コンフィグレーションガイド Vol.2
Continuity Check(CC)はMEP間の接続性を常時監視する機能です。MA内の全MEPがCCM(Continuity Check Message。CFM PDUの一種)を送受信し合って,MA内のMEPを学習します。MEPの学習内容はLoopback,Linktraceでも使用します。
- <この項の構成>
- (1) CCで検出する障害
- (2) CCの動作
(1) CCで検出する障害
CCを動作させている装置でCCMを受信しなくなったり,該当装置のMA内のポートが通信できない状態になったりした場合に,障害が発生したと見なします。この際,障害検出フラグを立てたCCMを送信して,MA内のMEPに通知します。
IEEE802.1agのCCで検出する障害を次の表に示します。IEEE802.1agのCCで検出する障害には障害レベルがあります。本装置の初期状態では,障害レベル2以上を検出します。
表27-9 IEEE802.1agのCCで検出する障害
障害レベル 障害内容 初期状態 5 ドメイン,MAが異なるCCMを受信した。 検出する 4 MEP IDまたは送信間隔が誤っているCCMを受信した。 3 CCMを受信しなくなった。 2 該当装置のポートが通信できない状態になった。 1 障害検出通知のCCMを受信した。
Remote Defect Indication検出しない 障害回復契機から障害回復監視時間が経過したあと,障害が回復したと見なします。
表27-10 IEEE802.1agの障害回復契機と障害回復監視時間
障害レベル 障害回復契機 障害回復監視時間 5 ドメイン,MAが異なるCCMを受信しなくなった。 受信していたCCMの送信間隔×3.5 4 MEP IDまたは送信間隔が誤っているCCMを受信しなくなった。 3 CCMを再び受信した。 受信した直後から 2 該当装置のポートが通信できる状態になったCCMを受信した。 1 障害未検出のCCMを受信した。 ITU-T Y.1731のCCで検出する障害を次に示します。なお,ITU-T Y.1731のCCで検出する障害には障害レベルがありません。
- MAIDが不正なCCMを受信した
- レベルが不正なCCMを受信した
- MEP IDが誤っているCCMを受信した
- CoS値の異なるCCMを受信した
- 送信間隔が誤っているCCMを受信した
- CCMを受信しなくなった
障害回復契機から障害回復監視時間が経過したあと,障害が回復したと見なします。
表27-11 ITU-T Y.1731の障害回復契機と障害回復監視時間
障害回復契機 障害回復監視時間 MAIDが異なるCCMを受信しなくなった。 受信していたCCMの送信間隔×3.5 レベルが不正なCCMを受信しなくなった。 MEP IDが誤っているCCMを受信しなくなった。 CoS値の異なるCCMを受信しなくなった。 送信間隔が誤っているCCMを受信しなくなった。 CCMを再び受信した。 受信した直後から
(2) CCの動作
次の図の装置Bに着目してCCの動作例を示します。
各MEPはマルチキャストでMA内にCCMを定期的に送信します。各MEPのCCMを定期的に受信することで常時接続性を監視します。
図27-18 CCでの常時接続性の監視
装置AのCCMが装置の故障またはネットワーク上の障害によって装置Bに届かなくなると,装置Bは装置Aとのネットワーク上の障害として検出します。
図27-19 CCで障害を検出
障害を検出した装置Bは,MA内の全MEPに対して,障害を検出したことを通知します。
図27-20 障害を全MEPに通知
障害検出通知のCCMを受信した各MEPは,MA内のどこかで障害が発生したことを認識します。各装置でLoopback,Linktraceを実行することによって,MA内のどのルートで障害が発生したのかを確認できます。
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