解説書 Vol.2

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6.5 RMON MIB

RMON(Remote Network Monitoring)とは,イーサネット統計情報を提供する機能,収集した統計情報の閾値チェックを行ってイベントを発生させる機能,パケットをキャプチャする機能などを持ちます。このRMONはRFC1757で規定されています。

RMON MIBのうち,statistics,history,alarm,eventの各グループについて概要を説明します。

<この節の構成>
(1) statisticsグループ
(2) historyグループ
(3) alarmグループ
(4) eventグループ

(1) statisticsグループ

監視対象のサブネットワークについての,基本的な統計情報を収集します。例えば,サブネットワーク中の総パケット数,ブロードキャストパケットのような各種類ごとのパケット数,CRCエラー,コリジョンエラーなどのエラー数などです。statisticsグループを使うと,サブネットワークのトラフィック状況や回線状態などの統計情報を取得できます。本装置では,イーサネット,ギガビット・イーサネットの回線で情報を取得します。

(2) historyグループ

statisticsグループで収集する情報とほぼ同じ統計情報をサンプリングし,来歴情報として保持できます。

historyグループにはhistoryControlTableという制御テーブルと,etherHistoryTableというデータテーブルがあります。historyControlTableはサンプリング間隔や来歴記録数の設定を行うためのMIBです。

etherHistoryTableは,サンプリングした統計情報の来歴記録のMIBです。historyグループは,一定期間の統計情報を装置内で保持しています。このため,SNMPマネージャなどが定期的にポーリングして統計情報を収集するのと比較して,ネットワークに負荷をかけることが少なく,連続した一定期間の統計情報を取得できます。

(3) alarmグループ

監視対象とするMIBのチェック間隔,閾値などを設定して,そのMIBが閾値に達した時にログを記録したり,SNMPマネージャにトラップを発行したりすることを指定するMIBです。

このalarmグループは,例えば,サンプルタイムとして設定した5分間のうちに,パケットを取りこぼすという状態が10回以上検出したときにログを収集したり,SNMPマネージャにトラップを発行したりできます。このalarmグループを使用するときは,eventグループも設定する必要があります。

(4) eventグループ

eventグループにはalarmグループで設定したMIBの閾値を超えたときの動作を指定するeventTableグループMIBと閾値を超えた時にログを記録するlogTableグループMIBがあります。

eventTableグループMIBは,閾値に達した時にログを記録するのか,SNMPマネージャにトラップを発行するのか,またはその両方するか何もしないかを設定するためのMIBです。

logTableグループMIBは,eventTableグループMIBでログの記録を指定したときに,装置内にログを記録します。装置内のログのエントリ数は決まっているので,エントリをオーバーした場合,新しいログ情報の追加によって,古いログ情報が消去されていきます。定期的にSNMPマネージャに記録を退避しないと,前のログが消されてしまう可能性がありますので注意してください。

RMONは,JP1/Cm2やHP OpenVeiwなどのSNMPマネージャでも使用できますが,専用のRMONマネージャを使用すれば,より有効にRMONを活用できます。ただし,RMONマネージャによっては,本装置で使用できないものがありますので事前にテストしてから利用してください。

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