解説書 Vol.1

[目次][用語][索引][前へ][次へ]


10.2 Tag-VLAN連携

<この節の構成>
(1) 概要
(2) サポート仕様
(3) ネットワーク構成例
(4) Tag-VLAN連携使用時の注意事項

(1) 概要

本装置でVLAN Tagを使用したい場合に,VLANのTaggedポートとして設定する方法のほかに,一つのポートにTag-VLAN連携機能を設定しルータポートとして使用する方法があります。

Tag-VLAN連携機能を設定したポートはルータポートとなり,VLAN Tagごとに単独のインタフェースとして動作します。VLANに二つ以上のポートを必要としない場合,VLANを設定する代わりにTag-VLAN連携機能によって接続できます。Tag-VLAN連携機能は,ほかのVLANやTag-VLAN連携機能の設定に依存せず自由にVLAN Tagの値を決めることができます。

Tag-VLAN連携機能はVLAN Tagを使いレイヤ3のルーティングを行うもので,VLAN機能とは異なる機能です。本機能は,管理用ネットワークへの接続やレイヤ3機能をサポートしていないLANスイッチの上位スイッチとしての接続などで,レイヤ2スイッチ機能が必要なくレイヤ3インタフェースとしてだけ使用したい場合に適用できます。

(2) サポート仕様

Tag-VLAN連携のサポート仕様を次の表に示します。

表10-3 Tag-VLAN連携サポート仕様

機能 項目 サポート 備考
IPv4 IPv6
中継 レイヤ3中継
レイヤ2中継 × ×
ネットワークインタフェース イーサネット
リンクアグリゲーション
POS × ×
VLAN数 ポートまたはリンクアグリゲーション当たりのVLAN数 4,096(AX5400Sでは1,024) 4,096(AX5400Sでは1,024) 左記の数値は,Tagなしインタフェースを1個含みます。
PSU(AX5400SではBSU)当たりのVLAN数 4,096(AX5400Sでは1,024) 4,096(AX5400Sでは1,024)
装置当たりのVLAN数 4,096(AX5400Sでは1,024) 4,096(AX5400Sでは1,024)
Tagの値 1〜4,095
Untagged 同一のポートにTaggedとUntaggedを混在できます。
自動設定プロトコル GVRP × ×
TPID値 0x8100
任意の値

(凡例) ○:サポートする ×:サポートしない −:該当しない

注※ Tag-VLAN連携の設定はRMイーサネットポート(AX5400Sではリモートマネージメントポート)には設定できません。


(3) ネットワーク構成例

Tag-VLAN連携を設定することで,一つの物理ポートまたはリンクアグリゲーションに最大4,096のVLANを収容できます。Tag-VLAN連携のネットワーク構成を次の図に示します。この図の構成では,ネットワークA(VLAN ID=1)とネットワークB(VLAN ID=2)を接続しているインタフェースには二つのVLANを設定します。

図10-1 Tag-VLANのネットワーク構成

[図データ]

ネットワークAからネットワークB(またはその逆)へフレームを送る場合,ネットワークBからネットワークCへフレームを送る場合,本装置による中継はレイヤ3中継(異なるサブネット間の中継)になります。

Tag-VLAN連携がサポートするレイヤ3中継の流れを次に示します(番号は「図10-1 Tag-VLANのネットワーク構成」に対応しています)。

  1. Tag付きフレームの受信(VLAN ID=1)→Tag付きフレームの送信(VLAN ID=2)
  2. Tag付きフレームの受信(VLAN ID=2)→Tagの削除→Tagなしフレームの送信
  3. Tagなしフレームの受信→Tagの付加→Tagありフレームの送信(VLAN ID=2)

(4) Tag-VLAN連携使用時の注意事項

  1. コンフィグレーションで設定した内容(VLAN ID指定,またはuntagged指定)と異なるパケットを受信した場合,本装置はそのパケットをハードウェアで廃棄します。Tag-VLAN連携設定と受信パケット種別を次の表に示します。

    表10-4 Tag-VLAN連携設定と受信パケット種別

    受信パケット Tag-VLAN連携設定
    VLAN ID指定 untagged指定
    Tagged 設定したVLAN ID 中継 廃棄
    設定していないVLAN ID 廃棄 廃棄
    Untagged 廃棄 中継
  2. 異なる物理ポートまたはリンクアグリゲーションにはTag-VLAN連携の設定と非設定は混在できます。Tag-VLAN連携のVLAN IDとして「untagged」を指定するとUntaggedのインタフェース,1〜4,095の値を指定するとTaggedのインタフェースを設定できます。
    ネットワークインタフェースにTag-VLAN連携が設定されているかどうかは,ポート単位の場合はshow interfacesコマンドで,リンクアグリゲーション単位の場合はshow link-aggregationコマンドで確認できます。各コマンドの詳細は,マニュアル「運用コマンドレファレンス Vol.1」を参照してください。

[目次][前へ][次へ]


[他社商品名称に関する表示]

Copyright (c)2005, 2011, ALAXALA Networks Corporation. All rights reserved.