度保証タイプ)」を参照してください。
- <この項の構成>
- (1) 構成定義条件
- (2) F5-OAM LoopbackセルによるVC状態監視機能との同時使用について
- (3) サービスカテゴリの設定
「10.3.1 ATMメガリンクサービス (2) 構成定義条件」を参照してください。
サービスカテゴリパターンはgfr2sを必ず使用してください。サービスカテゴリパターンgfr2s以外は使用しないでください。
収容できるVC数は最大128本です。128本を超える場合は回線の増設(NIFの増設)が必要です。
メガデータネッツの一部速度保証タイプ(GFR)の保証速度(MCR)設定については,本装置での最優先度キュー内ピークセルレートの設定値とメガデータネッツと契約する保証速度との大小関係によって2種類の使い方があります。
- メガデータネッツの保証速度以下の帯域をpriority4_pcrに設定した場合(帯域制御モード)
本装置は,最優先度キューに割り当てたパケットをCLP=0でpriority4_pcr (=保証速度以下の帯域)で送信します(最優先度キュー以外CLP=1)。一方,メガデータネッツは,端末から受信したCLP=0のパケットが保証速度を超えないかぎり,網の輻輳状態に関係なく該当CLP=0のパケットを廃棄しないという機能を提供します。このため,この方法では,本装置の最優先度キューを通過させたCLP=0のパケットは,網の輻輳状態に関係なく網内で廃棄されません。したがって,本装置の最優先度キューに入ったパケットは,常に保証速度以下で網内を転送できます。
メガデータネッツのサービスメニューについて,本設定が一部分サポートされていません。詳細は「表10-22 各サービスメニューの本装置の設定情報(一部速度保証タイプ)」を参照してください。
なお,priority4_pcrは最優先度キュー内ピークセルレート,CLPはCell Loss Priority(セル損失優先表示)ビット(0:廃棄非優先,1:廃棄優先)を示します。
- メガデータネッツの保証速度を超えた帯域をpriority4_pcrに設定した場合(優先制御モード)
本装置は,最優先度キューに割り当てたパケットをCLP=0でpriority4_pcr (=保証速度を超える帯域)で送信します(最優先度キュー以外CLP=1)。一方,メガデータネッツは,網輻輳時にCLP=0のパケットに比べてCLP=1のパケットを優先して廃棄する特性を持っています。このため,この方法では,本装置の最優先度キューを通過させたCLP=0のパケットが網内で転送されるかどうかは,網の輻輳状況に依存します。したがって,本装置の最優先度キューに入ったパケットは,網内でベストエフォート的に動作します。
なお,priority4_pcrは最優先度キュー内ピークセルレート,CLPはCell Loss Priority(セル損失優先表示)ビット(0:廃棄非優先,1:廃棄優先)を示します。
メガデータネッツ仕様の推奨値である最大フレームサイズ(MFS:1フレームの最大セル数)32に合わせ,MTU長を1520バイト以下に設定することをお勧めします。
また,同一VP内でVCのミニマムセルレート合計がVPのピークセルレート−250kbit/s以下となるように設定してください。
そのほかの構成定義設定値については,「表10-21 各サービスメニューの本装置の設定情報(速度保証タイプ)」および「表10-22 各サービスメニューの本装置の設定情報(一部速度保証タイプ)」を参照してください。
最優先度キューだけを使用しているときは,VC帯域が有効活用できません。有効活用したいときは高優先度/中優先度/低優先度キューも同時に使用してください。
(2) F5-OAM LoopbackセルによるVC状態監視機能との同時使用について
F5-OAM LoopbackセルによるVC状態監視機能は,メガデータネッツの速度保証タイプだけ使用してください。一部速度保証タイプの使用は,網内が輻輳しているとF5-OAMセルが廃棄される可能性があるためお勧めしません。なお,VC監視数の最大は64です。VC状態監視機能については,「解説書 Vol.1 6.3.3(3) LoopbackセルによるVC状態監視機能」を参照してください。
VC状態監視機能を使用するとき,本装置のATMインタフェースよりF5-OAM Loopbackセルと一緒に制御用パケットが同時に送信されます。接続相手装置によっては,接続相手装置側で制御用パケット受信によってエラーカウントアップするケースがあります。
