解説書 Vol.2
この節で説明する機能ブロック図の位置を次の図に示します。
図1-5 帯域監視の位置づけ
入力フローと出力フローの帯域を監視する機能です。帯域を監視するには,指定した帯域以上のフローを受信したときにどのような処理を行うかで設定します。設定できる処理を次に示します。
- パケットを廃棄します。
- パケットが廃棄しやすくなるように指定したキューイング優先度に変更します。
- パケットが廃棄しやすくなるように指定したDSCP値に変更します。
本装置での帯域監視の方式は,Leaky Bucketアルゴリズムです。精度は±10%です。また,重要パケット保護機能に対応しています。重要パケット保護機能とは,保証帯域の帯域内で,重要なパケットは優先的に保証帯域内パケットとして転送し,通常のパケットは重要なパケットが全保証帯域を使用して転送していない場合に保証帯域内パケットとして転送する機能です。重要パケット保護機能は,二つの閾値を所持するLeaky Bucketアルゴリズムで実現しています。
二つの閾値を持つLeaky Bucketアルゴリズムの動作概要を次の図に示します。
図1-6 二つの閾値を持つLeaky Bucketアルゴリズムの動作概要
二つの閾値を持つ場合もLeaky Bucketアルゴリズムと同様の考え方です。重要パケット保護機能を,「図1-6 二つの閾値を持つLeaky Bucketアルゴリズムの動作概要」に示すように水とバケツの関係で説明します。バケツの深さは重要なパケットのバケツの深さ閾値2とそれ以外の通常パケット用の閾値1を持ちます。バケツにはパケット到着時にパケット長に応じた水を加えます。
- すべてのパケットが保証帯域内パケットと判定される場合
パケット到着時にそれぞれの閾値に対して水が溢れない(受信する帯域が保証帯域以下)場合に保証帯域内パケットと判定します。
- 重要なパケットが優先的に保証帯域内パケットとして送信される場合
送信帯域が保証帯域を超えて閾値2以上の水が蓄積されると,重要なパケットが優先的に保証帯域内パケットとして送信されます。
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