コンフィグレーションガイド
- <この項の構成>
- (1) 設定内容の概要
- (2) 構成図と設定条件
- (3) コンフィグレーション例
(1) 設定内容の概要
GSRPを使用して,四つのVLANを二つのGSRP VLANグループに分け,それぞれのGSRP VLANグループのフレームを2台の本装置へロードバランスします。どちらかの本装置に障害が発生した場合には,もう一方の本装置にて中継を行います。
(2) 構成図と設定条件
- [構成図]
図16-2 GSRPによるロードバランス構成図
- [設定条件]
- レイヤ2のネットワークを構成するすべてのスイッチに本装置を使用します。
- 本装置Aと本装置BにおいてGSRPグループを構成します。GSRP IDは100とします。
- 上記GSRPグループにおいて二つのGSRP VLANグループを設定し,GSRPでの冗長を行います。GSRP VLANグループIDは1と2とし,GSRP VLANグループ1に参加するVLANはVLAN10,VLAN20,GSRP VLANグループ2に参加するVLANはVLAN30,VLAN40とします。
- GSRP管理VLANとしてVLAN5を使用します。
- ダイレクトリンクはリンクアグリゲーション機能を使用して冗長にします。
- バックアップ(隣接不明)状態へ遷移した際,ダイレクトリンクがダウンしていたらマスタ状態へ遷移するよう設定します。
- 通常時,GSRP VLANグループ1に対しては本装置Aがマスタ状態,GSRP VLANグループ2に対しては本装置Bがマスタ状態として稼働するようPriorityを設定します。
- 本装置Bにおいて管理用端末を接続するためのGSRP制御対象外のポートを設定します。
- 上記以外の設定はすべてデフォルト値とします。
- [注意事項]
- ポートリセット機能をロードバランス構成で使用する場合,ポートリセット機能の対象とする物理ポートを複数のVLANグループで共有しないようにネットワークを設計してください。同一の物理ポートを複数のVLANグループで共有し,かつその物理ポートに対してポートリセット機能を設定した場合,あるVLANグループでマスタ状態からバックアップ状態に切り替わった際,別のVLANグループではマスタ状態として稼働しているにもかかわらずポートのリンクをダウンさせるため通信断となります。また,ポートがダウンしている間,そのポートはアクティブポートではなくなります。このため,あるVLANグループ(A)での切り替えでポートをダウンさせたことによって,別のVLANグループ(B)でアクティブポート数が減少し,切り替えが発生する可能性があります。また,ポートがアップしたときに再びVLANグループ(B)で切り戻しが発生し,この切り戻しによって,再度VLANグループ(A)で切り戻しが発生するというように,切り替えと切り戻しが連続して発生する可能性があります。
(3) コンフィグレーション例
- 本装置Aの設定
- [コマンドによる設定]
1 (config)# vlan 5 [vlan 5] 2 (config)# tagged-port 0/0-1 [vlan 5] 3 (config)# untagged-port 0/2-3 [vlan 5] 4 (config)# exit 5 (config)# link-aggregation 10 [link-aggregation 10] 6 (config)# mode lacp [link-aggregation 10] 7 (config)# key 10 [link-aggregation 10] 8 (config)# aggregated-port 0/2-3 [link-aggregation 10] 9 (config)# exit 10 (config)# vlan 10,20,30,40 [vlan 10,20,30,40] 11 (config)# tagged-port 0/0-1 [vlan 10,20,30,40] 12 (config)# exit 13 (config)# gsrp 100 [gsrp 100] 14 (config)# gsrp-vlan 5 [gsrp 100] 15 (config)# direct-link 0/2-3 [gsrp 100] 16 (config)# no-neighbor-to-master direct-down [gsrp 100] 17 (config)# vlan-group 1 [gsrp 100 vlan-group 1] 18 (config)# vlan 10,20 [gsrp 100 vlan-group 1] 19 (config)# priority 120 [gsrp 100 vlan-group 1] 20 (config)# exit [gsrp 100] 21 (config)# vlan-group 2 [gsrp 100 vlan-group 2] 22 (config)# vlan 30,40 [gsrp 100 vlan-group 2] 23 (config)# priority 80 [gsrp 100 vlan-group 2] 24 (config)# exit [gsrp 100] 25 (config)# exit表16-4 本装置A用のGSRPコンフィグレーション設定例の解説
