23.1.7 リスト監視
リスト監視は,複数のトラックをトラック対象として,それらのトラック状態を組み合わせてトラック状態とするトラック種別です。リスト監視は通常,トラッキング連携で複数のトラック状態と連携するときに使用します。例えば,次のような場合にリスト監視を使用します。
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複数のサーバがあるデータセンターが二つあり,すべてのサーバが使用できるデータセンターを選択して通信したい場合
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ネットワーク上にルータが並列に2台あり,どちらか1台のルータが使用できれば通信に使用したい場合
リスト監視には,ANDリスト監視とORリスト監視があり,どちらを使用するかをコンフィグレーションコマンドbooleanで設定します。ANDリスト監視とORリスト監視について,次の表に示します。
リスト監視の種類 |
トラック状態の判定 |
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ANDリスト監視 |
トラック対象の全トラックのトラック状態がUpの場合に,リスト監視トラックのトラック状態をUpとします。 |
トラック対象のうちどれか一つのトラックでもトラック状態がDownの場合に,リスト監視トラックのトラック状態をDownとします。 |
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ORリスト監視 |
トラック対象のうちどれか一つのトラックでもトラック状態がUpの場合に,リスト監視トラックのトラック状態をUpとします。 |
トラック対象の全トラックのトラック状態がDownの場合に,リスト監視トラックのトラック状態をDownとします。 |
また,リスト監視では,トラック対象のトラックごとに,逆の状態(否定)で認識することをコンフィグレーションコマンドtarget objectのnotパラメータで指定できます。トラック対象にnotパラメータを指定すると,該当するトラック対象のトラック状態がDownのときに,リスト監視トラックのトラック状態がUpになります。notパラメータを指定したANDリスト監視とORリスト監視について,次の表に示します。
リスト監視の種類 |
トラック状態の判定 |
---|---|
ANDリスト監視 |
notパラメータを指定していないトラック対象のトラック状態がすべてUpで,notパラメータを指定したトラック対象のトラック状態がすべてDownの場合だけ,リスト監視トラックのトラック状態をUpとします。 |
ORリスト監視 |
どちらかの条件を満たす場合に,リスト監視トラックのトラック状態をUpとします。
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ANDリスト監視とORリスト監視のどちらでも,トラック対象を一つも設定していないリスト監視トラックのトラック状態はDownです。
リスト監視トラックは,ほかのリスト監視トラックをトラック対象に指定できます。リスト監視トラックによるリスト監視トラックの監視は,8段まで重ねられます。
なお,リスト監視トラックには,ポーリング監視のような状態遷移時の検証動作はありません。トラック対象のトラック状態が変化すると,その瞬間にリスト監視トラックのトラック状態も変化します。