各サービスメニューの本装置の設定情報を,速度保証タイプで契約したVCに対するトラフィックパターンと一部速度保証タイプで契約したVCに対するトラフィックパターンに分けて,「表10-21 各サービスメニューの本装置の設定情報(速度保証タイプ)」および「表10-22 各サービスメニューの本装置の設定情報(一部速度保証タイプ)」に示します。なお,サービスカテゴリGFR2では,一部速度保証タイプの保証速度(MCR)で重要なフレームをCLP=0で送信できます(非重要パケットはCLP=1で送信)。
表10-21 各サービスメニューの本装置の設定情報(速度保証タイプ)
サービスメニュー
速度保証タイプ(単位:bit/s)サービスカテゴリパターン=gfr2s(単位:bit/s) 構成定義情報パラメータ設定値(VCへの設定)※1 品目 pcr mcr priority4_pcr 64k 64k※2 64k※2 64k※2 128k 128k※2 128k※2 128k※2 192k 192k※2 192k※2 192k※2 256k 256k 256k 250k以上 384k 384k 384k 250k以上 0.5M 0.5M 0.5M 250k以上 1M 1M 1M 500k以上 2M 2M 2M 500k以上 注※1 pcrはVCのピークセルレート,mcrはミニマムセルレート,priority4_pcrは最優先度キュー内ピークセルレートを示します。
注※2 該当するVCを収容するVP内には一部速度保証タイプのVCを混在させることができません。
表10-22 各サービスメニューの本装置の設定情報(一部速度保証タイプ)
サービスメニュー
(単位:bit/s)サービスカテゴリパターン(単位:bit/s) 構成定義情報パラメータ設定値(VCへの設定)※1 一部速度
保証タイプpcr mcr 本装置仕様 priority4_pcr※2 最高速度 保証速度 保証速度でCLP=0送信できる最小値 優先制御
モード帯域制御
モード
(保証速度でCLP=0送信)0.5M 0.1M 500k 500k 250k以上 500k 未サポート 0.5M 0.3M 500k 500k 250k以上 500k 300k 1M 0.1M 1000k 1000k 500k以上 1000k 未サポート 1M 0.5M 1000k 1000k 500k以上 1000k 500k 2M 0.2M 2000k 2000k 500k以上 2000k 未サポート 2M 1.0M 2000k 2000k 500k以上 2000k 1000k 3M 0.3M 3000k 3000k 500k以上 3000k 未サポート 3M 1.5M 3000k 3000k 500k以上 3000k 1500k 4M 0.4M 4000k 4000k 500k以上 4000k 未サポート 4M 2.0M 4000k 4000k 500k以上 4000k 2000k 5M 0.5M 5000k 5000k 500k以上 5000k 500k 5M 2.5M 5000k 5000k 500k以上 5000k 2500k 6M 0.6M 6000k 6000k 500k以上 6000k 600k 6M 3.0M 6000k 6000k 500k以上 6000k 3000k 7M 0.7M 7000k 7000k 500k以上 7000k 700k 7M 3.5M 7000k 7000k 500k以上 7000k 3500k 8M 0.8M 8000k 8000k 500k以上 8000k 800k 8M 4.0M 8000k 8000k 500k以上 8000k 4000k 9M 0.9M 9000k 9000k 500k以上 9000k 900k 9M 4.5M 9000k 9000k 500k以上 9000k 4500k 10M 1.0M 10000k 10000k 500k以上 10000k 1000k 10M 5.0M 10000k 10000k 500k以上 10000k 5000k 注※1 pcrはVCのピークセルレート,mcrはミニマムセルレート,priority4_pcrは最優先度キュー内ピークセルレートを示します。
注※2 優先制御モード,帯域制御モードについては,「(1) 構成定義条件」を参照してください。
Copyright (c)2005 ALAXALA Networks Corporation. All rights reserved.