コンフィグレーションガイド Vol.2
CFMを使用する際には,まずドメインを設計します。ドメインの構成と階層構造を設計し,次に個々のドメインの詳細設計をします。
ドメインの設計には,レベル,MA,MEPおよびMIPの設定が必要です。
- <この項の構成>
- (1) ドメインの構成と階層構造の設計
- (2) 個々のドメインの詳細設計
- (3) ドメインの構成例
(1) ドメインの構成と階層構造の設計
ドメインの境界となるMAのポートをMEPに設定して,低いドメインと重なるポートをMIPに設定します。次に示す図の構成例を基に,ドメインの構成および階層構造の設計手順を示します。
図27-12 構成例
事業者A,事業者B,事業者全体,ユーザという単位でドメインを設計して,区分に応じたレベルを設定します。また,次の項目を想定しています。
- 事業者A,事業者B,事業者全体は,ユーザに提供する回線が利用できることを保証するために,ユーザに提供するポートを含めた接続性を管理
- ユーザは,事業者の提供する回線が使用できるかどうかを監視するために,事業者から提供される回線の接続性を管理
ドメインの設計は,次に示すように低いレベルから順に設定します。
●レベル1,2の設定
- レベル1でMA 10を設定します。
この例では,一つのドメインを一つのMAで管理していますが,ドメイン内をグループ単位に分けて詳細に管理したい場合は,管理する単位でMAを設定します。
- ドメインの境界に当たる装置B,Dで,MAのポートにMEPを設定します。
事業者はユーザに提供するポートを含めた接続性を管理するため,Up MEPを設定します。
- レベル2も同様に,MAを設定して,装置E,GにUp MEPを設定します。
図27-13 レベル1,2の設定
●レベル4の設定
- レベル4でMA 30を設定します。
- レベル4の境界に当たる装置B,Gで,MAのポートにMEPを設定します。
事業者はユーザに提供するポートを含めた接続性を管理するため,Up MEPを設定します。
- レベル4はレベル1と2を包含しているため,それぞれの中継点である装置D,EにMIPを設定します。
低いドメインのMEPを高いドメインでMIPに設定すると,LoopbackやLinktraceを使って自分で管理するドメインでの問題か,低いレベルで管理するドメインでの問題かを切り分けられるため,調査範囲を特定しやすくなります。
図27-14 レベル4の設定
●レベル7の設定
- レベル7でMA 40を設定します。
- レベル7の境界に当たるA,Hで,MAのポートにMEPを設定します。
ユーザは事業者から提供される回線の接続性を管理するため,Down MEPを設定します。
- レベル7はレベル4を包含しているため,中継点である装置B,GにMIPを設定します。
レベル1と2はレベル4の中継点として設定しているため,レベル7では設定する必要はありません。
図27-15 レベル7の設定
(2) 個々のドメインの詳細設計
個々の詳細設計では,Loopback,Linktraceを適用したい個所にMIPを設定します。
MIP設定前の構成およびMIP設定後の構成の例を次の図に示します。
図27-16 MIP設定前の構成例
図27-17 MIP設定後の構成例
ドメインの内側でLoopback,Linktraceの宛先にしたいポートをMIPに設定します。この例では,装置B,DにMIPを設定しています。この設定によって装置B,DのMIPに対し,Loopback,Linktraceを実行できます。また,Linktraceのルート情報として応答を返すようになります。
MIPを設定していない装置CはLoopback,Linktraceの宛先として指定できません。また,Linktraceに応答しないためルート情報に装置Cの情報は含まれません。
(3) ドメインの構成例
ドメインは階層的に設定できますが,階層構造の内側が低いレベル,外側が高いレベルとなるように設定する必要があります。
ドメインの構成例と構成の可否を次の表に示します。
表27-8 ドメインの構成例と構成の可否
構成状態 構成例 構成の可否 ドメインの隣接 ![]()
可 ドメインの接触 ![]()
可 ドメインのネスト ![]()
可 ドメインの隣接とネストの組み合わせ ![]()
可 ドメインの交差 ![]()
不可
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