解説書 Vol.1
- <この項の構成>
- (1) 異常課金の確認
- (2) ネットワークレイヤ適用時の注意事項
- (3) 発呼規制
- (4) 物理回線のチャネル数とISDNプールのチャネル数設定
ISDN回線で異常課金発生要因の確認方法と対策を次の表に示します。実際の運用環境で,想定以上の高額な課金がかかっていないことを運用前に日本電信電話株式会社などに確認してください。
異常課金発生例 確認方法 対策 PAP,CHAP認証を行う接続相手からの着信
→オーバーロードポート数超えで呼切断の繰り返しログ情報で現象が発生していないことを確認します。 自局と相手局でオーバーロードポート数の設定が合っていないことが考えられます。オーバーロードポート数の設定を合わせてください。 PAP/CHAP認証接続する相手からの着信
→認証誤りで呼切断の繰り返しログ情報で現象が発生していないことを確認します。 不正なユーザから着信している,またはPAP/CHAPの認証IDまたはパスワードの設定誤りが考えられます。設定を確認してください。 PPPネゴシエーション失敗
→呼切断の繰り返しログ情報で現象が発生していないことを確認します。 自局と相手局でPPP接続条件が合っていないことが考えられます。PPP接続条件を合わせてください。 エンド−エンド間のアプリケーションやプロトコルが送受信する制御パケットによって,ISDNが切断しない トラフィックがかかっていない環境で,自動切断機能で自動切断され,不要な発呼が発生しないことを確認します。 通信相手単位のフレームトレース機能などで,想定外のISDN接続の要因になっているデータを割り出して,対策してください。
ISDN回線で適用するネットワークレイヤプロトコルごとの注意事項を次の表に示します。
ネットワーク
レイヤプロトコル注意点 IP
- インタフェースの型がブロードキャスト型の場合はスタティックフォワーディングだけ設定できます。
IPv6
- インタフェースの型がブロードキャスト型の場合はIPv6を適用できません。
- 回線バックアップ,オーバーロードはIRv6を適用できません。
IPX
- インタフェースの型がブロードキャスト型の場合はスタティックフォワーディングだけ設定できます。
ブリッジ
- インタフェースの型がポイント−ポイント型の場合は適用できますが,発呼に時間がかかるために,接続遅延が発生し上位プロトコルによっては切断される可能性があります。このため,無通信監視を使用しないバックアップ接続の使用だけをお勧めします。
- インタフェースの型がブロードキャスト型の場合はブリッジ適用できません。
ISDN回線では,同一電話番号に連続して規定回数(3回)発呼しても接続できなかった場合,その電話番号への発呼を規定時間(3分間)抑止する必要があります。このため,何らかの要因によって発呼規制状態の通信相手への送信データが発生しても,ISDNへの発呼が行えない場合があります。なお,通信相手指定のshow peerコマンドによって,発呼規制状態にあるかどうかを確認できます。
(4) 物理回線のチャネル数とISDNプールのチャネル数設定
ISDNプールに収容するチャネル数は,ISDNプール定義を付加する1物理回線またはLineグループのBチャネル数を超えないようにしてください。物理回線のチャネル数とISDNプールのチャネル数設定を次の図に示します。
図5-52 物理回線のチャネル数とISDNプールのチャネル数設定
ISDNプール定義を付加する1物理回線またはLineグループのBチャネル数を超える構成で使用しても,1物理回線またはLineグループのBチャネル数を超えた接続はできません。なお,1物理回線またはLineグループのBチャネル数を超えて通信相手へ接続する必要が生じた場合,次のエラーを検出します。
メッセージ識別子: 04000002,This router has failed to originate a call. (Telephone number. 電話番号/サブアドレス) 付加情報: 1130:**********22,発信に使用できるチャネルがない(ただし,*は不定値)
Copyright (c)2005 ALAXALA Networks Corporation. All rights reserved.