解説書 Vol.1
本装置でマルチキャストパケットを中継する場合には次の点に注意してください。
- <この項の構成>
- (1) プロトコル共通
- (2) PIM-DMおよびPIM-SMの使用
- (3) DVMRPの使用
- (4) PIM-SMの使用
- (5) PIM-SSMの使用
(1) プロトコル共通
本装置は,最初のマルチキャストパケット受信でマルチキャスト通信を行うためのマルチキャストルーティングエントリを作成します。エントリを作成するまでの間ソフトウェアでマルチキャストパケットを中継するため,一時的にパケットをロスする場合があります(PIM-SSMを除く)。
本装置は,PIM-DM,PIM-SM,DVMRPの混在システムをサポートしていません。したがって,全装置のマルチキャストプロトコル(PIM-DM,PIM-SM,DVMRP)を統一して使用してください。PIM-SSMはPIM-SMの拡張機能なので,PIM-SMとPIM-SSMは混在できます。
本装置は,二重化装置による運用で現用系から待機系に切り替わる場合やrestart ipv4-multicastコマンド実行によるIPマルチキャストルーティングプログラムの再起動を行う場合は,マルチキャストルーティング情報を再学習するまでマルチキャスト通信が停止するので注意してください。
(2) PIM-DMおよびPIM-SMの使用
IPアドレスのマスク長が8ビットから30ビットのインタフェース上で動作します。ポイント・ツー・ポイント回線上で動作させる場合,自インタフェースと相手インタフェースのIPアドレスのサブネットを同じにしてください。
(3) DVMRPの使用
IPアドレスのマスク長が8ビットから30ビットおよび32ビットのインタフェース上で動作します。DVMRPはデフォルトルート"0.0.0.0"をサポートしていません。したがってデフォルトルートによるマルチキャストパケットの中継は動作しません。
(4) PIM-SMの使用
PIM-SMを使用する場合は次の点に注意してください。
- 本装置は,ランデブーポイント経由でのマルチキャストパケット中継時およびランデブーポイント経由から最短パス経由への切り替え時,一時的にパケットをロスする場合があります。
ランデブーポイント経由のマルチキャストパケットの中継動作およびランデブーポイント経由から最短パス経由切り替え動作は「13.4.4 PIM-SM」を参照してください。
- 本装置をランデブーポイントおよびブートストラップルータとして使用する場合,ルータ管理情報のローカルアドレスで定義されたIPv4アドレスがランデブーポイントとブートストラップルータのアドレスになります。このルータ管理情報のローカルアドレスはマルチキャスト通信する全装置でユニキャストでのルート認識および通信ができる必要があります。
- 本装置以外の装置と混在するシステム構成では,PIM-Registerメッセージ(カプセル化パケット)のチェックサムの計算範囲の相違によってマルチキャスト通信ができない場合があります。ランデブーポイントでRegisterメッセージがチェックサムエラーによってマルチキャスト中継しない場合は,本装置の構成定義情報でPIMチェックサムを計算する範囲を変更してください。詳細はマニュアル「構成定義コマンドレファレンス Vol.1」のpimコマンドを参照してください。
(5) PIM-SSMの使用
受信者であるホストがグループ参加してfirst-hop-routerがグループ参加を認識するまでに,次に示す時間がかかるので注意してください。
最大5秒×(last-hop-routerからfirst-hop-routerまでのルータホップ数)
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