運用ガイド
通信障害の原因がATM回線にあると考えられる場合はATMのNIF,Lineなどの状態を以下に従い確認してください。
- <この項の構成>
- (1) 状態確認
- (2) VC接続の確認
(1) 状態確認
(a) NIFの状態確認
show interfacesコマンドによりNIF状態を確認してください。次の表にNIF状態に対する対応を示します。
表7-17 NIF状態の確認/対応
項番 NIF状態 原因 対応 1 active 当該NIFは正常に動作中です。 show interfacesコマンドによりLineの状態を確認し,「表7-18 Line状態の確認/対応」の対応にしたがってください。 2 mismatch 実装しているNIFでは,当該NIF配下に構成定義されているLineを使用することはできません(実装されているNIFとLineの構成定義情報が不一致です)。 実装しているNIFが間違っていないか,またはLineの構成定義情報が間違っていないか確認してください。 3 unused 当該NIF配下にLineの構成定義情報が設定されていません。 使用するLineの構成定義情報を設定してください。 4 closed close nifコマンドにより当該NIFの運用が停止されています。 使用するNIFボードが実装されていることを確認の上,freeコマンドにより当該NIFを運用状態にしてください。 5 fault 当該NIFが障害となっています。 show loggingコマンドにより表示される当該Lineのログ情報より,「メッセージ・ログレファレンス 3. 装置関連の障害およびイベント情報」の該当ログ情報を参照し,記載されている[対応]にしたがって対応してください。 6 initialize 当該NIFが障害検出後の再起動中です。 同上 7 locked 構成定義により当該NIFの運用が停止されています。 使用するNIFボードが実装されていることを確認の上,構成定義情報を設定して当該NIFを運用状態にしてください。 (b) Lineの状態確認
show interfacesコマンドによりLine状態を確認してください。次の表にLine状態に対する対応を示します。
表7-18 Line状態の確認/対応
項番 Line状態 原因 対応 1 active up 当該Lineは正常に動作中です。 show atmコマンドによりVCの状態を確認し,「表7-19 VC状態の確認/対応」の対応にしたがってください。 2 active down 当該Lineに回線障害が発生しています。 show loggingコマンドにより表示される当該Lineのログ情報より,「メッセージ・ログレファレンス 3. 装置関連の障害およびイベント情報」の該当ログ情報を参照し,記載されている[対応]にしたがって対応してください。 3 mismatch 実装しているLineでは,当該Line配下に構成定義されているLineを使用することはできません。 実装しているLineが正しいか,またはLineの構成定義情報が正しいか確認してください。 4 unused 当該Line配下にLineの構成定義情報が設定されていません。 使用するLineの構成定義情報を設定してください。 5 closed closeコマンドにより当該Lineの運用が停止されています。または,未サポートサービスカテゴリパターンが指定されています。 使用するLineにケーブルが実装されていることを確認の上,freeコマンドにより当該Lineを運用状態にしてください。未サポートサービスカテゴリパターンを指定している場合,サポートパターンに変更してください。 6 test test interfacesコマンドにより,当該Lineは回線テスト中です。 通信を再開する場合は,no test interfacesコマンドにより回線テストを停止してください。 7 fault 当該Lineの回線部分のハードウェアが障害となっています。 show loggingコマンドにより表示される当該Lineのログ情報より,「メッセージ・ログレファレンス 3. 装置関連の障害およびイベント情報」の該当ログ情報を参照し,記載されている[対応]にしたがって対応してください。 8 initialize 当該Lineが障害検出後の再起動中です。 同上 9 locked 構成定義により当該Lineの運用が停止されています。 使用するLineにケーブルが接続されていることを確認の上,構成定義情報を設定して当該Lineを運用状態にしてください。 (c) VCの状態確認
show atmコマンドによりVC状態を確認してください。次の表にVC状態に対する対応を示します。
表7-19 VC状態の確認/対応
項番 VC状態 原因 対応 1 up 当該VCは正常に動作中です。 ping atmコマンドで相手装置との接続を確認してください。 2 locked 当該VCは構成定義情報により非運用状態です。 運用を開始する場合は,構成定義コマンドvcにより当該VCを運用状態にしてください。 3 closed 次のことが考えられます。
- closeコマンドにより当該VCの運用が停止されています。
- test interfacesコマンドにより,当該VCを含むLineは回線テスト中です。
- 当該VCはIPインタフェースとして構成定義されていません。
それぞれの原因に対して,次にように対応してください。
- freeコマンドによりVCを運用状態にしてください。
- 通信を再開する場合は,no test interfacesコマンドにより回線テストを停止してください。
- 構成定義コマンドipによりインタフェースを定義してください。
4 fault 次のことが考えられます。
- NIF状態が”active”でLine状態が”active up”の場合,ATMネットワーク内での障害,または相手装置が電源OFFまたは障害が発生している可能性があります。
- NIF状態またはLine状態が”fault”の場合,NIF状態またはLine状態がfaultになったことによるものです。
それぞれの原因に対して,次にように対応してください。
- ATMネットワークの状態および相手装置の動作状態を確認してください。
- show loggingコマンドにより表示される当該Lineのログ情報より,「メッセージ・ログレファレンス 3. 装置関連の障害およびイベント情報」の該当ログ情報を参照し,記載されている[対応]にしたがって対応してください。
5 initialize 当該VCが障害検出後の再起動中です。 同上
(2) VC接続の確認
ping atmコマンドによりVCの疎通を確認することができます。本コマンドはF5 OAM Loopbackセルをサポートしている装置との間で実行可能です。
「図7-8 ping atmコマンドの実行結果(疎通可能な状態)」に相手装置との間で当該VCが通信可能な状態である場合の実行結果を,また「図7-9 ping atmコマンドの実行結果(疎通不可な状態)」に通信ができない場合の実行結果を示します。
図7-8 ping atmコマンドの実行結果(疎通可能な状態)
> ping atm nif 0 line 0 vpivci 0 32 Data Received OAM-seq=0 Data Received OAM-seq=1 Data Received OAM-seq=2 Data Received OAM-seq=3 Data Received OAM-seq=4 >図7-9 ping atmコマンドの実行結果(疎通不可な状態)
> ping atm nif 0 line 0 vpivci 0 32 Timeout OAM-seq=0 Timeout OAM-seq=1 Timeout OAM-seq=2 Timeout OAM-seq=3 Timeout OAM-seq=4 >表7-20 VC状態の確認/対応
項番 ping atmコマンド結果 原因 対応 1 疎通可 次のことが考えられます。
- ATM上のカプセル化方式が一致していない可能性があります。
- ダイナミックなアドレス解決が失敗している可能性があります。
- IPレイヤ以上で通信不可となっている可能性があります。
それぞれの原因に対して,次にように対応してください。
- 本装置と相手装置の間でカプセル化方式が一致するよう,構成定義情報の設定を合わせてください。
- show ip arpコマンドで対応するエントリがあることを確認してください。エントリがなければ,構成定義コマンドarpでアドレス解決情報を構成定義してください。
- 「7.5.1 通信ができない,または切断されている」を参照してください。
2 疎通不可 本装置,ATMネットワーク内の中継装置,または相手装置でVPI/VCIの設定が誤っている可能性があります。 本装置および相手装置のVPI/VCIの設定が誤っていないか確認してください。また,キャリアのサービスに接続する場合,契約したVPI/VCIの範囲を確認してください。
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