コンフィグレーションガイド Vol.2

6.1.2　スケジューリング

スケジューリングは，各キューに積まれたフレームをどのような順序で送信するかを制御する機能です。本装置では，次に示すスケジューリング機能があります。スケジューリングの動作説明および仕様を次の表に示します。

表6-1　スケジューリングの動作説明

スケジューリング種別	概念図	動作説明	適用例
PQ		完全優先制御。複数のキューにフレームがキューイングされている場合，優先度の高いキューから常にフレームを送出します。	トラフィック優先順を完全に遵守する場合
RR		ラウンドロビン。複数のキューにフレームが存在する場合，順番にキューを見ながら１フレームずつ送出します。フレーム長によらず，フレーム数が均等になる制御を行います。	フレーム数を元に全トラフィックを均等とする場合
4PQ＋4WFQ		4最優先キュー＋4重み付き帯域均等制御。キュー8，7，6，5(左図Q#8，Q#7，Q#6，Q#5)までを完全優先制御で行います。キュー8から5にフレームが存在しない場合，予め設定した帯域の比(w:x:y:z)に応じてキュー4，3，2，1(左図Q#4，Q#3，Q#2，Q#1)からフレームを送出します。	PQに優先順を完全に遵守するトラフィック WFQにPQの余剰帯域を用いて，帯域の比を適用するトラフィック
2PQ+4WFQ+2BEQ		2最優先キュー＋4重み付き帯域均等制御＋2Best Effort。キュー8，7(左図Q#8，Q#7)を完全優先制御で行います。キュー8，7にフレームが存在しない場合，予め設定した帯域の比(w:x:y:z)に応じてキュー6，5，4，3(左図Q#6，Q#5，Q#4，Q#3)からフレームを送出します。キュー8から3までにフレームが存在しない場合，キュー2，1(左図Q#2，Q#1)で完全優先制御を行います。	PQに優先順を完全に遵守するトラフィック WFQにPQの余剰帯域を用いて，帯域の比を適用するトラフィック BEQにPQ，WFQの余剰帯域を用いるトラフィック
4WFQ+4BEQ		4重み付き帯域均等制御＋4Best Effort。キュー8，7，6，5(左図Q#8，Q#7，Q#6，Q#5)で予め設定した帯域の比(w:x:y:z)に応じてフレームを送出します。キュー8から5にフレームが存在しない場合，キュー4，3，2，1(左図Q#4，Q#3，Q#2，Q#1)で完全優先制御を行います。	WFQに帯域の比を適用したトラフィック BEQにWFQの余剰帯域を用いるトラフィック

表6-2　スケジューリングの仕様

項目		仕様	内容
キュー数	PQ RR	1,2,4,8キュー	NIF種別によって，1，2，4，8キューのキュー数を指定できます。キュー数を変更することで，キュー長を拡張できます。キュー数を変更すると該当ポートが再起動します。NIF種別との対応については，「6.10　NIF種別と送信制御機能との対応」を参照してください。
	4PQ+4WFQ 2PQ+4WFQ+2BEQ 4WFQ+4BEQ	8キュー	8キュー固定。
4WFQの重み	4PQ+4WFQ 2PQ+4WFQ+2BEQ 4WFQ+4BEQ	1〜100%	4WFQの重みとして帯域の比(w:x:y:z)を次の条件を満たすように設定してください。 w≧x≧y≧z かつ w+x+y+z=100

＜この項の構成＞

(1)　ポート送信キューのスケジューリング

(2)　ディストリビューション送信キューのスケジューリング

(1)　ポート送信キューのスケジューリング

ポート送信キューのスケジューリングはNIF種別により選択可能な種類が異なります。NIF種別との対応については，「6.10　NIF種別と送信制御機能との対応」を参照してください。廃棄制御はテールドロップで動作します。テールドロップの詳細については，「6.7.1　廃棄制御」を参照してください。

(2)　ディストリビューション送信キューのスケジューリング

ディストリビューション送信キューのスケジューリングはPQ固定，キュー数を8固定，廃棄制御をテールドロップで動作します。テールドロップの詳細については，「6.7.1　廃棄制御」を参照してください。

ディストリビューション送信キューにキューイングされたフレームは，優先度の高いキューからポート送信キューへキューイングされます。このため，ディストリビューション送信キューに滞留が発生すると，ポート送信キューのスケジューリング動作でPQ以外を選択していてもPQの優先順で送信されます。

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