解説書 Vol.1

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5.5.4 オーバーロード使用時の注意事項

<この項の構成>
(1) オーバーロード使用率測定期間設定
(2) 独自手順オーバーロードでのパケット順序逆転
(3) オーバーロード時の注意点
(4) オーバーロードの対象の専用線

(1) オーバーロード使用率測定期間設定

オーバーロード使用率測定期間ごとにオーバーロード追加/削除の要否を判定するため,輻輳トラフィックの発生と測定期間の開始が同期しません。したがって,オーバーロード使用率測定期間を長く設定すると,輻輳トラフィック発生とオーバーロード回線の追加を行うまでの時差が大きくなるので注意が必要です。オーバーロード測定期間についての注意を次の図に示します。

図5-60 オーバーロード測定期間についての注意

[図データ]

(2) 独自手順オーバーロードでのパケット順序逆転

独自手順オーバーロードでは,通信相手側でパケットの到着順序が逆転することがあります。このため,順序逆転に対応できない上位プロトコルまたはアプリケーションの通信にオーバーロード機能を使用できません。

また,オーバーロードを行うインタフェース間の速度や遅延時間が異なる場合,上位プロトコルやアプリケーションのトラフィック特性(ウィンドウサイズなど)によっては,低速インタフェースの影響によってオーバーロードの効果が出ない場合や逆にスループットが低下する場合があります。このため,独自手順オーバーロードは異速度回線を束ねたオーバーローディングを実現できますが,原則として速度や遅延時間の異なるインタフェースを使用したオーバーロードは行わないでください。また,どうしても速度や遅延時間の異なるインタフェースを使用したオーバーロードが必要な場合は,アプリケーションまで含めたシステム全体の検証を十分行うとともに,実測による評価が必要です。

速度インタフェース混在時のスループット低下を次の図に示します。

図5-61 異速度インタフェース混在時のスループット低下

[図データ]

(3) オーバーロード時の注意点

専用線を主回線としたオーバーロードに物理ポートバックアップを定義しない(「Resource BOD」設定を有効にしない)場合,次の点に注意してください。

オーバーロードの設定を行う場合,次の点に注意してください。

(4) オーバーロードの対象の専用線

オーバーロードの制御対象となる専用線は海外規格またはPOSではない専用線,レイヤ2にPPPを適用します。バックアップ,オーバーロードの制御対象外の専用線を次の表に示します。

表5-42 バックアップ,オーバーロードの制御対象外の専用線

種別 規格
高速デジタル T1 ANSI T1.403
E1 ITU-T G703
T3 ITU-T G703
OC-3c/STM-1 ITU-T G.957/G.958
Bellcore
GR-253-CORE
OC-12c/STM-4 ITU-T G.957/G.958
Bellcore
GR-253-CORE
OC-48c/STM-16 ITU-T G.957/G.958
Bellcore
GR-253-CORE

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