コンフィグレーションガイド

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11.5.2　1インタフェースへの複数トンネルインタフェース設定（IPv6 over IPv4トンネル）

＜この項の構成＞
(1)　設定内容の概要
(2)　構成図と設定条件
(3)　コンフィグレーション例

(1)　設定内容の概要

一つのインタフェースより複数装置に対してトンネルインタフェースを定義します。ここでは1000BASE-Xにてブロードキャスト接続されたIPv4ネットワーク上にIPv6 over IPv4トンネルの設定例を示します。トンネルインタフェースはポイント-ポイント型固定のインタフェースとして扱われます。

(2)　構成図と設定条件

［構成図］

図11-24　構成図

[図データ]

［設定条件］
  1. 両端のイーサネットはIPv6ネットワークに属しており，1000BASE-XはIPv4ネットワークに属しています。
  2. 本装置AとBのIPv4ネットワーク上にIPv6 over IPv4トンネルの設定を行います。
  3. 1000BASE-Xはブロードキャスト接続ですが，トンネルインタフェースはポイント―ポイント型固定のため自インタフェースのアドレスと同時に接続先アドレスの指定を行います。
  4. 本装置A，BおよびCでそれぞれのIPv6ネットワークの経路情報交換を行います。

(3)　コンフィグレーション例

［コマンドによる設定］

＜本装置A＞
 1    (config)# line Tokyo gigabit_ethernet 0/0
      [line Tokyo]
 2    (config)# ip 192.168.50.1/24
      [line Tokyo]
 3    (config)# exit
 4    (config)# line Department1 ethernet 1/0
      [line Department1]
 5    (config)# ip 3ffe:501:811:ff01::1/64
      [line Department1]
 6    (config)# exit
 7    (config)# tunnel TokyoOsakaT 192.168.50.1 remote 192.168.50.2
      [tunnel TokyoOsakaT]
 8    (config)# ip 3ffe:501:811:ff60::1/128 destination_ip_address 
                3ffe:501:811:ff60::2
      [tunnel TokyoOsakaT]
 9    (config)# exit
10    (config)# tunnel TokyoNagoyaT 192.168.50.1 remote 192.168.50.3
      [tunnel TokyoNagoyaT]
11    (config)# ip 3ffe:501:811:ff70::1/128 destination_ip_address 
                3ffe:501:811:ff70::3
      [tunnel TokyoNagoyaT]
12    (config)# exit
13    (config)# ripng yes
      [ripng]
14    (config)# interface TokyoOsakaT TokyoNagoyaT
      [ripng interface TokyoOsakaT TokyoNagoyaT]
15    (config)# ripin
      [ripng interface TokyoOsakaT TokyoNagoyaT]
16    (config)# ripout
      [ripng interface TokyoOsakaT TokyoNagoyaT]
17    (config)# exit
      [ripng]
18    (config)# exit

表11-28　本装置Aのコンフィグレーション解説

解説番号 解説
1 NIF番号0，Line番号0にLine名Tokyoの1000BASE-X回線を定義します。
lineモードに移行します。
2 TokyoをインタフェースとしてIPアドレスを定義します。
3 lineモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。
4 NIF番号1，Line番号0にLine名Department1の10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T回線を定義します。
lineモードに移行します。
5 Department1をインタフェースとしてIPv6アドレスを定義します。
6 lineモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。
7 トンネルインタフェースTokyoOsakaTを定義し，カプセル化されたパケットが実際に通信する自インタフェースと相手装置のインタフェースのアドレスを定義します。
tunnelモードに移行します。
8 TokyoOsakaTをインタフェースとしてIPv6アドレスを定義します。
9 tunnelモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。
10 トンネルインタフェースTokyoNagoyaTを定義し，カプセル化されたパケットが実際に通信する自インタフェースと相手装置のインタフェースのアドレスを定義します。
tunnelモードに移行します。
11 TokyoNagoyaTをインタフェースとしてIPv6アドレスを定義します。
12 tunnelモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。
13 RIPngプロトコルを動作させることを定義します。
ripngモードに移行します。
14〜16 TokyoOsakaTおよびTokyoNagoyaTのインタフェースでRIPngを動作することを定義します。
ripng intefaceモードに移行します。
17 ripng intefaceモードからripngモードに戻ります。
18 ripngモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。

＜本装置B＞
 1    (config)# line OsakaTokyo gigabit_ethernet 0/0
      [line OsakaTokyo]
 2    (config)# ip 192.168.50.2/24
      [line OsakaTokyo]
 3    (config)# exit
 4    (config)# line Department2 ethernet 1/0
      [line Department2]
 5    (config)# ip 3ffe:501:811:ff22::10/64
      [line Department2]
 6    (config)# exit
 7    (config)# tunnel OsakaTokyoT 192.168.50.2 remote 192.168.50.1
      [tunnel OsakaTokyoT]
 8    (config)# ip 3ffe:501:811:ff60::2/128 destination_ip_address 
                3ffe:501:811:ff60::1
      [tunnel OsakaTokyoT]
 9    (config)# exit
10    config)# ripng yes
      [ripng]
11    (config)# interface OsakaTokyoT
      [ripng interface OsakaTokyoT]
12    (config)# ripin
      [ripng interface OsakaTokyoT]
13    (config)# ripout
      [ripng interface OsakaTokyoT]
14    (config)# exit
      [ripng]
15    (config)# exit

