解説書 Vol.1

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11.3.12 BGP4使用時の注意事項

BGP4を使用したネットワークを構成する場合には次の制限事項に留意してください。

<この項の構成>
(1) BGP4の制限事項

(1) BGP4の制限事項

本装置はRFC1771(BGPバージョン4仕様),RFC2796(ルート・リフレクション仕様),RFC1997(コミュニティ仕様),RFC1965(コンフィデレーション仕様),RFC2842(サポート機能の広告仕様),RFC2918(ルート・リフレッシュ仕様),Draft(拡張コミュニティ仕様)に準拠していますが,ソフトウェアの機能制限から一部RFC/Draftとの差分があります。RFC/Draftとの差分を次の表に示します。なお,本装置はBGPバージョン4だけをサポートしています。

表11-15 RFCとの差分(RFC1771)

RFC番号 RFC 本装置
RFC1771 メッセージ
ヘッダ形式
メッセージタイプがOPENメッセージで認証を持つ場合,Markerの値は認証メカニズムで規定される計算によって予測できます。 認証機能はサポートしていません。
パス属性:
NEXT_HOP
BGPスピーカが,同一AS内のBGPスピーカへ経路を広告するとき,広告するスピーカは,その経路に関するNEXT_HOP属性を修正すべきではありません。 同一AS内のBGPスピーカへ経路を広告するとき,NEXT_HOP属性にそのBGPスピーカとのピアリングに使用している自側のIPアドレスを設定します。
パス属性:
ATOMIC_
AGGREGATE
BGPスピーカで,そのピアの一つから重複経路のセットが与えられ,より個別の(specific)経路を選択しないで,より個別ではない経路を選択する場合,ローカルシステムはそのほかのBGPスピーカへ経路を伝えるときに経路にATOMIC_AGGREGATE属性を付加すべきです。 ピアの一つから重複経路を受信して個別ではない経路だけをインストールします。それをそのほかのBGPスピーカへ伝えるときは経路にATOMIC_AGGREGATE属性を付加しません。
コネクション
衝突の発見
BGP識別子の値に基づいて,衝突が発生したときにどちらのBGPコネクションを残すかの協定が行われます。協定とは,衝突に関係するピアのBGP識別子を比較し,より高い値のBGP識別子を持つBGPスピーカによって開始されたコネクションだけを保持することを意味します。 BGP識別子でなく,ピアリングのIPアドレスで行います。
バージョンネゴシエーション BGPスピーカは,それぞれがサポートする最高のバージョンからはじめ,BGPコネクションのオープンを複数回試みることによって,プロトコルのバージョンを取り決められます。 BGPバージョン4だけサポートします。
BGP FSM:IDLE状態 エラーのためにIdle状態へ遷移したピアについて,続くStartまでの間の時間は(Startイベントが自動的に生成されるなら),指数的に増大するべきです。その最初のタイマ値は60秒です。時間はリトライごとに2倍にされるべきです。 Idle状態からstartまでの間の最初のタイマは32〜52秒です。
BGP FSM:Active状態 トランスポート・プロトコル・コネクションが成功した場合,ローカルシステムはConnectRetryタイマをクリアし,初期設定を完了します。その後,そのピアへOPENメッセージを送信してそのHoldタイマをセットし,状態をOpenSentに変更します。Holdタイマの値は4分が提案されています。 Holdタイマはデフォルトで180秒(3分),構成定義情報で指定されている場合は構成定義情報の値を使用します。
経路広告の
頻度
MinRouteAdvertisementIntervalは,単一のBGPスピーカからの特定の宛先への経路広告の間隔の最小時間を決めます。このレート制限は宛先ごとに処理されます。しかし,MinRouteAdvertisementIntervalの値は,BGP4ピアごとに設定されます。 MinRouteAdvertisementIntervalはサポートしていません。
MinASOriginationIntervalは,広告するBGPスピーカ自身のAS中の変化を報告するための連続したUPDATEメッセージ広告の間に経過しなければならない最小時間を決めます。 MinASOriginationIntervalはサポートしていません。
ジッタ あるBGPスピーカによるBGPメッセージの配布がピークを含む可能性を最小にするために,MinASOriginationInterval,Keepalive,MinRouteAdvertisementIntervalに関係したタイマにジッタを適用すべきです。 ジッタを適用していません。
BGPタイマ ConnectRetryタイマの提案されている値は120秒です。 ConnectRetry回数によって変化する可変値(32〜148秒)になります。
Hold Timeの提案されている値は90秒です。 デフォルトのHold Timeは180秒になります。構成定義情報にHold Timeが設定されている場合は,その値を使用します。
KeepAliveタイマの提案されている値は30秒です。 Hold Timeの1/3になります。
BGPの実装は,これらのタイマが構成定義情報で定義できなければなりません。 Hold Timeだけが構成定義情報で定義できます。
RFC1965 メンバーAS間ピアに経路情報を広告する場合,AS_PATH属性にタイプAS_CONFED_SEQUENCEで自メンバーAS番号を追加します。 AS_PATH属性にタイプAS_CONFED_SETで自メンバーAS番号を追加します。

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