運用コマンドレファレンス Vol.1

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debug trace wanframe

[機能]

WANフレームトレースの採取を開始します。

[入力形式]

A.タイムスロットを持たない回線種別の場合
debug trace wanframe nif <NIF No.> line <Line No.> [mode <mode> [pattern <pattern> [offset <offset>]]]

B.タイムスロットを持つ回線種別の場合
  • 論理Lineを持たない回線種別の場合:
debug trace wanframe nif <NIF No.> line <Line No.> ts <Timeslot No.> [mode <mode> [pattern <pattern> [offset <offset>]]]

[パラメータ]

nif <NIF No.>
対象NIF番号を指定します。指定できるNIF番号の値の範囲は,「1.3 本書の記述について (3) [パラメータ]」を参照してください。

line <Line No.>
対象Line番号を指定します。指定できるLine番号の値の範囲は,「1.3 本書の記述について (3) [パラメータ]」を参照してください。

ts <Timeslot No.>
対象タイムスロット番号を指定します。指定できるタイムスロット番号の値の範囲は,「1.3 本書の記述について (3) [パラメータ]」を参照してください。

pattern <pattern>
収集するフレームのマッチングパターンを1〜4バイトの16進数で指定します。
下記 mode <mode>オプションのM4の値(マッチングパターン長)を01〜04に指定した場合だけ有効です。

offset <offset>
マッチング開始オフセットを16進数の0x00〜0x37の範囲で指定します(奇数オフセットも可能です)。pattern <pattern> オプションを指定し,かつM4を01〜04に指定した場合だけ有効です。デフォルト値は0です。
なお,比較フレームのデータ長が「マッチング開始オフセット+ pattern <pattern> オプション指定時のパターン長」より短い場合は,比較不可能のためマッチング条件不成立として扱います。

mode <mode>
トレース収集モードを指定します。指定方法は下記M1〜M4のすべてをM1M2M3M4の順に連続した8桁で指定します。

例:下記M1〜M4がすべて01の場合 → mode 0x01010101

例:下記M1〜M3が00,M4が03の場合 → mode 0x00000003
本オプションを省略した場合は,下記M3に00を指定した場合の動作をとります。また,下記M4は00となりますので,pattern <pattern>オプションは無効となります。またマッチングパターンがないため,下記M1,M2はDon't careです。

M1:
マッチングの成立条件を指定します。pattern <pattern> オプションを指定し,かつM4を01〜04に指定したときだけ有効です。
00:pattern <pattern> オプションで指定されたマッチングパターンとすべて一致した場合だけ一致とみなします。
01:pattern <pattern> オプションで指定されたマッチングパターンと任意の1バイトが一致した場合,一致とみなします。

M2:
マッチングパターンと一致した場合のアクションを指定します。pattern <pattern> オプションを指定し,かつM4を01〜04に指定したときだけ有効です。
00:マッチング時に収集停止
pattern <pattern> オプションで指定されたマッチングパターン,およびM1の成立条件によってマッチングしたフレームを検出したとき,当該フレームの情報を収集し,トレース収集を停止します。
マッチングしたフレームを検出するまでは,すべてのフレームを収集します。
01:マッチングしたフレームだけ収集
pattern <pattern> オプションで指定されたマッチングパターン,およびM1の成立条件によってマッチングしたフレームだけ収集します。

M3:トレースエリアの使用方法を指定します。
00:トレースエリアをラップアラウンドして収集します。
ただし,no debug trace wanframeによってトレース収集を停止した場合,およびM2を00に指定し,マッチングした場合は収集を停止します。
01:トレースエリアが満杯になった時点で収集を停止します。
ただし,no debug trace wanframeコマンドによってトレース収集を停止した場合,およびM2を00に指定し,マッチングした場合は,トレースエリアが満杯になる前であっても収集を停止します。

M4:
pattern <pattern>オプションで指定するマッチングパターンの有無(有る場合はその長さ)を指定します。
00:マッチングパターンなし
01〜04:マッチングパターン長(単位:バイト)
pattern <pattern>オプションで指定されたマッチングパターンよりM4の長さが長い場合はマッチングパターンの後ろに0を詰めたM4の長さのパターンとなります。
pattern <pattern>オプションで指定されたマッチングパターンよりM4の長さが短い場合はマッチングパターンの先頭からM4の長さ分がパターンとなります。

