解説書 Vol.1
LCP,NCPの中継プロトコルごとの制御プロトコルで取り扱うパケットをPPP制御パケットと呼びます。PPPパケットのプロトコルフィールドがLCP,NCPの各制御プロトコルを示す値の場合,PPPパケットのデータ部の内容はPPP制御パケットになります。PPP制御パケットフォーマットを次の図に示します。PPP制御パケットを構成する各フィールドの内容を「表5-9 PPP制御パケットの各フィールドの内容」に示します。
フィールド名 値(16進数) Code 制御パケットの種別 ID PPP制御パケットの識別子。RequestとReplyの対応づけに使用します。 Length PPP制御パケット長。Codeからパラメータリストフィールドの最後尾までです。 データまたはパラメータリスト PPP制御パケットごとに関連データを格納するフィールド。パラメータリストは,Configure-RQ/Ack/Nak/Rejパケットにあり,「表5-11 パラメータリスト」に示すパラメータが一つまたは複数個格納されます。 PPP制御パケットの機能を次の表に示します。
機能および
適用プロトコルパケット名 Code値
(16進数)ID値 役割 リンク設定
LCP,IPCP,IPV6CP,OSINLCPConfigure-RQ 01 任意の値 PPPのリンク接続要求パケット。相手局に自局の受信条件を通知。データフィールドにパラメータリストを格納します。 Configure-Ack 02 Configure-RQに等しい値 受信Configure-RQに対するAckパケット。相手局から通知された受信条件で接続できる場合は本パケットで応答します。データフィールドにパラメータリストを格納します。 Configure-Nak 03 Configure-RQに等しい値 受信Configure-RQに対するNakパケット。相手局から通知された受信条件で接続できず,受信条件の変更を求める場合の応答です。データフィールドにパラメータリストを格納します。 Configure-Rej 04 Configure-RQに等しい値 受信Configure-RQに対するRejectパケット。相手局から通知された受信条件で接続できず,受信条件の撤回を求める場合の応答です。データフィールドにパラメータリストを格納します。 リンク切断
LCP,IPCP,
IPV6CP,OSINLCPTerminate-RQ 05 任意の値 PPPのリンク切断要求パケット。データフィールドはありません。 Terminate-Ack 06 Terminate-RQに等しい値 PPPのリンク切断要求に対するACKパケット。PPPにはリンク切断要求に対する拒否パケットはありません。データフィールドはありません。 リンクメンテナンス
LCPEcho-RQ 09 任意の値 相手先に対する折り返し要求パケット。このパケットを受信した局はEcho-Replyで応答しなければなりません。データフィールド内容はマジックナンバー※1と任意のデータ※2です。 Echo-Reply 0a Echo-RQに等しい値 Echo-RQに対するReplyパケット。データフィールド内容はEcho-RQパケットです。 Discard-RQ 0b 任意の値 相手局に対する廃棄要求パケット(受信した局はこのパケットを廃棄しなければなりません)。データフィールドの内容は任意のデータです。本装置はこのパケットを送信しませんが,受信はできます。 Identification 0c 任意の値 文字列を使用して自分自身を相手局に認識させるパケット。データフィールドの内容はマジックナンバーと任意の文字列。本装置はこのパケットを送信しませんが,受信はできます。 Time-Remaning 0d 任意の値 PPPのリンクを一定期間で終了する予定を相手に伝えるパケット。データフィールドの内容はマジックナンバーとリンクの残り時間です。本装置はこのパケットを送信しませんが,受信はできます。 未知Codeパケット拒否
LCP,IPCP,
IPV6CP,OSINLCPCode-Rej 07 任意の値 受信したPPP制御パケットのCode値に認識できないものがあった場合の応答です。データフィールドの内容は認識不能なパケットです。 未知プロトコルパケット拒否
LCPProtocol-Rej 08 任意の値 受信したPPPパケットにサポートしていないプロトコルのパケットがカプセル化されている場合の応答です。データフィールド内容は未サポートパケットです。
- 注※1
- ループバック検出用の乱数。
- 注※2
- 本装置が送信するEcho-RQには,128オクテットのデータが付きます。データ内容は,次に示す文字列のアスキーコードの繰り返しになります。
- **△THE△QUICK△BROWN△FOX△JUMPS△OVER△THE△LAZY△DOG.123456789△**(△はブランク)
本装置がサポートするLCP,IPCP,IPV6CP,OSINLCPそれぞれについてパラメータリストを次の表に示します。パラメータリストはこれらのプロトコルのConfigure-RQ,Configure-Ack,Configure-Nak,Configure-Rejのデータフィールド部分に格納されます。
プロトコル
種別Type
(16進数)Length パラメータ・データ 備考 Data長 内容 LCP 01 4 2 MRU(最大受信ユニット)長 ○ 02 6 4 ACCマップ(非同期制御キャラクタマップ) − 03 4以上 2以上 認証プロトコル識別子など − 04 8 2 品質監視プロトコルID(RFC1333版,c025(16進数)) − 4 品質監視プロトコルパケット送信間隔(単位=1/100秒) − 05 6 4 マジックナンバー ○ 06 6 4 品質監視パケット(RFC1172版)の送信間隔(マイクロ秒単位) − 07 2 0 パラメータ・データなし。
このパラメータリストはプロトコルフィールド圧縮を意味します。− 08 2 0 パラメータ・データなし。
このパラメータリストはAddress/Control圧縮を意味します。− 09 2 0 パラメータ・データなし。
このパラメータリストは32ビットCRCを意味します。− IPCP 01 10 4 自IPアドレス − 4 相手IPアドレス − 02 4以上 2以上 IP圧縮プロトコル識別子など − 03 6 4 自IPアドレス ○ IPV6CP 01 10 8 インタフェース識別子 ○ 02 4以上 2以上 IPv6圧縮プロトコル識別子など − OSINLCP 01 3 1 Align-NPDU(PPPヘッダとOSIパケットとの間のAlignmentを設定) − (凡例) ○:サポート −:未サポート
注 パラメータの詳細については該当のRFCを参照してください。
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