コンフィグレーションガイド Vol.2


23.1.8 トラック動作

トラッキング機能では,トラックのコンフィグレーションを追加したり変更したりする間,またはBCU起動時や系切替時に,トラッキング連携で動作する制御対象にとって影響が少ないトラック状態に固定し,影響が少ないタイミングでトラックの動作を開始させられます。

〈この項の構成〉

(1) デフォルトトラック状態

デフォルトトラック状態は,系切替時を除くトラック停止時に適用されるトラック状態です。コンフィグレーションコマンドdefault-stateで,トラックごとに設定できます。コンフィグレーションを指定していないトラックのデフォルトトラック状態は,Downです。

コンフィグレーションでトラック種別を指定していないトラックや,コンフィグレーションで停止しているトラックでも,デフォルトトラック状態のコンフィグレーションは有効です。つまり,リスト監視トラックやトラッキング連携をしている機能が参照しているトラックにトラック種別が指定されていない場合,そのトラックはデフォルトトラック状態として動作します。これによって,トラックのコンフィグレーションを変更する前にデフォルトトラック状態を指定しておくと,コンフィグレーションで設定済みのトラッキング連携を削除しないで,影響を与えないようにトラックのコンフィグレーションを変更できます。

(2) コンフィグレーションによるトラック停止

トラックにコンフィグレーションコマンドshutdownを設定すると,トラックごとに動作を停止できます。動作を停止しているトラックの状態は,デフォルトトラック状態です。

(3) 装置起動時のトラック動作

ポーリング監視トラックおよびインタフェース監視トラックは,本装置が起動または再起動してからしばらくの間,動作を停止します。これは,装置が起動した直後は,次に示す理由などによって監視ができないためです。

本装置が起動してからこれらのトラックが動作を開始するまでのトラック動作状態を,起動中と呼びます。起動中のトラック状態は,デフォルトトラック状態です。

本装置が起動してからポーリング監視トラックおよびインタフェース監視トラックが動作を開始するまでの時間は,装置全体についてコンフィグレーションで変更できます。本装置が起動してから,ポーリング監視トラックが使用する通信,または監視するインタフェース状態が安定するまでの時間を指定してください。デフォルトでは600秒です。

なお,リスト監視トラックは,本装置が起動または再起動すると,すぐに動作を開始します。

(4) 系切替時のトラック動作

BCUを二重化構成で運用している場合,ポーリング監視トラックおよびインタフェース監視トラックは,系切替後,現在の装置の状態や経路情報を収集する時間を待つために,動作を停止します。

系切替してからこれらのトラックが動作を開始するまでのトラック動作状態を,切替中と呼びます。切替中のトラック状態は,系切替前のトラック状態を引き継ぎます。こうすることで,トラッキング連携をサポートしている機能が系切替前と同じトラック状態に基づいて制御できるため,トラッキング連携を使用しても系切替時に通信を継続できます。

系切替してからポーリング監視トラックおよびインタフェース監視トラックが動作を開始するまでの時間は,装置全体についてコンフィグレーションで変更できます。系切替してからパケットの送受信が安定するまでの時間を指定してください。デフォルトでは180秒です。

なお,リスト監視トラックは,系切替後すぐに動作を開始します。しかし,リスト監視トラックが監視している各トラックが系切替前のトラック状態を引き継いでいるため,リスト監視トラックも実質的には系切替前のトラック状態を引き継ぐことになります。