解説書 Vol.2

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3.5.2 ウォッチドッグ・パケットの制御

NetWareではサーバにログインしたクライアントが無通信状態となったとき,サーバからクライアントに対して接続状態(クライアントの電源オフも含む)を確認するため周期的にウォッチドッグ・パケット(要求)を送信します。

クライアントはウォッチドッグ・パケット(要求)を受信すると,ウォッチドッグ・パケット(応答)をサーバ宛てに返信します。しかし,クライアントがログアウトしないで電源オフした場合は応答パケットは返信されません。このため,サーバはさらに周期的にウォッチドッグ・パケット(要求)を再送信し,応答パケットの返信がない場合,サーバはその無応答のクライアントの接続を解消します。ウォッチドッグ・プロトコルのシーケンスを次の図に示します。

図3-9 ウォッチドッグ・プロトコルのシーケンス

[図データ]

ウォッチドッグ・プロトコルはNCP(Netware Core Protocol)の機能で,要求パケットの送信を中止することはできませんが,Netware3.12J以降のバージョンでは送信開始時間,送信周期,送信回数をサーバの設定によって変更できます。ウォッチドッグ・プロトコルのパラメータ値を次の表に示します。

表3-7 ウォッチドッグ・プロトコルのパラメータ値

パラメータ NetWare3.11J NetWare3.12J,4.1J
ウォッチドッグ送信開始時間(t1) 約5分(固定) 約16秒〜約21分(可変)
ウォッチドッグリトライ間隔(t2) 約1分(固定) 約10秒〜約10.5分(可変)
最大リトライ回数(n) 10回(固定) 5回〜100回(可変)

(凡例) t1,t2,n:「図3-9 ウォッチドッグ・プロトコルのシーケンス」を参照のこと。


<この項の構成>
(1) ウォッチドッグ代理応答機能

(1) ウォッチドッグ代理応答機能

ウォッチドッグ代理応答機能とは,ウォッチドッグの要求に対し,ルータがクライアントに代わって代理応答することで,サーバとルータ間のネットワークのトラフィックを低減させる機能です。この機能は一般にキープアライブ代理応答とも呼ばれることがありますが,本装置ではウォッチドッグ代理応答(Watchdog Spoofing)機能と称します。なお,本装置ではSPXプロトコルによる定期的な接続確認に対する代理応答機能はありません。これらの定期接続確認フレームは単にIPXフレームとして中継されます。

本装置のウォッチドッグ代理応答機能はポートごとに次の中から選択できます。

これらの設定を行うインタフェースは出力インタフェース側です。

(a) ウォッチドッグ代理応答(間引き方式)

間引き方式によるウォッチドッグ代理応答を次の図に示します。

図3-10 間引き方式によるウォッチドッグ代理応答

[図データ]

この図ではサーバからの要求に対して,一定時間(T1)は本装置がサーバに代理応答します。その後一定時間(T2)は本装置のウォッチドッグ・パケットを中継して,サーバ・クライアント間でウォッチドッグ・プロトコルを行わせます。T1,T2は構成定義によって設定できますが,T2ではサーバ−クライアント間でウォッチドッグ・プロトコルを実現させるために,次に示す条件を満足させる必要があります。

 
T2 > t1+t2×n
 (t1,t2の値は「表3-7 ウォッチドッグ・プロトコルのパラメータ値」参照)
 

これによって回線使用は低減します。また,クライアントがログオフしないで停止した場合は,サーバは最大(T1+T2)後,クライアントの停止を認識します。なお,T1,T2の設定は各インタフェース単位ではなく,本装置の装置単位です。

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