コンフィグレーションガイド Vol.2


27.1.4 Continuity Check

Continuity Check(CC)はMEP間の接続性を常時監視する機能です。MA内の全MEPがCCM(Continuity Check Message。CFM PDUの一種)を送受信し合って,MA内のMEPを学習します。MEPの学習内容はLoopback,Linktraceでも使用します。

〈この項の構成〉

(1) CCで検出する障害

CCを動作させている装置でCCMを受信しなくなったり,該当装置のMA内のポートが通信できない状態になったりした場合に,障害が発生したと見なします。この際,障害検出フラグを立てたCCMを送信して,MA内のMEPに通知します。

IEEE802.1agのCCで検出する障害を次の表に示します。IEEE802.1agのCCで検出する障害には障害レベルがあります。本装置の初期状態では,障害レベル2以上を検出します。

表27‒9 IEEE802.1agのCCで検出する障害

障害レベル

障害内容

初期状態

5

ドメイン,MAが異なるCCMを受信した。

検出する

4

MEP IDまたは送信間隔が誤っているCCMを受信した。

3

CCMを受信しなくなった。

2

該当装置のポートが通信できない状態になった。

1

障害検出通知のCCMを受信した。

Remote Defect Indication

検出しない

障害回復契機から障害回復監視時間が経過したあと,障害が回復したと見なします。

表27‒10 IEEE802.1agの障害回復契機と障害回復監視時間

障害レベル

障害回復契機

障害回復監視時間

5

ドメイン,MAが異なるCCMを受信しなくなった。

受信していたCCMの送信間隔×3.5

4

MEP IDまたは送信間隔が誤っているCCMを受信しなくなった。

3

CCMを再び受信した。

受信した直後から

2

該当装置のポートが通信できる状態になったCCMを受信した。

1

障害未検出のCCMを受信した。

ITU-T Y.1731のCCで検出する障害を次に示します。なお,ITU-T Y.1731のCCで検出する障害には障害レベルがありません。

障害回復契機から障害回復監視時間が経過したあと,障害が回復したと見なします。

表27‒11 ITU-T Y.1731の障害回復契機と障害回復監視時間

障害回復契機

障害回復監視時間

MAIDが異なるCCMを受信しなくなった。

受信していたCCMの送信間隔×3.5

レベルが不正なCCMを受信しなくなった。

MEP IDが誤っているCCMを受信しなくなった。

CoS値の異なるCCMを受信しなくなった。

送信間隔が誤っているCCMを受信しなくなった。

CCMを再び受信した。

受信した直後から

(2) CCの動作

次の図の装置Bに着目してCCの動作例を示します。

各MEPはマルチキャストでMA内にCCMを定期的に送信します。各MEPのCCMを定期的に受信することで常時接続性を監視します。

図27‒18 CCでの常時接続性の監視

[図データ]

装置AのCCMが装置の故障またはネットワーク上の障害によって装置Bに届かなくなると,装置Bは装置Aとのネットワーク上の障害として検出します。

図27‒19 CCで障害を検出

[図データ]

障害を検出した装置Bは,MA内の全MEPに対して,障害を検出したことを通知します。

図27‒20 障害を全MEPに通知

[図データ]

障害検出通知のCCMを受信した各MEPは,MA内のどこかで障害が発生したことを認識します。各装置でLoopback,Linktraceを実行することによって,MA内のどのルートで障害が発生したのかを確認できます。