コンフィグレーションガイド Vol.1


3.2.11 IPv4・IPv6パケット中継

本装置ではVLANに対してIPアドレスを設定します。ここでは,IPアドレスを設定できるVLANインタフェースの最大数,設定できるIPアドレスの最大数,通信できる相手装置の最大数などについて説明します。また,DHCPリレー/DHCPサーバの収容条件についても説明します。

〈この項の構成〉

(1) IPアドレスを設定できるインタフェース数

本装置でサポートする最大インタフェース数を次の表に示します。ここで示す値は,IPv4とIPv6との合計の値です。なお,IPv4とIPv6を同一のインタフェースに設定することも,個別に設定することもできます。

表3‒77 最大インタフェース数

モデル

インタフェース数(装置当たり)

全モデル共通

1024

(2) マルチホームの最大サブネット数

LANのマルチホーム接続では一つのインタフェースに対して,複数のIPv4アドレス,またはIPv6アドレスを設定します。

(a) IPv4の場合

IPv4でのマルチホームの最大サブネット数を次の表に示します。

表3‒78 マルチホームの最大サブネット数(IPv4の場合)

モデル

マルチホーム サブネット数

(インタフェース当たり)

全モデル共通

256

(b) IPv6の場合

IPv6でのマルチホームの最大サブネット数を次の表に示します。なお,ここで示す値にはリンクローカルアドレスを含みます。一つのインタフェースには必ず一つのリンクローカルアドレスが設定されます。このため,すべてのインタフェースでIPv6グローバルアドレスだけを設定した場合,実際に装置に設定されるIPv6アドレス数は,表の数値に自動生成されるIPv6リンクローカルアドレス数1を加算した8になります。

表3‒79 マルチホームの最大サブネット数(IPv6の場合)

モデル

マルチホーム サブネット数

(インタフェース当たり)

全モデル共通

7

(3) IPアドレス最大設定数

(a) IPv4アドレス

装置当たりのコンフィグレーションで設定できるIPv4アドレスの最大数を次の表に示します。なお,この表で示す値は,通信用インタフェースに設定できるIPv4アドレス数です。

表3‒80 コンフィグレーションで装置に設定できるIPv4アドレス最大数

モデル

IPv4アドレス数(装置当たり)

全モデル共通

1024

注※ IPv6ユニキャスト優先モードの場合,最大数は128になります。

(b) IPv6アドレス

コンフィグレーションで設定できる装置当たりのIPv6アドレスの最大数を次の表に示します。なお,ここで示す値は通信用のインタフェースに設定するIPv6アドレスの数です。また,IPv6リンクローカルアドレスの数も含みます。一つのインタフェースには必ず一つのIPv6リンクローカルアドレスが設定されます。このため,すべてのインタフェースにIPv6グローバルアドレスを設定した場合,インタフェースには自動でIPv6リンクローカルアドレスが付与され,実際に装置に設定されるIPv6アドレスの数は「表3‒82 コンフィグレーションで装置に設定できるIPv6アドレス数と,装置に設定されるIPv6アドレス数の関係」に示す値となります。

表3‒81 コンフィグレーションで装置に設定できるIPv6アドレス最大数

モデル

IPv6アドレス数(装置当たり)

全モデル共通

128

表3‒82 コンフィグレーションで装置に設定できるIPv6アドレス数と,装置に設定されるIPv6アドレス数の関係

コンフィグレーションで設定するIPv6アドレスの数

コンフィグレーションで設定するIPv6アドレスの合計数

自動で設定するIPv6リンクローカルアドレスの数

装置に設定されるIPv6アドレス数

IPv6リンクローカルアドレス

IPv6グローバルアドレス

128(128×1)

0

128

0

128

0

128(128×1)

128

128

256

注 ( )内数字の意味:

(A×B) A:インタフェース数 B:各インタフェースに設定するアドレス数

(4) 最大相手装置数

本装置が接続するLANを介して通信できる最大相手装置数を示します。この場合の相手装置はルータに限らず,端末も含みます。

(a) ARPエントリ数

IPv4の場合,LANではARPによって,送信しようとするパケットの宛先アドレスに対応するハードウェアアドレスを決定します。したがって,これらのメディアではARPエントリ数によって最大相手装置数が決まります。本装置でサポートするARPエントリの最大数については,「3.2.1 テーブルエントリ数」を参照してください。