解説番号 解説 1 ポートVLAN5を定義します。 2 VLAN5のTaggedポートとしてポート0/0,0/1を割り当てます。 3 VLAN5のUntaggedポートとしてポート0/2,0/3を割り当てます。 4 VLANモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。 5 リンクアグリゲーショングループ10を定義します。 6 リンクアグリゲーショングループ10のモードをLACPに設定します。 7 当該リンクアグリゲーショングループが所属するポートのKeyを10に設定します。 8 リンクアグリゲーショングループ10に所属するポートとしてポート0/2,0/3を設定します。 9 link-aggregationモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。 10 ポートVLAN10,VLAN20,VLAN30,およびVLAN40を定義します。 11 VLAN10,VLAN20,VLAN30,およびVLAN40のTaggedポートとしてポート0/0,0/1を割り当てます。 12 VLANモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。 13 GSRP ID100を定義します。 14 GSRP管理VLANとしてVLAN5を指定します。 15 ダイレクトリンクとしてポート0/2,0/3を指定します。 16 バックアップ(隣接不明)状態からマスタ状態に遷移する動作モードとしてdirect-downを指定します。 17 GSRP VLANグループ1を定義します。 18 GSRP VLANグループ1に参加するVLANとしてVLAN10とVLAN20を指定します。 19 GSRP VLANグループ1のPriorityを120に設定します。 20 GSRP VLANグループサブコマンドモードからGSRPサブコマンドモードに戻ります。 21 GSRP VLANグループ2を定義します。 22 GSRP VLANグループ2に参加するVLANとしてVLAN30とVLAN40を指定します。 23 GSRP VLANグループ2のPriorityを80に設定します。 24 GSRP VLANグループサブコマンドモードからGSRPサブコマンドモードに戻ります。 25 GSRPサブコマンドモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。
- [コンフィグレーションの表示]
(config)# show vlan vlan 5 untagged-port 0/2-3 tagged-port 0/0-1 ! vlan 10 tagged-port 0/0-1 ! vlan 20 tagged-port 0/0-1 ! vlan 30 tagged-port 0/0-1 ! vlan 40 tagged-port 0/0-1 (config)# show link-aggregation link-aggregation 10 mode lacp key 10 aggregated-port 0/2-3 (config)# show gsrp gsrp 100 gsrp-vlan 5 direct-link 0/2-3 no-neighbor-to-master direct-down vlan-group 1 vlan 10,20 priority 120 vlan-group 2 vlan 30,40 priority 80
- 本装置Bの設定
- [コマンドによる設定]
1 (config)# vlan 5 [vlan 5] 2 (config)# tagged-port 1/0-1 [vlan 5] 3 (config)# untagged-port 1/2-3 [vlan 5] 4 (config)# exit 5 (config)# link-aggregation 10 [link-aggregation 10] 6 (config)# mode lacp [link-aggregation 10] 7 (config)# key 10 [link-aggregation 10] 8 (config)# aggregated-port 1/2-3 [link-aggregation 10] 9 (config)# exit 10 (config)# vlan 10,20,30,40 [vlan 10,20,30,40] 11 (config)# tagged-port 1/0-1 [vlan 10,20,30,40] 12 (config)# exit 13 (config)# vlan 30 [vlan 30] 14 (config)# untagged-port 1/4 [vlan 30] 15 (config)# exit 16 (config)# gsrp 100 [gsrp 100] 17 (config)# gsrp-vlan 5 [gsrp 100] 18 (config)# direct-link 1/2-3 [gsrp 100] 19 (config)# no-neighbor-to-master direct-down [gsrp 100] 20 (config)# vlan-group 1 [gsrp 100 vlan-group 1] 21 (config)# vlan 10,20 [gsrp 100 vlan-group 1] 22 (config)# priority 80 [gsrp 100 vlan-group 1] 23 (config)# exit [gsrp 100] 24 (config)# vlan-group 2 [gsrp 100 vlan-group 2] 25 (config)# vlan 30,40 [gsrp 100 vlan-group 2] 26 (config)# priority 120 [gsrp 100 vlan-group 2] 27 (config)# exit [gsrp 100] 28 (config)# exit 29 (config)# gsrp-exception-port 1/4表16-5 本装置B用のGSRPコンフィグレーション設定例の解説
