解説書 Vol.1
10GBASE-Rの光ファイバを使用したインタフェースについて説明します。
- <この項の構成>
- (1) 接続インタフェース
- (2) フローコントロール
- (3) ジャンボフレーム
- (4) フレーム長とIP MTU長の設定時の注意事項
- (5) 10GBASE-R接続時の注意事項
10GBASE-SR,10GBASE-LR,10GBASE-ER,および10GBASE-ZRをサポートしています。回線速度は10Gbit/s全二重固定です。
- 10GBASE-SR:
- 短距離間を接続するために使用します。(マルチモード,伝送距離300m)
- 10GBASE-LR:
- 中距離間を接続するために使用します。(シングルモード,伝送距離10km)
- 10GBASE-ER:
- 長距離間を接続するために使用します。(シングルモード,伝送距離40km)
- 10GBASE-ZR:
- 長距離間を接続するために使用します。(シングルモード,伝送距離80km)
本装置の物理仕様については,マニュアル「ハードウェア取扱説明書」を参照してください。
フローコントロールは,装置内の受信バッファ枯渇でフレームを廃棄しないように,相手装置にフレームの送信をポーズパケットによって,一時的に停止指示する機能です。自装置がポーズパケット受信時は,送信規制を行います。
本装置では,受信バッファの使用状況を監視し,相手装置の送信規制を行う場合,ポーズパケットを送信します。本装置がポーズパケット受信時は,送信規制を行います。フローコントロールのコンフィグレーションは,送信と受信とでそれぞれ設定でき,有効または無効モードを選択できます。本装置と相手装置の設定を送信と受信が一致するように合わせてください。例えば,本装置のポーズパケット送信をenableに設定した場合,相手装置のポーズパケット受信はenableと設定してください。本装置と相手装置の設定内容と実行動作を「表4-12 フローコントロールの送信動作」および「表4-13 フローコントロールの受信動作」に示します。
本装置のポーズ
パケット送信相手装置の
ポーズパケット受信フローコントロール
動作enable enable 相手装置が送信規制を行う disable disable 相手装置が送信規制を行わない (凡例) enable:有効 disable:無効
本装置のポーズ
パケット受信相手装置の
ポーズパケット送信フローコントロール
動作enable enable 本装置が送信規制を行う disable disable 本装置が送信規制を行わない (凡例) enable:有効 disable:無効
ジャンボフレームは,MACヘッダのDA〜データが1518オクテットを超えるフレームを中継するための機能です。コンフィグレーションコマンドIP情報のmtuパラメータを合わせて変更することで,IPパケットのフラグメント化するサイズを大きくすることも可能となります。
本装置では,Ethernet V2形式フレームだけサポートします。802.3形式フレームはサポートしていません。Tag付きフレームでTPIDが0x8100の場合は設定したフレーム長より4加算した値まで受信します。フレームについては「4.3 MACおよびLLC副層制御」のフレームフォーマットを参照してください。Tag付きフレームについては「4.4 VLAN-Tag」のTag付フレームのフォーマットを参照してください。ジャンボフレームのサポート機能を次の表に示します。
項目 フレーム形式 内容 EthernetV2※ IEEE802.3※ 送信フレーム長
(オクテット)Tagなし 1519〜9596 × MACヘッダのDA〜データの長さ。FCSは含みません。 Tag付き
(TPID=0x8100以外)Tag付き
(TPID=0x8100)受信フレーム長
(オクテット)Tagなし 1519〜9596 × MACヘッダのDA〜データの長さ。FCSは含みません。 Tag付き
(TPID=0x8100以外)Tag付き
(TPID=0x8100)1523〜9600 受信機能 ○ × IEEE802.3フレームは,LENGTHフィールド値が0x05DD(1501オクテット)以上の場合に廃棄します。 送信機能 ○ × IEEE802.3フレームは送信しません。 (凡例) ○:サポート ×:未サポート
注※ 「4.3 MACおよびLLC副層制御」のフレームフォーマットを参照してください。
(4) フレーム長とIP MTU長の設定時の注意事項
フレーム長およびIP MTU長の対象範囲は次に示す図のようになります。フレーム長およびIP MTU長を相手装置と合わせてください。
コンフィグレーションコマンドIP情報のmtuパラメータを設定せずに,Line情報のjumbo_frameサブコマンドまたはイーサネットジャンボフレーム情報を変更する場合,mtuパラメータはjumbo_frameサブコマンドに合わせ,Tagの有無に関わらず18オクテット減算された値となります。このためIP MTU長を相手装置と合わせる場合は,mtuパラメータを設定してください。なお,jumbo_frameサブコマンドがmtuパラメータの最大値から18オクテット以上の値を設定する場合,フレーム長によらずIP MTU長は最大値固定となります。
図4-4 フレーム長およびIP MTU長の設定
- 10GBASE-Rの半二重およびオートネゴシエーションはIEEE802.3ae規格上なく,全二重固定接続だけとなります。
- トランシーバが交換可能なNIFの場合,マニュアル「ハードウェア取扱説明書」に示すXFP以外を使用した場合の動作は保証できません。
- 10GBASE-ZRはIEEE802.3ae規格にない独自仕様ですので,他ベンダーの装置と接続した場合の動作は保証できません。
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