解説書 Vol.1

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5.4.2 ISDNチャネルとインタフェース

ISDNチャネルを複数の通信相手で使用するときの,ISDNチャネルとインタフェースについて説明します。

<この項の構成>
(1) ISDNチャネルの管理方法
(2) ISDNのインタフェースと物理メディアの対応づけ
(3) ISDNネットワークモデル
(4) インタフェースUP/DOWN

(1) ISDNチャネルの管理方法

本装置では,1本または複数本のISDN回線上のチャネル(=64kbit/sのタイムスロット)の一部または全部をグルーピングしたISDNプールと通信相手の対応づけを行うことで,ISDNチャネルを複数通信相手でシェアできます。1本のISDN回線を使用した例を次の図に示します。

図5-45 ISDN回線,ISDNプール,接続相手との対応づけ

[図データ]

この方式はISDNプール内に収容するチャネル番号を指定するのではなく,チャネル数を指定して指定チャネル数を超えない範囲で空きチャネルを使用する方式なので,ISDNプールと使用するチャネルの対応は動的に決定します。

複数のISDN回線上でISDNプールを作成する場合は,複数ISDN回線のグループであるLineグループを定義し,この上にISDNプールを定義して実現します。なお,この場合は複数ISDN回線をDチャネル共用させるか,代表電話番号の契約をする必要があります。

ISDNプール,回線,およびチャネルの対応は動的に決定します。したがって,接続相手とISDN回線およびチャネル番号の対応は固定的に決定しません。

複数回線使用時のISDN回線,ISDNプール,接続相手との対応づけの概念を次の図に示します。

図5-46 複数回線使用時のISDN回線,ISDNプール,接続相手との対応づけの概念

[図データ]

LineグループとISDNプールの仕様を次の表に示します。

表5-34 LineグループとISDNプール仕様

項目 仕様
Lineグループ仕様
  • 基本,一次群を混在できます。
  • 基本回線(Point-Point),基本回線(Point-Multipoint)を混在できます。
  • 最大16Line/RPをグルーピングできます。
  • グルーピングの組み合わせ
    代表電話番号の回線群
    Dch共用する回線群
    Dch共用が含まれる代表電話番号の回線群
ISDNプール仕様
  • 最大ISDNプール数は96/装置
  • 指定できるチャネル数は1〜255
通信相手
  • 最大通信相手数は1024/装置
ISDNプールと物理回線の対応
  • ISDNプールを対応づけられるのは一つの物理回線,または一つのLineグループのどちらか一方です。
  • 1物理回線,1Lineグループを複数のISDNプールで共用できます。
  • ISDNプールのチャネル数の合計が配下の1物理回線,1Lineグループの実チャネル数を超えないようにしてください。
通信相手とISDNプールの対応
  • 一つの通信相手には一つのISDNプールだけを対応づけられます。
  • 一つのISDNプールを複数の通信相手で共用できます。
  • 使用する通信チャネル種類(B,H0,H1)は通信相手単位で指定できます。

注※ ISDNプールの使用するチャネル数より多くの通信相手で共用できます。同時に接続できるのはチャネル数によって制限されます。


(2) ISDNのインタフェースと物理メディアの対応づけ

本装置では,IP/IPv6/IPXなどのネットワークレイヤプロトコルが通信インタフェースとして認識するインタフェースをインタフェースと呼びます。インタフェースの概念を次の図に示します。

図5-47 インタフェースの概念

[図データ]

本装置では,ISDNの通信相手を管理する通信相手情報(ISDN_PPP)が使用するISDNプールを任意に選択できます。このため,インタフェースと物理メディアの対応づけの自由度が高く,多彩なネットワークを構築できます。インタフェースと物理メディアの対応づけの概念(ISDN)を次の図に示します。なお,一つのISDN_PPPが同時に複数のISDNプールを選択できません。

図5-48 インタフェースと物理メディアの対応づけの概念(ISDN)

[図データ]

(3) ISDNネットワークモデル

ISDN回線の場合のインタフェースと物理ポートとの対応に着目し,ISDN接続形態を説明します。

ISDNでは,インタフェースと通信相手が1:1に対応するポイント−ポイント接続と,インタフェースと通信相手が1:nで対応付くブロードキャスト接続の二つの接続形態を使用できます。また,ISDNプールとインタフェースは独立しており,一つのISDNプールを複数のインタフェースで共用できます。

ISDN接続時のポイント−ポイント接続を「図5-49 ポイント−ポイント接続」に,ブロードキャスト型接続を「図5-50 ブロードキャスト接続」に示します。

図5-49 ポイント−ポイント接続

[図データ]

図5-50 ブロードキャスト接続

[図データ]

(4) インタフェースUP/DOWN

ISDNネットワークモデルごとのインタフェースUP/DOWNの条件を次の表に示します。

表5-35 ISDNネットワークモデルごとのインタフェースUP/DOWNの条件

ネットワークモデル インタフェース
UP条件 DOWN条件
ブロードキャスト型 インタフェース配下でUPした物理回線(Line)がある。 インタフェース配下でUPした物理回線(Line)がない。
ポイント−ポイント型 通信相手は発信可能で使用できる回線がある。 通信相手は発信可能で使用できる回線がない。
通信相手は発信不可で該当する通信相手と接続済みのチャネルがある。 通信相手は発信不可で該当する通信相手と接続済みのチャネルがない。

注※ D-ch共用している場合はD-chを保持している回線の状態を示します。


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