解説番号 解説 1 ポートVLAN5を定義します。 2 VLAN5のTaggedポートとしてポート1/0,1/1を割り当てます。 3 VLAN5のUntaggedポートとしてポート1/2,1/3を割り当てます。 4 VLANモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。 5 リンクアグリゲーショングループ10を定義します。 6 リンクアグリゲーショングループ10のモードをLACPに設定します。 7 当該リンクアグリゲーショングループが所属するポートのKeyを10に設定します。 8 リンクアグリゲーショングループ10に所属するポートとしてポート1/2,1/3を設定します。 9 link-aggregationモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。 10 ポートVLAN10,VLAN20,VLAN30,およびVLAN40を定義します。 11 VLAN10,VLAN20,VLAN30,およびVLAN40のTaggedポートとしてポート1/0,1/1を割り当てます。 12 VLANモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。 13 ポートVLAN30を定義します。 14 VLAN30のUntaggedポートとしてポート1/4を割当てます。 15 VLANモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。 16 GSRP ID100を定義します。 17 GSRP管理VLANとしてVLAN5を指定します。 18 ダイレクトリンクとしてポート1/2,1/3を指定します。 19 バックアップ(隣接不明)状態からマスタ状態に遷移する動作モードとしてdirect-downを指定します。 20 GSRP VLANグループ1を定義します。 21 GSRP VLANグループ1に参加するVLANとしてVLAN10とVLAN20を指定します。 22 GSRP VLANグループ1のPriorityを80に設定します。 23 GSRP VLANグループサブコマンドモードからGSRPサブコマンドモードに戻ります。 24 GSRP VLANグループ2を定義します。 25 GSRP VLANグループ2に参加するVLANとしてVLAN30とVLAN40を指定します。 26 GSRP VLANグループ2のPriorityを120に設定します。 27 GSRP VLANグループサブコマンドモードからGSRPサブコマンドモードへ戻ります。 28 GSRPサブコマンドモードからグローバルコンフィグモードへ戻ります。 29 GSRP対象外のポートとして1/4を指定します。
- [コンフィグレーションの表示]
(config)# show vlan vlan 5 untagged-port 1/2-3 tagged-port 1/0-1 ! vlan 10 tagged-port 1/0-1 ! vlan 20 tagged-port 1/0-1 ! vlan 30 untagged-port 1/4 tagged-port 1/0-1 ! vlan 40 tagged-port 1/0-1 (config)# show link-aggregation link-aggregation 10 mode lacp key 10 aggregated-port 1/2-3 (config)# show gsrp gsrp 100 gsrp-vlan 5 direct-link 1/2-3 no-neighbor-to-maseter direct-down vlan-group 1 vlan 10,20 priority 80 vlan-group 2 vlan 30,40 priority 120 (config)# show gsrp-exception-port gsrp-exception-port 1/4
- 本装置Cの設定
- [コマンドによる設定]
1 (config)# vlan 10 [vlan 10] 2 (config)# untagged-port 0/0 [vlan 10] 3 (config)# exit 4 (config)# vlan 20 [vlan 20] 5 (config)# untagged-port 0/1 [vlan 20] 6 (config)# exit 7 (config)# vlan 30 [vlan 30] 8 (config)# untagged-port 0/2 [vlan 30] 9 (config)# exit 10 (config)# vlan 40 [vlan 40] 11 (config)# untagged-port 0/3 [vlan 40] 12 (config)# exit 13 (config)# vlan 5,10,20,30,40 [vlan 5,10,20,30,40] 14 (config)# tagged-port 0/4-5 [vlan 5,10,20,30,40] 15 (config)# exit表16-6 本装置C用のGSRPコンフィグレーション設定例の解説