上記オプションの指定とトレース動作の関係を「表20-28 オプションの指定とトレース動作の関係」に示します。

表20-28 オプションの指定とトレース動作の関係

項番 -p
<pattern>
-o
<offset>
-m <mode> トレースの動作
M1の値 M2の値 M3の値 M4の値
1 指定なし 指定なし -m <mode>オプション指定なし 指定されたインタフェースのすべての送受信フレーム収集します。またトレースエリアはラップアラウンドして収集します。
2 Don't care Don't care 00 00 項番1に同じ。
3 01 00 指定されたインタフェースのすべての送受信フレーム収集します。またトレースエリアは満杯になった時点で収集を停止します。
4 指定あり 指定あり 00 00 00 (*1) <offset>で指定されたオフセットから,M4で指定されたバイト数分の<pattern>と完全に一致するフレームを検出したとき,当該フレームの情報を収集し,トレースを停止します。その条件が発生するまではすべてのフレームを収集します。またトレースエリアはラップアラウンドして収集します。
5 01 (*1) <offset>で指定されたオフセットから,M4で指定されたバイト数分の<pattern>と完全に一致するフレームを検出したとき,当該フレームの情報を収集し,トレースを停止します。その条件が発生するまではすべてのフレームを収集します。またトレースエリアは満杯になった時点で収集を停止します。
6 01 00 (*1) <offset>で指定されたオフセットから,M4で指定されたバイト数分の<pattern>と完全に一致するフレームだけ収集します。またトレースエリアはラップアラウンドして収集します。
7 01 (*1) <offset>で指定されたオフセットから,M4で指定されたバイト数分の<pattern>と完全に一致するフレームだけ収集します。またトレースエリアは満杯になった時点で収集を停止します。
8 01 00 00 (*1) <offset>で指定されたオフセットから,M4で指定されたバイト数分の<pattern>のうちの任意の1バイトと一致するフレームを検出したとき,当該フレームの情報を収集して,トレースを停止します。その条件が発生するまではすべてのフレームを収集します。またトレースエリアはラップアラウンドして収集します。
9 01 (*1) <offset>で指定されたオフセットから,M4で指定されたバイト数分の<pattern>のうちの任意の1バイトと一致するフレームを検出したとき,当該フレームの情報を収集して,トレースを停止します。その条件が発生するまではすべてのフレームを収集します。またトレースエリアは満杯になった時点で収集を停止します。
10 01 00 (*1) <offset>で指定されたオフセットから,M4で指定されたバイト数分の<pattern>のうちの任意の1バイトと一致するフレームを収集します。またトレースエリアはラップアラウンドして収集します。
11 01 (*1) <offset>で指定されたオフセットから,M4で指定されたバイト数分の<pattern>のうちの任意の1バイトと一致するフレームを収集します。またトレースエリアは満杯になった時点で収集を停止します。

(*1)
pattern <pattern> オプションで指定されたオプションの長さ(01〜04(バイト))を指定します。

[使用者レベル]

一般ユーザ

[実行例]

NIF番号0,Line番号0のWANフレームトレースを開始します。

オプションは,「表20-28 オプションの指定とトレース動作の関係」の項番5の場合を例にします。

> debug trace wanframe nif 0 line 0 mode 0x00000104 pattern 0x451b27ff offset 0x04
>

[ユーザ通信への影響]

なし

[応答メッセージ]

表20-29 debug trace wanframeコマンドのメッセージ一覧

メッセージ 内容・対策
Illegal NIF -- <NIF No.>. NIF番号が範囲外です。<NIF No.> NIF番号
Illegal trace control -- <mode>. トレース収集モードが範囲外です。<mode> トレース収集モード
Illegal matching offset -- <offset>. オフセット値が範囲外です。<offset>オフセット値
Over setting matching pattern and offset. マッチングパターンとオフセットの設定数が既定より多いです。
Can't execute this command in standby rm. コマンドは待機系RM上では実行できません。
Illegal setting for NIF <NIF No.>. 指定NIFに対するインタフェース設定が間違っています。show versionshow nif(WAN)でボードタイプを確認して,もう一度入力してください。<NIF No.> NIF番号
No support trace type -- <trace_type>. 指定インタフェースでは指定トレースをサポートしません。<trace_type> トレース種別名
Trace already executing. トレースは起動中です。
Command busy(engaged by other user). 他のユーザがコマンド使用中です。再度入力してみてください。
Trace not executing. トレースは起動していません。
Trace stop condition un-setup. トレース停止条件は未設定です。
No configuration NIF <NIF No.>. 指定NIFは未定義です。<NIF No.> NIF番号
Disconnected NIF <NIF No.>. 指定NIFは実装されていません。<NIF No.> NIF番号
Not operational NIF <NIF No.>. 指定NIFは運用状態ではありません。<NIF No.> NIF番号
Disconnected or no configuration Line <Line No.>. 指定Lineは未実装か未定義です。<Line No.> Line番号
Not operational Line <Line No.>. 指定Lineは運用状態ではありません。
<Line No.> Line番号
No configuration Subline <Subline No.>. 指定論理Lineは未定義です。
<Subline No.> 論理Line番号
No configuration Timeslot <Timeslot No.>. 指定タイムスロットは未定義です。
<Timeslot No.> タイムスロット番号
Not operational Subline <Subline No.>. 指定論理Lineは運用状態ではありません。
<Subline No.> 論理Line番号
Not operational Timeslot <Timeslot No.>. 指定タイムスロットは運用状態ではありません。
<Timeslot No.> タイムスロット番号
Disconnected Timeslot <Timeslot No.>. 指定タイムスロットは未接続状態です。
<Timeslot No.>タイムスロット番号
Can't execute. 他の要因で実行できません。

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