解説書 Vol.2
中継機能は受信したパケットをルーティングテーブルに従ってフォワーディングする処理です。
- <この節の構成>
- (1) ルーティングテーブルの内容
- (2) ルーティングテーブルの例
- (3) ルーティングテーブルの検索とパケット中継
ルーティングテーブルは複数個のエントリで構成されており,各エントリは次に示す内容を含んでいます。本装置のルーティングテーブル内容はshow ipx routeコマンドで表示できます。
- Dest. Net :宛先ネットワークアドレス
- Next Hop Net :ネクストホップのネットワークアドレス
- Next Hop Host :ネクストホップのノードアドレス
- IF Name :送出インタフェース名称
- Hops :ホップ数
- Ticks :ティック数
宛先のネットワークにパケットを届けるのに必要な時間。単位は1/18秒。ただし,中継経路の各ネットワークのティック数を加算した値。
- Flags :このエントリの作成が,ダイナミックルーティングによって学習されたもの/スタティック定義されたもの。
システム構成例を次の図に示します。
図3-3 システム構成例
NetWareではネットワークの時間評価値(早い/遅い)としてティック数を使用します。「図3-3 システム構成例」でルータ間のネットワークのティック数が3本とも等しい値と仮定します。この場合,ルータ1はクライアント1からサーバ1への経路として,ルータ1→ルータ2の経路をルーティングテーブルに作成します。ルータ1→ルータ3→ルータ2の経路はルーティングテーブルに作成しません。
本装置は受信したIPXパケットの宛先ネットワークアドレスに該当するエントリをルーティングテーブルから検索します。一致したエントリ内のネクストホップのネットワークアドレスと受信パケットの宛先ネットワークアドレスが一致した場合は,ルータに直接接続されたネットワークアドレスであると判断します。
- 直接接続されたネットワークアドレス宛ての場合
受信パケットの宛先ノードアドレスをMACヘッダの宛先アドレスとして直接接続されたネットワークに送信します。これによって,パケットは宛先のノードに到着します。
- 直接接続されたネットワークアドレス宛てでない場合
一致したエントリ内にあるネクストホップのノードアドレスをMACヘッダの宛先アドレスとして,ネクストホップへのネットワークアドレスに接続しているインタフェースからパケットを送信することによって中継します。
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