解説書 Vol.1
- <この項の構成>
- (1) 概要
- (2) 第2優先経路の生成
(1) 概要
高速経路切替機能は,同一の宛先を持つ複数の経路が存在する場合に,最も優先度が高い経路情報(第1優先経路と呼ぶ)と,第1優先経路の次に優先される経路(第2優先経路と呼ぶ)をあらかじめルーティングテーブルに登録しておき,インタフェースダウンによって第1優先経路が使用不可能になったとき,素早く第2優先経路をフォワーディング・テーブルに登録することによって通信停止時間の短縮を図る機能です。
高速経路切替機能の詳細については「9.2.5 高速経路切替機能」を参照してください。
(2) 第2優先経路の生成
コンフィグレーションコマンドoptionsのfast-rerouteパラメータおよびコンフィグレーションコマンドripのfast-rerouteサブコマンドのgen-secondary-routeパラメータ,またはgen-secondary-routeサブコマンドを指定することによって,異なる隣接装置から学習した同一宛先への経路情報を二つ(第1優先経路と第2優先経路)まで生成します。RIPでは高速経路切替機能用に第2優先経路を生成する指定と,高速経路切替機能を使用せずに第2優先経路を生成する指定ができます。第2優先経路を生成する条件を次の表に示します。
表8-12 第2優先経路の生成条件
条件 第2優先経路の生成 コンフィグレーションコマンドoptionsのfast-rerouteパラメータ コンフィグレーションコマンドripのfast-rerouteサブコマンドのgen-secondary-routeパラメータ コンフィグレーションコマンドripのgen-secondary-routeサブコマンド プリファレンス値 × − − − 生成しない ○ × − − 生成しない ○ ○ − 第1優先経路と第2優先経路の値が異なる 生成しない ○ ○ − 第1優先経路と第2優先経路の値が同じ 生成する − − × − 生成しない − − ○ 第1優先経路と第2優先経路の値が異なる 生成しない − − ○ 第1優先経路と第2優先経路の値が同じ 生成する (凡例) ○:コンフィグレーションあり ×:コンフィグレーションなし −:対象外
注 コンフィグレーションコマンドoptionsのfast-rerouteパラメータとコンフィグレーションコマンドripの gen-secondary-routeサブコマンドは同時に指定できません。
第2優先経路の生成を指定した場合,次の表に従って同じ宛先への経路情報の優先度を決定します。
表8-13 第2優先経路の登録を指定した場合の経路選択の優先順位
優先順位 内容 高
↑
↓
低メトリック値が小さい経路を選択します。 エージングタイムがタイマ値の1/2秒以内の経路を選択します(メトリック値が同じ場合)。 ネクストホップアドレスが小さい経路を選択します。※1 経路情報に含まれるネクストホップアドレスと経路情報の送信元ゲートウェイアドレスが一致する経路を選択します。※2 今まで第1優先であった経路を選択します。 そのほかの場合,新しく学習した経路を無視します。
- 注
- ネクストホップアドレスが同じ場合は第1優先経路だけ生成します。
- 注※1
- 第2優先経路が登録されている状態で新経路を学習した場合,この条件は適用されません。
- 注※2
- この条件は,同一ネットワーク内にある異なる隣接装置から,経路情報に含まれるネクストホップアドレスが同一となる経路情報を学習する場合に適用されます。
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