トラブルシューティングガイド
本装置を使用しているネットワーク上で通信トラブルが発生する要因として,フィルタによって特定のパケットが廃棄されているか,またはQoS制御の帯域監視,廃棄制御もしくはシェーパによってパケットが廃棄されている可能性が考えられます。
フィルタおよびQoS制御によって本装置内でパケットが廃棄されている場合に,廃棄個所を特定する方法の手順を次に示します。
また,フィルタの動作に指定しているポリシーベースルーティングまたはポリシーベーススイッチングがデフォルト動作に従っていて,かつデフォルト動作が廃棄の場合は,フィルタによるパケット廃棄と同じ扱いとなります。次の手順に加えて,「3.28.1 ポリシーベースルーティングで中継されない場合の確認方法」および「3.29.1 ポリシーベーススイッチングで中継されない場合の確認方法」を参照してください。
- <この項の構成>
- (1) フィルタによるパケット廃棄の確認方法
- (2) QoS制御の帯域監視によるパケット廃棄の確認方法
- (3) QoS制御の廃棄制御およびレガシーシェーパによるパケット廃棄の確認方法
- (4) QoS制御の廃棄制御および階層化シェーパによるパケット廃棄の確認方法
(1) フィルタによるパケット廃棄の確認方法
- 本装置にログインします。
- show access-filterコマンドを実行し,インタフェースに適用しているアクセスリストのフィルタ条件とフィルタ条件に一致したパケット数,暗黙の廃棄のフィルタエントリで廃棄したパケット数を確認します。
- 2.で確認したフィルタ条件と通信できないパケットの内容を比較して,該当パケットを廃棄していないか,またはポリシーベースルーティングもしくはポリシーベーススイッチングを実行していないか確認します。通信できないパケットの内容が,適用しているすべてのフィルタ条件に一致していない場合,暗黙的に廃棄している可能性があります。
- フィルタのコンフィグレーションの設定条件が正しいかを見直してください。
- コンフィグレーションが正しく設定されている場合は,アクセスリストロギングを使って,廃棄したパケットの情報を確認してください。
(2) QoS制御の帯域監視によるパケット廃棄の確認方法
- 本装置にログインします。
- show qos-flowコマンドを実行し,インタフェースに適用している帯域監視のフロー検出条件と動作指定,フロー検出条件に一致したパケット数を確認します。
- 2.で確認したフロー検出条件と通信できないパケットの内容を比較して,該当パケットを廃棄していないか確認します。最大帯域制御を違反したパケットは廃棄し,統計情報の"matched packets(max-rate over)"をカウントアップします。本統計情報をカウントアップしている場合,インタフェースに適用している帯域監視によって,パケットを廃棄している可能性があります。
- QoS制御のコンフィグレーションの設定条件が正しいか,およびシステム構築での帯域監視の設定が適切であるかを見直してください。
(3) QoS制御の廃棄制御およびレガシーシェーパによるパケット廃棄の確認方法
- AX6700S,AX6600SおよびAX6300Sの場合
- 本装置にログインします。
- show qos queueingコマンドでinterfaceパラメータを指定し,通信で使用する入力インタフェースと出力インタフェースのポート送受信キューの統計情報に示される"discard_pkt"を確認してください。
- show qos queueingコマンドでdistributionパラメータを指定し,通信で使用する入力インタフェースまたは出力インタフェースを収容するディストリビューション送受信キューの統計情報の"discard_pkt"を確認してください。
- 2.と3.で確認した統計情報がカウントアップしている場合,QoS制御の廃棄制御によってパケットを廃棄しています。
- 廃棄制御およびレガシーシェーパのシステム運用が適切であるかを見直してください。
- AX3800S,AX3600SおよびAX2400Sの場合
- 本装置にログインします。
- show qos queueingコマンドを使って,出力インタフェースの統計情報の"discard packets"を確認してください。
- 2.で確認した統計情報がカウントアップしている場合,QoS制御の廃棄制御およびレガシーシェーパによってパケットを廃棄しています。
- 廃棄制御およびレガシーシェーパのシステム運用が適切であるかを見直してください。
(4) QoS制御の廃棄制御および階層化シェーパによるパケット廃棄の確認方法
- AX6700S,AX6600SおよびAX6300Sの場合
- 本装置にログインします。
- show shaperコマンドでport listパラメータを指定し,通信で使用する入力インタフェースと出力インタフェースのユーザキューの統計情報に示される"discard_pkt"を確認してください。
- show qos queueingコマンドでinterfaceパラメータを指定し,通信で使用する入力インタフェースと出力インタフェースのポート送受信キューの統計情報に示される"discard_pkt"を確認してください。
- show qos queueingコマンドでdistributionパラメータを指定し,通信で使用する入力インタフェースまたは出力インタフェースを収容するディストリビューション送受信キューの統計情報の"discard_pkt"を確認してください。
- 2.〜4.で確認した統計情報がカウントアップしている場合,QoS制御の廃棄制御によってパケットを廃棄しています。
- 廃棄制御および階層化シェーパのシステム運用が適切であるかを見直してください。
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