解説書 Vol.1
- <この項の構成>
- (1) 解説
- (2) シングル接続ポートでシングルスパニングツリーを混在させた場合
- (3) 構成不一致検出機能
- (4) 禁止構成
(1) 解説
シングルスパニングツリーを使用している装置,または装置で一つのツリーを持つシングルスパニングツリーに相当する機能をサポートしている装置(以降,単にシングルスパニングツリーと表記します。)とPVST+を用いてネットワークを構築することができます。シングルスパニングツリーで運用している装置をエッジスイッチ,本装置をコアスイッチに配置して使います。このようなネットワークを構築することで,次のメリットがあります。
- エッジスイッチに障害が発生しても,他のエッジスイッチにトポロジー変更の影響が及ばない
- コアスイッチ間でロードバランスできる
- シングルスパニングツリーと接続できるポートの条件
一つのVLANにしか定義(デフォルトVLANに自動加入しているポートを除く)されてない,かつuntagged-port定義しているポート。このようなポートをシングル接続ポートと呼びます。
構成例を次の図に示します。この例では,エッジスイッチでシングルスパニングツリーを動作させ,コア−エッジ間の接続を一つのVLANだけでuntagged-port定義しています。各エッジスイッチはそれぞれ単一のVLANを定義しています。コアスイッチでは,本装置のPVST+を動作させています。
図8-7 シングルスパニングツリーとの接続
(2) シングル接続ポートでシングルスパニングツリーを混在させた場合
PVST+とシングルスパニングツリーを混在して定義している場合,シングル接続ポートでは,シングルスパニングツリーを停止状態(Disable)にします。
(3) 構成不一致検出機能
同一VLANで接続しているポートについて,本装置でuntagged-port定義し,対向装置ではtagged-port定義した場合,当該VLANでは通信できないポートとなります。このようなポートを構成不一致として検出します。検出する条件は,本装置がシングル接続ポートの場合で,対向装置でtagged-port定義を設定した場合です。この場合,当該ポートを停止状態(Disable)にします。対向装置でtagged-port定義を削除すれば,hello-time定義の値×3秒(デフォルトは6秒)後に,自動的に停止状態を解除します。
(4) 禁止構成
本装置とシングルスパニングツリーで動作する装置は,単一のスパニングツリーで構成してください。複数のスパニングツリーで構成すると正しいトポロジーになりません。
禁止構成の例を次の図に示します。この例では,装置Eのシングルスパニングツリーが複数のPVST+スパニングツリーとトポロジーを構成しているため,正しいトポロジーになりません。
図8-8 シングルスパニングツリーとの禁止構成例
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