コンフィグレーションガイド Vol.2


27.1.3 ドメインの設計

CFMを使用する際には,まずドメインを設計します。ドメインの構成と階層構造を設計し,次に個々のドメインの詳細設計をします。

ドメインの設計には,レベル,MA,MEPおよびMIPの設定が必要です。

〈この項の構成〉

(1) ドメインの構成と階層構造の設計

ドメインの境界となるMAのポートをMEPに設定して,低いドメインと重なるポートをMIPに設定します。次に示す図の構成例を基に,ドメインの構成および階層構造の設計手順を示します。

図27‒12 構成例

[図データ]

事業者A,事業者B,事業者全体,ユーザという単位でドメインを設計して,区分に応じたレベルを設定します。また,次の項目を想定しています。

ドメインの設計は,次に示すように低いレベルから順に設定します。

■ レベル1,2の設定

  1. レベル1でMA 10を設定します。

    この例では,一つのドメインを一つのMAで管理していますが,ドメイン内をグループ単位に分けて詳細に管理したい場合は,管理する単位でMAを設定します。

  2. ドメインの境界に当たる装置B,Dで,MAのポートにMEPを設定します。

    事業者はユーザに提供するポートを含めた接続性を管理するため,Up MEPを設定します。

  3. レベル2も同様に,MAを設定して,装置E,GにUp MEPを設定します。

    図27‒13 レベル1,2の設定

    [図データ]

■ レベル4の設定

  1. レベル4でMA 30を設定します。

  2. レベル4の境界に当たる装置B,Gで,MAのポートにMEPを設定します。

    事業者はユーザに提供するポートを含めた接続性を管理するため,Up MEPを設定します。

  3. レベル4はレベル1と2を包含しているため,それぞれの中継点である装置D,EにMIPを設定します。

    低いドメインのMEPを高いドメインでMIPに設定すると,LoopbackやLinktraceを使って自分で管理するドメインでの問題か,低いレベルで管理するドメインでの問題かを切り分けられるため,調査範囲を特定しやすくなります。

    図27‒14 レベル4の設定

    [図データ]

■ レベル7の設定

  1. レベル7でMA 40を設定します。

  2. レベル7の境界に当たるA,Hで,MAのポートにMEPを設定します。

    ユーザは事業者から提供される回線の接続性を管理するため,Down MEPを設定します。

  3. レベル7はレベル4を包含しているため,中継点である装置B,GにMIPを設定します。

    レベル1と2はレベル4の中継点として設定しているため,レベル7では設定する必要はありません。

    図27‒15 レベル7の設定

    [図データ]

(2) 個々のドメインの詳細設計

個々の詳細設計では,Loopback,Linktraceを適用したい個所にMIPを設定します。

MIP設定前の構成およびMIP設定後の構成の例を次の図に示します。

図27‒16 MIP設定前の構成例

[図データ]

図27‒17 MIP設定後の構成例

[図データ]

ドメインの内側でLoopback,Linktraceの宛先にしたいポートをMIPに設定します。この例では,装置B,DにMIPを設定しています。この設定によって装置B,DのMIPに対し,Loopback,Linktraceを実行できます。また,Linktraceのルート情報として応答を返すようになります。

MIPを設定していない装置CはLoopback,Linktraceの宛先として指定できません。また,Linktraceに応答しないためルート情報に装置Cの情報は含まれません。

(3) ドメインの構成例

ドメインは階層的に設定できますが,階層構造の内側が低いレベル,外側が高いレベルとなるように設定する必要があります。

ドメインの構成例と構成の可否を次の表に示します。

表27‒8 ドメインの構成例と構成の可否

構成状態

構成例

構成の可否

ドメインの隣接

[図データ]

ドメインの接触

[図データ]

ドメインのネスト

[図データ]

ドメインの隣接とネストの組み合わせ

[図データ]

ドメインの交差

[図データ]

不可