トラブルシューティングガイド

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3.28.1 ポリシーベースルーティングで中継されない場合の確認方法

ポリシーベースルーティンググループの使用中に,指定した経路に中継されない場合,次の表に従って対処してください。

表3-88 AX6700S,AX6600SまたはAX6300Sの場合のポリシーベースルーティングで中継されない場合の対処方法

項番 確認内容・コマンド 対応
1 ポリシーベースルーティングリスト情報を設定しているフィルタの動作状況を確認
  • show access-filterコマンドを実行し,"matched packets :"でフィルタ条件に一致したパケット数を確認してください。
通信できないパケット数とmatched packetsの値が異なる場合は,フィルタの検出条件が誤っていて,暗黙の廃棄をしている可能性があります。
フィルタの設定を見直してください。
通信できないパケット数とmatched packetsの値が同じ場合,項番2へ。
2 ポリシーベースルーティンググループの動作状況を確認
  • show ip cache policyコマンドを実行し,"*>"の表示状況を確認してください。
未表示の場合,起動中,切替中またはデフォルト動作に従っている可能性があります。
起動中の確認は,項番3へ。
切替中の確認は,項番4へ。
デフォルト動作の確認は,項番5へ。
表示されている場合,項番5へ。
3 ポリシーベースルーティングの経路切り替え動作状況を確認
  • show ip cache policyコマンドの"Policy Base Routing Default Init Interval"の"Start Time"および"End Time"項目の値を確認してください。
"End Time"にだけ"-"が表示されている場合,起動中のためパケットを廃棄した可能性があります。起動が完了するまでお待ちください。
"Start Time"および"End Time"が共に"-"または日付が表示されている場合,項番5へ。
4 ポリシーベースルーティングの経路切り替え動作状況を確認
  • show ip cache policyコマンドの"Policy Base Routing Default Aging Interval"の"Start Time"および"End Time"項目の値を確認してください。
"End Time"にだけ"-"が表示されている場合,経路の切替中のためパケットを廃棄した可能性があります。経路の切り替えが完了するまでお待ちください。
"Start Time"および"End Time"が共に"-"または日付が表示されている場合,項番5へ。
5 ポリシーベースルーティングの中継先のVLANインタフェースおよびトラッキング機能の状況を確認
  • show vlanコマンドを実行し,"Status:"項目を確認してください。
  • show track-objectコマンドを実行し,"State"項目のトラック状態を確認してください。
ポリシーベースルーティングの中継先のVLANインタフェースまたはトラッキング機能の状況のどちらかが"Up"でない場合,デフォルト動作によって通常中継または廃棄しています。中継先のVLANインタフェースおよびトラッキング機能の状況がすべて"Up"になるようにしてください。
すべて"Up"の場合,項番6へ。
6 ポリシーベースルーティングの経路切り戻し動作の設定を確認
  • show ip cache policyコマンドを実行し,"Recover"項目を確認してください。
"Off"の場合,経路切り戻し動作が行われないため経路の再選択が行われない状態です。reset policy-listコマンドを実行して経路の再選択を実施してください。
"On"の場合,項番7へ。
7 送信先インタフェースでネットワークの通信障害が発生していないか確認
通信障害が発生している場合,参照先の対応に従ってください。
通信障害が発生していない場合,項番8へ。
8 解析情報の採取
  • AX6700Sの場合
    show tech-supportコマンド,dump policyコマンド,およびdump bsuコマンドを順に2回実行してください。※1
  • AX6600SまたはAX6300Sの場合
    show tech-supportコマンド,dump policyコマンド,およびdump pspコマンドを順に2回実行してください。※2
収集した情報を支援部署に送付してください。

注※1
dump bsuコマンドを実行する場合,メモリダンプファイルの収集完了のログが出力されるまでは,次のコマンドを実行しないでください。また,2回目のdump policyコマンドおよびdump bsuコマンドを実行すると,1回目に収集したメモリダンプファイルが削除されるため,1回目に収集したメモリダンプファイルを退避してから実行してください。

