解説書 Vol.1

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10.4.1 RIP概説

RIP(Routing Information Protocol)は,ネットワークで接続したルータ間で使用するルーティングプロトコルです。各ルータはRIPを使用して自ルータから到達できるネットワークとそのネットワークへのホップ数(メトリック)を通知し合うことによって経路情報を生成します。

本装置はRIPのバージョン1とバージョン2をサポートしています。バージョン0のメッセージを受信した場合は,破棄します。バージョン3以上のメッセージを受信した場合は,バージョン2のメッセージとして扱います。

RIPの機能を次の表に示します。

表10-4 RIPの機能

機能 RIP
triggered update
ホールドダウン
スプリットホライズン
ルートタグ
指定ネクストホップの取り込み

(凡例) ○:取り扱う △:一部取り扱う


<この項の構成>
(1) メッセージの種類
(2) 運用時の処理
(3) ルーティングループの抑止処理

(1) メッセージの種類

RIPで使用するメッセージの種類にはリクエストとレスポンスの2種類があります。ルータがほかのルータに経路情報を要求する場合にはリクエストを使用し,ほかのルータからのリクエストに応答する場合と,定期的またはトポロジ変化時に自分の経路情報をほかのルータに通知する場合にレスポンスを使用します。

(2) 運用時の処理

本装置の立ち上げ時,本装置はリクエストメッセージをすべての隣接ルータに送信し,隣接ルータが持つすべての経路情報を通知するように要求します。

運用に入ると,本装置は次の三つの要因でレスポンスを送信します。

各隣接ルータが送信したレスポンスを受信し,経路の変更を検出した場合は自分が持つ経路情報を更新します。レスポンスは隣接ルータとの送信の確認にも使用します。180秒以上レスポンスを応答しないルータに対しては通信不可能と判断し,代替ルートがあるときはルーティングテーブルをその代替ルートに更新します。代替ルートがないときはルートを削除します。

(3) ルーティングループの抑止処理

なお,本装置は中継経路のループを抑止するためにスプリットホライズンを使用します。スプリットホライズンとは,受信した情報を受け取ったインタフェースには送信しない処理のことです。

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