表11-29　本装置Bのコンフィグレーション解説

解説番号 解説
1 NIF番号0，Line番号0にLine名OsakaTokyoの1000BASE-X回線を定義します。
lineモードに移行します。
2 OsakaTokyoをインタフェースとしてIPアドレスを定義します。
3 lineモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。
4 NIF番号1，Line番号0にLine名Department2の10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T回線を定義します。
lineモードに移行します。
5 Department2をインタフェースとしてIPv6アドレスを定義します。
6 lineモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。
7 トンネルインタフェースOsakaTokyoTを定義し，カプセル化されたパケットが実際に通信する自インタフェースと相手装置のインタフェースのアドレスを定義します。
tunnelモードに移行します。
8 OsakaTokyoTをポイント-ポイント型インタフェースとしてIPv6アドレス3ffe:501:811:ff60::2，宛先アドレス3ffe:501:811:ff60::1を定義します。
9 tunnelモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。
10 RIPngプロトコルを動作させることを定義します。
ripngモードに移行します。
11〜13 OsakaTokyoTのインタフェースでRIPngを動作することを定義します。
ripng intefaceモードに移行します。
14 ripng intefaceモードからripngモードに戻ります。
15 ripngモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。

＜本装置C＞
 1    (config)# line NagoyaTokyo gigabit_ethernet 0/0
      [line NagoyaTokyo]
 2    (config)# ip 192.168.50.3/24
      [line NagoyaTokyo]
 3    (config)# exit
 4    (config)# line Department3 ethernet 1/0
      [line Department3]
 5    (config)# ip 3ffe:501:811:ff33::10/64
      [line Department3]
 6    (config)# exit
 7    (config)# tunnel NagoyaTokyoT 192.168.50.3 remote 192.168.50.1
      [tunnel NagoyaTokyoT]
 8    (config)# ip 3ffe:501:811:ff70::3/128 destination_ip_address 
                3ffe:501:811:ff70::1
      [tunnel NagoyaTokyoT]
 9    (config)# exit
10    config)# ripng yes
      [ripng]
11    (config)# interface NagoyaTokyoT
      [ripng interface NagoyaTokyoT]
12    (config)# ripin
      [ripng interface NagoyaTokyoT]
13    (config)# ripout
      [ripng interface NagoyaTokyoT]
14    (config)# exit
      [ripng]
15    (config)# exit

表11-30　本装置Cのコンフィグレーション解説

解説番号 解説
1 NIF番号0，Line番号0にLine名NagoyaTokyoの1000BASE-X回線を定義します。
lineモードに移行します。
2 NagoyaTokyoをインタフェースとしてIPアドレスを定義します。
3 lineモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。
4 NIF番号1，Line番号0にLine名Department3の10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T回線を定義します。
lineモードに移行します。
5 Department3をインタフェースとしてIPv6アドレスを定義します。
6 lineモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。
7 トンネルインタフェースNagoyaTokyoTを定義し，カプセル化されたパケットが実際に通信する自インタフェースと相手装置のインタフェースのアドレスを定義します。
tunnelモードに移行します。
8 NagoyaTokyoTをポイント−ポイント型インタフェースとしてIPv6アドレス3ffe:501:811:ff70::3，宛先アドレス3ffe:501:811:ff70::1を定義します。
9 tunnelモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。
10 RIPngプロトコルを動作させることを定義します。
ripngモードに移行します。
11〜13 NagoyaTokyoTのインタフェースでRIPngを動作することを定義します。
ripng intefaceモードに移行します。
14 ripng intefaceモードからripngモードに戻ります。
15 ripngモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。

［コンフィグレーションの表示］

＜本装置A＞
line Tokyo gigabit_ethernet 0/0
  ip 192.168.50.1/24
!
line Department1 ethernet 1/0
  ip 3ffe:501:811:ff01::1/64
!
tunnel TokyoNagoyaT 192.168.50.1 remote 192.168.50.3
  ip 3ffe:501:811:ff70::1/128 destination_ip_address 3ffe:501:811:ff70::3
!
tunnel TokyoOsakaT 192.168.50.1 remote 192.168.50.2
  ip 3ffe:501:811:ff60::1/128 destination_ip_address 3ffe:501:811:ff60::2
!
ripng yes
  interface TokyoOsakaT TokyoNagoyaT
    ripin
    ripout

＜本装置B＞
line OsakaTokyo gigabit_ethernet 0/0
  ip 192.168.50.2/24
!
line Department2 ethernet 1/0
  ip 3ffe:501:811:ff22::10/64
!
tunnel OsakaTokyoT 192.168.50.2 remote 192.168.50.1 
  ip 3ffe:501:811:ff60::2/128 destination_ip_address 3ffe:501:811:ff60::1
!
ripng yes
  interface OsakaTokyoT
    ripin
    ripout

＜本装置C＞
line NagoyaTokyo gigabit_ethernet 0/0
  ip 192.168.50.3/24
!
line Department3 ethernet 1/0
  ip 3ffe:501:811:ff33::10/64
!
tunnel NagoyaTokyoT 192.168.50.3 remote 192.168.50.1
  ip 3ffe:501:811:ff70::3/128 destination_ip_address 3ffe:501:811:ff70::1
!
ripng yes
  interface NagoyaTokyoT
    ripin
    ripout

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