解説書 Vol.1

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4.2.2 1000BASE-X

1000BASE-Xの光ファイバを使用したインタフェースについて説明します。

<この項の構成>
(1) 接続インタフェース
(2) オートネゴシエーション
(3) フローコントロール
(4) ジャンボフレーム
(5) フレーム長とIP MTU長の設定時の注意事項
(6) 1000BASE-X接続時の注意事項

(1) 接続インタフェース

(a) 1000BASE-X

1000BASE-SX,1000BASE-LX,1000BASE-LHおよび1000BASE-LHBをサポートしています。回線速度は1000Mbit/s全二重固定です。

1000BASE-SX:
短距離間を接続するために使用します。
(マルチモード,最大550m)

1000BASE-LX:
中距離間を接続するために使用します。
(シングルモード,最大5km/マルチモード,最大550m)

1000BASE-LH,1000BASE-LHB:
長距離間を接続するために使用します。
1000BASE-LH(シングルモード,最大70km)
1000BASE-LHB(シングルモード,最大100km)

コンフィグレーションでは次のモードを指定できます。接続するネットワークに合わせて設定してください。本装置のデフォルト値は,オートネゴシエーションになります。

(b) 1000BASE-X接続仕様

本装置のコンフィグレーション指定値と相手装置の伝送速度および,全二重および半二重モードの接続仕様を「表4-7 伝送速度および,全二重および半二重モードごとの接続仕様」に示します。なお,1000BASE-Xの物理仕様については,マニュアル「ハードウェア取扱説明書」を参照してください。

表4-7 伝送速度および,全二重および半二重モードごとの接続仕様

接続装置側設定 本装置の設定
設定 インタフェース 固定 オートネゴシエーション
1000BASE
全二重
1000BASE
全二重
固定 1000BASE
半二重
× ×
1000BASE
全二重
1000BASE
全二重
×
オートネゴ
シエーション
1000BASE
半二重
× ×
1000BASE
全二重
× 1000BASE
全二重

(凡例) ×:接続できない


(2) オートネゴシエーション

オートネゴシエーションは,全二重モード選択およびフローコントロールについて,対向装置間でやりとりを行い,接続動作を決定する機能です。

本装置での接続仕様を,「表4-7 伝送速度および,全二重および半二重モードごとの接続仕様」に示します。また本装置では,ネゴシエーション解決できなかった場合,リンク接続されるまで接続動作を繰り返し行います。

(3) フローコントロール

フローコントロールは,装置内の受信バッファ枯渇でフレームを廃棄しないように,相手装置にフレームの送信をポーズパケットによって,一時的に停止指示する機能です。自装置がポーズパケット受信時は,送信規制を行います。この機能は全二重だけサポートします。

本装置では,受信バッファの使用状況を監視し,相手装置の送信規制を行う場合,ポーズパケットを送信します。本装置がポーズパケット受信時は,送信規制を行います。フローコントロールのコンフィグレーションは,送信と受信でそれぞれ設定でき,有効または無効および,ネゴシエーション結果によって決定したモードを選択できます。本装置と相手装置の設定を送信と受信が一致するように合わせてください。例えば,本装置のポーズパケット送信をenableに設定した場合,相手装置のポーズパケット受信はenableと設定してください。本装置と相手装置の設定内容と実行動作モードを「表4-8 フローコントロールの送信動作」,「表4-9 フローコントロールの受信動作」および「表4-10 オートネゴシエーション時のフローコントロール動作」に示します。

表4-8 フローコントロールの送信動作

本装置のポーズ
パケット送信
相手装置の
ポーズパケット受信
フローコントロール動作
enable enable 相手装置が送信規制を行う
disable disable 相手装置が送信規制を行わない
desired desired 相手装置が送信規制を行う

(凡例)
enable:有効。ただし,シェーパ付きSFP(NE1GSHP-4S)の場合desiredと同じ動作をします。
disable:無効。desiredと組み合わせた設定の場合,ネゴシエーション結果によって動作します。フローコントロール動作は「表4-10 オートネゴシエーション時のフローコントロール動作」を参照してください。
desired:有効。オートネゴシエーション選択時は,ネゴシエーション結果によって動作します。フローコントロール動作は「表4-10 オートネゴシエーション時のフローコントロール動作」を参照してください。

表4-9 フローコントロールの受信動作

本装置のポーズ
パケット受信
相手装置の
ポーズパケット送信
フローコントロール動作
enable enable 本装置が送信規制を行う
disable disable 本装置が送信規制を行わない
desired desired 本装置が送信規制を行う

