解説書 Vol.2
マーカーは,Tag-VLANヘッダ内のユーザ優先度およびIPヘッダ内のDSCPおよびShimヘッダ内のEXPを書き換える機能です。この節で説明するマーカーの位置づけを次の図に示します。
- <この節の構成>
- (1) DSCP書き換え
- (2) ユーザ優先度書き換え
- (3) EXP書き換え【OP-MPLS】
検出したフローのTOSフィールド(IPv4ヘッダ)またはトラフィッククラスフィールド(IPv6ヘッダ)の上位6ビットを書き換えます。ユニキャスト,およびマルチキャストパケットに対して,入力側と出力側でDSCP値の書き換えができます。
この機能を利用することによって,検出したフローのユーザ優先度をDSCP値に対応づけることができます。例えば,ユーザ優先度が7のフローに対してDSCPを63に設定できます。
また,帯域監視機能ブロックからの指示によって,最低帯域を超えたフローのDSCPを書き換えることができます。例えば最低帯域を超えたフローに対して,DSCPを0に設定できます。
なお,DSCPへの書き換えは,レイヤ3中継で動作します。DSCP書き換えを行わない場合は,受信時のDSCPで送信します。
検出したフローのTag-VLANヘッダ内にあるユーザ優先度を書き換えます。ユニキャスト,およびマルチキャストフレームに対して,入力側と出力側でユーザ優先度の書き換えができます。ユーザ優先度は次の図に示すように,VLANタグ情報フィールドの先頭の3ビットを指します。
この機能を利用することによって,検出したフローのDSCP値をユーザ優先度に対応付けることができます。例えば,DSCPが63のフローに対してユーザ優先度を7に設定できます。
なお,ユーザ優先度の書き換えを使用することなく,受信したTag-VLANパケットを別のVLAN IDを持つTag-VLANへ中継すると,出力するパケットのユーザ優先度はデフォルトの0となります。
(3) EXP書き換え【OP-MPLS】
検出したフローのShimヘッダ内にあるEXPを書き換えます。ユニキャストフレームに対して,入力側と出力側でEXPの書き換えができます。EXPは次の図に示すように,Shim情報フィールドの先頭から21ビット後の3ビットを示します。
図1-13 Shimのヘッダフォーマット
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