(b) NDPエントリ数

IPv6の場合,LANではNDPでのアドレス解決によって,送信しようとするパケットの宛先アドレスに対応するハードウェアアドレスを決定します。したがって,NDPエントリ数によって最大相手装置数が決まります。本装置でサポートするNDPエントリの最大数については,「3.2.1 テーブルエントリ数」を参照してください。

(c) RAの最大相手端末数

RAではルータから通知されるIPv6アドレス情報を基に端末でアドレスを生成します。本装置での最大相手端末数を次の表に示します。

表3‒83 RAの最大相手端末数

モデル

RAの最大相手端末数

インタフェース当たり

装置当たり

全モデル共通

128

128

(5) ポリシーベースルーティング(IPv4)【OS-L3A】

(a) ポリシーベースルーティングの収容条件

ポリシーベースルーティングでは,フィルタのフロー検出を使用して,ポリシーベースルーティングの対象にするフローを検出します。なお,ポリシーベースルーティングは受信側フロー検出モードがlayer3-6の場合に使用できます。

装置当たりのポリシーベースルーティンググループのエントリ数を次の表に示します。

表3‒84 装置当たりのポリシーベースルーティンググループのエントリ数

項目

IPv4ポリシーベースルーティンググループ

アクセスリストエントリ数

表3‒35 モードlayer3-6のフィルタ最大エントリ数」を参照※1

ポリシーベースルーティングリスト数

256※2

ポリシーベースルーティングリスト情報内に設定できる経路数

8

ポリシーベースルーティングのトラッキング機能と連携できる経路数

1024※3

注※1

エントリ数の算出方法は,「3.2.5 フィルタ・QoS」と同じです。

注※2

1ポリシーベースルーティングリスト情報を1リストとして登録します。このため,複数のアクセスリストで同一のポリシーベースルーティングリスト情報を設定した場合,使用するリスト数は1リストと計算します。

注※3

1トラックIDを1エントリとして登録します。このため,複数の経路で同一のトラックIDを設定した場合,使用するエントリ数は1エントリと計算します。

(b) トラッキング機能の収容条件

ポリシーベースルーティングのトラッキング機能の収容条件を次の表に示します。

表3‒85 トラッキング機能の収容条件

項目

収容条件

トラックの数

1024

ポーリング監視トラックの数

1024

注※ コンフィグレーションコマンドtype icmpを設定したトラックの数です。

(6) DHCP/BOOTPリレー

DHCP/BOOTPリレーで設定できるインタフェース数およびリレー先アドレス数を次の表に示します。

表3‒86 DHCP/BOOTPリレーの最大数

項目

最大数

DHCP/BOOTPリレーインタフェース数

1023

DHCP/BOOTPリレー先アドレス数

16

(7) IPv6 DHCPリレー

IPv6 DHCPリレーの収容条件を次の表に示します。

表3‒87 IPv6 DHCPリレーの最大数

項目

装置当たりの最大数

配布プレフィックス数

1024

インタフェース数

127

注※

クライアントを直接収容した場合にIPv6 DHCPサーバによって配布されるPDプレフィックス数です。ほかのリレー経由のパケットやPDプレフィックス以外の情報は,この条件に関係なく中継できます。

(8) DHCPサーバ

DHCPサーバで設定できるインタフェース数および配布可能IPアドレス数などを次の表に示します。

表3‒88 DHCPサーバの最大数

項目

装置当たりの最大数

DHCPサーバインタフェース数

1024

DHCPサーバ管理サブネット数

1024

配布可能IPアドレス数※1

2000

配布可能固定IPアドレス数

160

配布除外IPアドレス範囲数※2

4096

注※1 配布可能固定IPアドレス数を含みます。

注※2 サブネット当たり1024までです。

(9) IPv6 DHCPサーバ

IPv6 DHCPサーバで設定できるインタフェース数および配布可能IPv6プレフィックス数などを次の表に示します。

表3‒89 IPv6 DHCPサーバの最大数

項目

装置当たりの最大数

インタフェース数

128

最大配布可能Prefix数

1024