解説書 Vol.2

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1.7 廃棄制御

廃棄制御は,パケットの優先度とキューの状態に応じて,該当パケットをキューイングするか廃棄するかを制御します。キューにパケットが滞留している場合,同じ出力優先度でもキューイング優先度を変えることによって,さらに木目細かいQoSを実現できます。

この節で説明する機能ブロックの位置とその拡大図を次の図に示します。廃棄制御は出力側だけの機能です。また,「図1-10 廃棄制御の位置づけとその拡大図」に示すとおり,一つのキューにキューイングできる最大のパケット数を「キュー長」,一つのインタフェースが保有するキューの最大数を「キュー数」と呼びます。

図1-10 廃棄制御の位置づけとその拡大図

[図データ]

キューにパケットが滞留している場合,キューイング優先度に従って出力キューにあるパケットを廃棄します。キューイング優先度に従って廃棄を開始するキュー長をNIFごとに設定できます。キューイング優先度は1(低)〜4(高)の範囲で指定します。キューイング優先度が高いパケットほど廃棄しません。キューイング優先度の考え方を,例を使用して説明します。

(例)
キューイング優先度ごとのキュー長を,次に示すように設定します。キュー長は最大キュー長を8としたときの割合で設定します。
  • キューイング優先度1のとき3/8
  • キューイング優先度2のとき5/8
  • キューイング優先度3のとき7/8
  • キューイング優先度4のとき8/8
パケットをキューイングしようとしたときのキュー長が6/8の場合は,該当するパケットのキューイング優先度が3の場合は廃棄されませんが,2の場合は廃棄されます。キューイング制御の概念を次の図に示します。

図1-11 キューイング制御の概念

[図データ]

NEB100-1TCで64VLL帯域制御を行っている場合は,キューイング優先度は設定値にかかわらず常に4となります。64VLL帯域制御については,「1.8.6 帯域制御(トラフィック指定)」を参照してください。また,ユーザ優先度と送信キュー番号は固定的になっています。ユーザ優先度と送信キュー番号の関係を次の表に示します。

表1-10 ユーザ優先度と送信キュー番号およびキューイング優先度の関係(NEB100-1TC)

ユーザ優先度 送信キュー番号 キューイング優先度
0 1 4
1
2 2
3
4 3
5
6 4
7

注※ 番号の大きいほうが高い優先度となります。


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