(凡例)
enable:有効。ただし,シェーパ付きSFP(NE1GSHP-4S)の場合desiredと同じ動作をします。
disable:無効。desiredと組み合わせた設定の場合,ネゴシエーション結果によって動作します。フローコントロール動作は「表4-10 オートネゴシエーション時のフローコントロール動作」を参照してください。
desired:有効。オートネゴシエーション選択時は,ネゴシエーション結果によって動作します。フローコントロール動作は「表4-10 オートネゴシエーション時のフローコントロール動作」を参照してください。

表4-10 オートネゴシエーション時のフローコントロール動作

本装置 相手装置 本装置のオートネゴシエーション結果 フローコントロール動作
ポーズパケット送信 ポーズパケット受信 ポーズパケット送信 ポーズパケット受信 ポーズパケット送信 ポーズパケット受信 本装置の送信規制 相手装置の送信規制
enable desired enable enable enable enable 行う 行う
disable enable disable 行わない 行わない
desired enable enable 行う 行う
disable enable enable enable 行わない 行う
disable enable disable 行わない 行わない
desired enable enable 行う 行う
desired enable enable enable 行う 行う
disable enable disable 行わない 行わない
desired enable enable 行う 行う
disable enable enable enable enable 行う 行う
disable disable enable 行わない 行う
desired enable enable 行う 行う
disable enable enable enable 行わない 行う
disable disable disable 行わない 行わない
desired enable enable 行う 行う
desired enable enable enable 行う 行う
disable disable enable 行わない 行う
desired enable enable 行う 行う
desired enable enable enable enable enable 行う 行う
disable disable enable 行う 行わない
desired enable enable 行う 行う
disable enable enable enable 行わない 行う
disable disable enable 行わない 行わない
desired enable enable 行う 行う
desired enable enable enable 行う 行う
disable disable enable 行わない 行わない
desired enable enable 行う 行う
disable enable enable disable disable 行わない 行わない
disable disable disable 行わない 行わない
desired disable disable 行わない 行わない
disable enable enable disable 行わない 行わない
disable disable disable 行わない 行わない
desired enable disable 行う 行わない
desired enable disable disable 行わない 行わない
disable disable disable 行わない 行わない
desired disable disable 行わない 行わない
desired enable enable enable enable 行う 行う
disable disable disable 行わない 行わない
desired enable enable 行う 行う
disable enable enable enable 行わない 行う
disable disable disable 行わない 行わない
desired enable enable 行う 行う
desired enable enable enable 行う 行う
disable disable disable 行わない 行わない
desired enable enable 行う 行う

注※ シェーパ付きSFP(NE1GSHP-4S)の場合は,本装置の送信規制は行いません。


(4) ジャンボフレーム

ジャンボフレームは,MACヘッダのDA〜データが1518オクテットを超えるフレームを中継するための機能です。コンフィグレーションコマンドIP情報のmtuパラメータを合わせて変更することで,IPパケットのフラグメント化するサイズを大きくすることも可能となります。

本装置では,Ethernet V2形式フレームだけサポートします。802.3形式フレームはサポートしていません。フレームについては「4.3 MACおよびLLC副層制御」のフレームフォーマットを参照してください。Tag付きフレームについては「4.4 VLAN-Tag」のTag付きフレームのフォーマットを参照してください。ジャンボフレームのサポート機能を次の表に示します。

表4-11 ジャンボフレームサポート機能

項目 フレーム形式 内容
EthernetV2 IEEE802.3
フレーム長
(オクテット)
1519〜9596 × MACヘッダのDA〜データの長さ。FCSは含みません。
受信機能 × IEEE802.3フレームは,LENGTHフィールド値が0x05DD(1501オクテット)以上の場合に廃棄します。
送信機能 × IEEE802.3フレームは送信しません。

(凡例) ○:サポート ×:未サポート

注※ 「4.3 MACおよびLLC副層制御」のフレームフォーマットを参照してください。


(5) フレーム長とIP MTU長の設定時の注意事項

フレーム長およびIP MTU長の対象範囲は次に示す図のようになります。フレーム長およびIP MTU長を相手装置と合わせてください。

コンフィグレーションコマンドIP情報のmtuパラメータを設定せずに,Line情報のjumbo_frameサブコマンドまたはイーサネットジャンボフレーム情報を変更する場合,mtuパラメータはjumbo_frameサブコマンドに合わせ,Tagの有無に関わらず18オクテット減算された値となります。このためIP MTU長を相手装置と合わせる場合は,mtuパラメータを設定してください。なお,jumbo_frameサブコマンドがmtuパラメータの最大値から18オクテット以上の値を設定する場合,フレーム長によらずIP MTU長は最大値固定となります。

図4-3 フレーム長およびIP MTU長の設定

[図データ]

(6) 1000BASE-X接続時の注意事項

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