解説番号 解説 1 ポートVLAN10を定義します。 2 VLAN10のUntaggedポートとしてポート0/0を割り当てます。 3 VLANモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。 4 ポートVLAN20を定義します。 5 VLAN20のUntaggedポートとしてポート0/1を割り当てます。 6 VLANモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。 7 ポートVLAN30を定義します。 8 VLAN30のUntaggedポートとしてポート0/2を割り当てます。 9 VLANモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。 10 ポートVLAN40を定義します。 11 VLAN40のUntaggedポートとしてポート0/3を割り当てます。 12 VLANモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。 13 ポートVLAN5,VLAN10,VLAN20,VLAN30,およびVLAN40を定義します。 14 VLAN5,VLAN10,VLAN20,VLAN30,およびVLAN40のTaggedポートとしてポート0/4,0/5を割り当てます。 15 VLANモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。
- [コンフィグレーションの表示]
(config)# show vlan vlan 5 tagged-port 0/4-5 ! vlan 10 untagged-port 0/0 tagged-port 0/4-5 ! vlan 20 untagged-port 0/1 tagged-port 0/4-5 ! vlan 30 untagged-port 0/2 tagged-port 0/4-5 ! vlan 40 untagged-port 0/3 tagged-port 0/4-5
- 本装置Dの設定
- [コマンドによる設定]
1 (config)# vlan 10 [vlan 10] 2 (config)# untagged-port 1/0 [vlan 10] 3 (config)# exit 4 (config)# vlan 20 [vlan 20] 5 (config)# untagged-port 1/1 [vlan 20] 6 (config)# exit 7 (config)# vlan 30 [vlan 30] 8 (config)# untagged-port 1/2 [vlan 30] 9 (config)# exit 10 (config)# vlan 40 [vlan 40] 11 (config)# untagged-port 1/3 [vlan 40] 12 (config)# exit 13 (config)# vlan 5,10,20,30,40 [vlan 5,10,20,30,40] 14 (config)# tagged-port 1/4-5 [vlan 5,10,20,30,40] 15 (config)# exit表16-7 本装置D用のGSRPコンフィグレーション設定例の解説
解説番号 解説 1 ポートVLAN10を定義します。 2 VLAN10のUntaggedポートとしてポート1/0を割り当てます。 3 VLANモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。 4 ポートVLAN20を定義します。 5 VLAN20のUntaggedポートとしてポート1/1を割り当てます。 6 VLANモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。 7 ポートVLAN30を定義します。 8 VLAN30のUntaggedポートとしてポート1/2を割り当てます。 9 VLANモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。 10 ポートVLAN40を定義します。 11 VLAN40のUntaggedポートとしてポート1/3を割り当てます。 12 VLANモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。 13 ポートVLAN5,VLAN10,VLAN20,VLAN30,およびVLAN40を定義します。 14 VLAN5,VLAN10,VLAN20,VLAN30,およびVLAN40のTaggedポートとしてポート1/4,1/5を割り当てます。 15 VLANモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。
- [コンフィグレーションの表示]
(config)# show vlan vlan 5 tagged-port 1/4-5 ! vlan 10 untagged-port 1/0 tagged-port 1/4-5 ! vlan 20 untagged-port 1/1 tagged-port 1/4-5 ! vlan 30 untagged-port 1/2 tagged-port 1/4-5 ! vlan 40 untagged-port 1/3 tagged-port 1/4-5
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