解説書 Vol.2

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4.5.2 スパニングツリー・トポロジ管理

<この項の構成>
(1) スパニングツリー・トポロジの変更
(2) スパニングツリー・インタフェースのイネーブル/ディスエーブル
(3) スパニングツリー情報の表示
(4) スパニングツリーの初期化
(5) タイマ値

(1) スパニングツリー・トポロジの変更

構成定義情報をデフォルトに設定してスパニングツリー・アルゴリズムを実行してもブリッジ接続されたイーサネット/WANに論理的木構造(スパニングツリー)は構築されます。しかし,意図的にあるトポロジにしたい場合には次の三つのパラメータによって調整できます。

  1. ブリッジ・プライオリティ
    どのブリッジがルート・ブリッジになるかを決定するパラメータです。ブリッジ・プライオリティの値が最も小さいブリッジがルート・ブリッジになります。
  2. 各ポートに対するコスト
    各ポートからルート・ブリッジまでの経路コストを計算するためのパラメータです。ルート・ブリッジまでの経路コストが最小であるポートがルート・ポートになります。
  3. ポート・プライオリティ
    ルート・ブリッジまでの経路コストが同一の場合,ポート・プライオリティの値が小さいインタフェースがルート・ポートになります。

これらのパラメータは本装置のリスタートなしで変更できます。ただし,すべてのES間の通信は一時中断しますので注意してください。

(2) スパニングツリー・インタフェースのイネーブル/ディスエーブル

スパニングツリー・アルゴリズムを実行しているポートについて,ブリッジ中継動作をイネーブルまたはディスエーブルできます。

このパラメータは本装置のリスタートなしで変更できます。ただし,すべてのES間の通信は一時中断しますので注意してください。

(3) スパニングツリー情報の表示

show spanning-treeコマンドによって現在のスパニングツリー・トポロジを表示できます。なお,スパニングツリー・アルゴリズムは分散処理アルゴリズムであるため,このコマンドで表示されるのは該当する装置の情報だけです。ネットワーク全体のスパニングツリー・トポロジはほかのブリッジの情報と合わせて見てください。このコマンドの実行は,スパニングツリー・アルゴリズムの実行またはES間の通信には影響ありません。

(4) スパニングツリーの初期化

restart bridgeコマンドの入力によって,スパニングツリー・トポロジを再計算します。通常このコマンドを使用する必要はありません。しかし,何らかの原因でネットワーク上のほかのブリッジとの間でスパニングツリー・トポロジの矛盾が生じた場合などに使用できます。このコマンドを使用すれば,本装置のリスタートなしでスパニングツリー・トポロジを再計算できます。ただし,このコマンドの実行によってES間の通信は一時中断しますので注意してください。

(5) タイマ値

スパニングツリープロトコルを使用する場合は,ブリッジ接続するすべてのルータおよびブリッジで同一の規格(IEEE802.1)のスパニングツリープロトコルを使用してください。また,本装置のスパニングツリーに使用するタイマ値は,デフォルトでは通常のブリッジ装置より早めに動作するように設定されています。本装置以外のブリッジ装置と混在させたネットワークで運用する場合,他装置との関係で不都合があればspanningtree構成定義でタイマ値を調整してください。スパニングツリーに使用するタイマ値を次の表に示します。

表4-2 スパニングツリーに使用するタイマ値

タイマー種別 本装置のデフォルト値 通常のデフォルト値
Max age time 18 20
Forward delay time 10 15

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