解説書 Vol.2

[目次][用語][索引][前へ][次へ]


5.3.3 回線障害時の動作

<この項の構成>
(1) 回線障害時の動作例
(2) 回線不安定時の連続切り替え防止機能

(1) 回線障害時の動作例

次の図に回線障害時の動作例を示します。

図5-7 回線障害時の動作例

[図データ]

この図では,本装置Aがマスタ状態,本装置Bがバックアップ状態として稼働している状況で,本装置Aと本装置C,および本装置Dの間の回線と,本装置Bと本装置Eの間の回線で障害が発生した場合を示しています。本装置A,および本装置Bで,マスタ,バックアップの選択優先順としてアクティブポート数を最優先とした設定をしている場合,本装置Bは,アクティブポート数が本装置Aよりも多くなるため,マスタになることを選択します。本装置Bは,マスタ状態へ遷移する前に,一旦バックアップ(マスタ待ち)状態へ遷移します。バックアップ(マスタ待ち)状態に遷移した本装置Bは,本装置AからのGSRP Advertiseフレームを待ちます。GSRP Advertiseフレームを受信したら,本装置Aがバックアップ状態であることを確認したうえで,マスタ状態へ遷移します。なお,この図に示す例では,本装置Eはマスタ状態である本装置Bとの間の回線が障害となっているため,通信ができなくなります。

(2) 回線不安定時の連続切り替え防止機能

GSRPでは,マスタ状態とバックアップ状態の選択基準としてアクティブポート数を用います。このため,回線のアップ,ダウンが頻発するなど回線が不安定な状態となった場合にアクティブポート数の増減が多発し,結果マスタ状態とバックアップ状態の切り替えが連続して発生する可能性があります。

このため,GSRPでは回線が安定化したことを運用者が確認できるまでの間,アップした回線のポートをアクティブポート数としてカウントしないようにするための遅延時間をコンフィグレーション(コンフィグレーションコマンドgsrpのport-up-delayサブコマンド)によって設定することが可能です。これによって,回線不安定時の不用意な切り替えを抑止することができます。

port-up-delayサブコマンドでは1から43200秒(12時間)内で1秒単位に指定が可能です。また,infinityと設定することで,遅延時間を無限とすることも可能です。回線が安定したことを確認できた場合,port-up-delayサブコマンドで指定した遅延時間を待たずに即時にアクティブポート数としてカウントするための運用コマンド(clear gsrp port-up-delayコマンド)もサポートしています。

[目次][前へ][次へ]


[他社商品名称に関する表示]

Copyright (c)2005, 2011, ALAXALA Networks Corporation. All rights reserved.