注※2
dump pspコマンドを実行する場合,メモリダンプファイルの収集完了のログが出力されるまでは,次のコマンドを実行しないでください。また,2回目のdump policyコマンドおよびdump pspコマンドを実行すると,1回目に収集したメモリダンプファイルが削除されるため,1回目に収集したメモリダンプファイルを退避してから実行してください。

表3-89 AX3800S,AX3650SまたはAX3640Sの場合のポリシーベースルーティングで中継されない場合の対処方法

項番 確認内容・コマンド 対応
1 ポリシーベースルーティングリスト情報を設定しているフィルタの動作状況を確認
  • show access-filterコマンドを実行し,"matched packets :"でフィルタ条件に一致したパケット数を確認してください。
通信できないパケット数とmatched packetsの値が異なる場合は,フィルタの検出条件が誤っていて,暗黙の廃棄をしている可能性があります。
フィルタの設定を見直してください。
通信できないパケット数とmatched packetsの値が同じ場合,項番2へ。
2 ポリシーベースルーティンググループの動作状況を確認
  • show ip cache policyコマンドを実行し,"*>"の表示状況を確認してください。
未表示の場合,起動中またはデフォルト動作によって通常中継または廃棄している可能性があります。
起動中の確認は,項番3へ。
表示されている場合,項番4へ。
3 ポリシーベースルーティングの経路切り替え動作状況を確認
  • show ip cache policyコマンドの"Policy Base Routing Default Init Interval"の"Start Time"および"End Time"項目の値を確認してください。
"End Time"にだけ"-"が表示されている場合,起動中のためパケットを廃棄した可能性があります。起動が完了するまでお待ちください。
"Start Time"および"End Time"が共に"-"または日付が表示されている場合,項番5へ。
4 ポリシーベースルーティングの経路切り替え動作状況を確認
  • show ip cache policyコマンドの"Policy Base Routing Default Aging Interval"の"Start Time"および"End Time"項目の値を確認してください。
"End Time"にだけ"-"が表示されている場合,切替中のためパケットを廃棄した可能性があります。切り替えが完了するまでお待ちください。
"Start Time"および"End Time"が共に"-"または日付が表示されている場合,項番5へ。
5 ポリシーベースルーティングの中継先のVLANインタフェースおよびトラッキング機能の状況を確認
  • show vlanコマンドを実行し,"Status:"項目を確認してください。
  • show track-objectコマンドを実行し,"State"項目のトラック状態を確認してください。
ポリシーベースルーティングの中継先のVLANインタフェースまたはトラッキング機能の状況のどちらかが"Up"でない場合,デフォルト動作によって通常中継または廃棄しています。中継先のVLANインタフェースおよびトラッキング機能の状況がすべて"Up"になるようにしてください。
すべて"Up"の場合,項番6へ。
6 ポリシーベースルーティングの経路切り戻し動作の設定を確認
  • show ip cache policyコマンドを実行し,"Recover"項目を確認してください。
"Off"の場合,経路切り戻し動作が行われないため経路の再選択が行われない状態です。reset policy-listコマンドを実行して経路の再選択を実施してください。
"On"の場合,項番7へ。
7 ポリシーベースルーティングの中継先のARP情報の確認
  • show ip arpコマンドを実行し,中継先のネクストホップが登録されているか確認してください。
  • show mac-address-tableコマンドを実行し,中継先のMACアドレスが登録されているか確認してください。
ARPが未登録の場合,スタティックARPを設定してください。MACアドレスが未登録の場合,MACアドレスのスタティックエントリを設定してください。または,ポリシーベースルーティングのトラッキング機能を使用してください。
登録済みの場合,項番8へ。
8 送信先インタフェースでネットワークの通信障害が発生していないか確認
通信障害が発生している場合,参照先の対応に従ってください。
通信障害が発生していない場合,項番9へ。
9 解析情報の採取
  • show tech-supportコマンドおよびdump policyコマンドを順に2回実行してください。
収集した情報を支援部署に送付してください。

注※
2回目のdump policyコマンドを実行すると,1回目に収集したメモリダンプファイルが削除されるため,1回目に収集したメモリダンプファイルを退避してから実行してください。

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