解説書 Vol.1
本装置でIPアドレスを付与する単位をインタフェースと呼びます。最も基本的な接続形態では,回線に接続するポートに対して一つのインタフェースを設定します。また,本装置は,フレームリレー,ATMのポイント−ポイント接続およびPVCグループ接続などの,1本の回線に接続するポートに対して複数インタフェースを設定して,接続するネットワークを複数の論理的なネットワークとして扱えます。これらの接続では1個のインタフェースに1個のIPアドレスを設定します。ただし,例外としてイーサネットのマルチホーム接続では,1個のインタフェースに複数のIPアドレスを設定できます。
ネットワークへの接続形態は,イーサネットはブロードキャスト型,WANの専用線はポイント−ポイント型です。しかし,フレームリレーやATMなどの論理的なパスを持つメディアには構成定義で設定できます。各メディアのネットワークへの接続形態を次の表に示します。ネットワークへの接続形態によってIPアドレスの付与方法が異なるので,各ケースについて説明します。
メディア種別 ネットワークへの接続形態 デフォルト値 ブロードキャスト型 ポイント−ポイント型 イーサネット ○ − − 専用線 − ○ − フレームリレー ○ ○ ブロードキャスト型 ISDN ○ ○ ブロードキャスト型 ATM ○ ○ ブロードキャスト型 (凡例) ○:サポートする −:該当しない
- <この項の構成>
- (1) イーサネット
- (2) 専用線
- (3) フレームリレー,ATM
- (4) ISDN
(a) ブロードキャスト型の接続
1ポートに対して1個のIPアドレスを設定します。したがって,1物理回線が接続するネットワークが1個のIPサブネットになります。インタフェースとIPサブネットの関係を次の図に示します。
図7-2 インタフェースとIPサブネットの関係(ブロードキャスト接続)
(b) ブロードキャスト型のマルチホーム接続
一つの物理回線に対して,一つのインタフェースを設定し,さらにそのインタフェースに対して複数のIPアドレスを設定します。これによって,1物理回線内でのルーティングができます。インタフェースとIPサブネットの関係を次の図に示します。
図7-3 インタフェースとIPサブネットの関係(マルチホーム接続)
(c) ブロードキャスト型のTag-VLAN連携回線接続
一つの物理回線に対して複数のTag-VLAN連携回線を設定して,さらにそれぞれのTag-VLAN連携回線に一つのインタフェースを設定します。これによって,「(b) ブロードキャスト型のマルチホーム接続」と同様に,1物理回線内でのルーティングができます。インタフェースとIPサブネットの関係を次の図に示します。
図7-4 インタフェースとIPサブネットの関係(Tag-VLAN連携回線接続)
(a) ポイント−ポイント型の接続(非多重)
1ポートに対して1個のIPアドレスを設定します。インタフェースとIPアドレスの関係を次の図に示します。ポイント−ポイント型の接続は本装置および「解説書 Vol.2 9.4 IPルータとの接続」に記載された装置間で接続できます。
図7-5 インタフェースとIPアドレスの関係(専用線(非多重))
(b) ポイント−ポイント型の接続(多重)
1タイムスロットに対して1個のIPアドレスを設定します。インタフェースとIPアドレスの関係を次の図に示します。ポイント−ポイント型の接続は本装置および「解説書 Vol.2 9.4 IPルータとの接続」に記載された装置間で接続できます。
図7-6 インタフェースとIPアドレスの関係(専用線(多重))
(a) ブロードキャスト型の接続
1ポートに対して1個のIPアドレスを設定します。したがって,1物理回線下のPVCはすべて同一のIPサブネットに収容されます。インタフェースとIPアドレスの関係を次の図に示します。
図7-7 インタフェースとIPアドレスの関係(フレームリレー,ATMのブロードキャスト型接続)
(b) ブロードキャスト型のグループによる接続
同一物理回線内で1本以上の任意のPVCをグルーピングし,一つのインタフェースとします。この場合,グルーピングされたPVCは同一のIPサブネットに収容されます。インタフェースとIPサブネットの関係を次の図に示します。
図7-8 インタフェースとIPサブネットの関係(フレームリレー,ATMの場合のグループによる接続)
(c) ポイント−ポイント型接続
1本のPVCに1個のIPアドレスを設定し,1インタフェースとします。インタフェースとIPアドレスの関係を次の図に示します。ポイント−ポイント型の接続は本装置および「解説書 Vol.2 9.4 IPルータとの接続」に記載された装置間でできます。
図7-9 インタフェースとIPアドレスの関係(フレームリレー,ATMの場合のポイント−ポイント接続)
(a) ブロードキャスト型の接続
複数通信相手のグループに対して1個のIPアドレスを設定します。インタフェースとIPアドレスの関係を次の図に示します。詳細は「5.4.2 ISDNチャネルとインタフェース」を参照してください。
図7-10 インタフェースとIPアドレスの関係(ISDNのブロードキャスト型接続)
(b) ポイント−ポイント型接続
1通信相手に対して1個のIPアドレスを設定します。インタフェースとIPアドレスの関係を次の図に示します。詳細は「5.4.2 ISDNチャネルとインタフェース」を参照してください。
図7-11 インタフェースとIPアドレスの関係(ISDNのポイント−ポイント型接続)
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